制作ノート 健次の家を探して
vol. 19 2015-04-26 0
工場のイメージから
シナリオを吟味し直しながら、春の撮影準備は少しずつ進められてきました。
昨年のうちに健次の働く工場は決まっていて、
冬ロケのときにも青木さんを含め下見をさせてもらったり、
シナリオでの設定がおかしくないかチェックしていただいたり、
3月末には岡山天音さんも一緒にリハーサルをやったりと、すでにすっかりお世話になっています。
この工場のイメージにつながる健次の家さがし、これがこの映画のキーになる。
シナリオ上は「廃工場」とある。
使っていない機械などが残されていて、しかも広い。
そう、「広い」ことは大事でした。
健次の家でのシーンは全体のうちでかなりの分量をしめるからです。
キーになる健次の住まい
3月上旬、制作の安田さんが参加してくれて、一緒に工場付近に行き、監督のイメージを伝えながら走り回りました。
健次がたたずんでいたトンネル付近に空いた倉庫を発見。
隣の会社の人に尋ねたら時々人が来る程度、だと言うではありませんか。
早速、連絡してみると、会社の倉庫として今はときどき使っている、とのこと。
じゃあ、今はほどよく空いている?と意気込んだのですが、
ちょうど5月には会社ごと引っ越してきてしまうことが判明し、没になりました。
フェンスに囲まれた大きな倉庫も発見。いいかんじに朽ちている。
中にけっこうものが置かれているようなのが気にかかるけれど、とにかく全体は広い。
隣の会社の人が、植わっている木のことで連絡をとりあったことがあったため、すぐに持ち主もわかりました。
しかし、相手は大きな会社。
総務の涼やかな女性の声で「一切、お断りしております」と一言。
すぐに終わりました。
その後、安田さんのアイデアで、探すエリアを広げていきました。
好きにいじってもいいという廃墟になった共同住宅、
取り壊しの決まった倉庫、
1階が店舗で2階は空いている古いアパート…。
できなくもない。でもこれでいいのか?
そんなときにミラクル物件が!