クラウドファンディングをした経緯など
vol. 3 2020-05-21 0
今日は、プロジェクトページとは少し違う視点で、そのことについて書いてみました。
・チャリティーソングを作りたい
自然にそう思った。
僕は気持ちの赴くままに、ミュージシャンに演奏を依頼した。「チャリティーに協力して欲しい」と、お願いをした。快い承諾を得て、録音が進み始めた。
徐々に音が重なる感動とともに、思ったのは、
気心しれた仲間とは言え、彼らはプロの素晴らしい音楽家なのだ。
そして、コロナ禍において仕事を失っている。僕も例外ではないのだが。
「なんとかして演奏料を渡したい。」
そう思った。
・どんどん無料になる音楽
音楽がどんどん無料で聞ける世の中になって、まずしわ寄せを受けるのは音楽家だが、しかし「ほとんどの音楽家はそのことを本質的には、あまり苦だと思っていない」と思う。
なぜなら、音楽を演奏する楽しみは、経済的なことよりも、まずは聴いてもらいたいという思いが強くあるからだ。
僕も、音楽が無料で聴けるというについては「賛成」だし、気持ちとしては無料で聴いてもらいたい。
音楽を人前で演奏したり届ける時の気持ちというのは、本当に自分を削り出しているような作業だし、奉仕という気持ちが締める割合がとても大きい。
そして多分、多くの音楽家は、音楽と経済の垣根が曖昧で、いつも板挟みにされている状態だと思う。
・コロナ禍で浮き彫りになった「奉仕」の気持ち
ステイホーム中の音楽家が、たくさんの音楽を無料で届けている姿は、まさに「奉仕」だと思う。
たくさんの音楽が、それぞれの音楽と経済のジレンマを突き破るように溢れ出した。
無料にしてしまうことで失われる価値についてを、一旦手放して、本来の音楽を始めた理由に忠実になったのだと思う。
しかし、全ての人がそうだとは思わない。中には逆に経済的なチャンスだと思う人達もいるだろうし、それが悪いわけではない。
僕は、逆に生配信をするのを控えるようになってしまった。心情を説明するのはとても難しい。
・誰もが大変な時期だから
そう、今は誰もが大変な時期だ。
例えば、平時に誰かが困っていたらそこに無償の奉仕を捧げることに疑いはない。
たが今回、自然に湧いたチャリティーへの気持ちを遂行するにつれて、僕の中に疑いが出てきてしまったのだ。
僕の呼びかけに応えてくれる音楽家の「奉仕」の気持ちを感じるほどに、
今回の「奉仕」の心は、平時に置ける「奉仕」とは少し状況が違うから、
せめて、何かの形で演奏に対しての対価を還元したい。
そう思い、今回のような体験型のクラウドファンディングを提案してみようと思った。
立ち上げたクラウドファンディングは、わかりずらい提案だったかもしれないが、そこで得た収益が微々たるものであっても、行動を起こすことが先決だと思った。
・クラウドファンディングの特典は魅力的か?
正直なところ、この体験型のクラウドファンティングの特典たちが、音楽ファンの方達にとって、魅力的な物か?と問われれば、とても間口が狭い物だと思う。
僕にとって、音が重なっていく体験というのは喜びだし、それをみんなに楽しんでもらえると思っているけれど、リスナーにとって、なかなかその価値のイメージができないのは当然といえば当然かも知れない。
でも、じっくりと伝わる人に伝わって欲しいと思う。
しかし、やはりそれでは、資金を集めるのは難しだろうし、もっと実用的な特典が必要だと思うった。
・僕が本当に価値がある物だと思っていて、そして多くの人と実用的な部分で共有できるもの
最後の最後に、友人のカイくん(PHABLIC×KAZUIのデザイナー)にオリジナルTシャツの制作をお願いした。
それは、これから夏が来るし、僕はカイくんの作ったTシャツがとても好きで、去年の夏はそれしか着ていなかったくらい。
音楽以外で、僕が信頼できる「物」としての価値も、そこに楽しみとして加えたいなと思った。
そこには、これから僕が好きな作家さんに声をかけて、オリジナルのプリントも施そうと思う。
もちろん、皆に対価を還元することができるように調整する。僕自身もこの夏、そのTシャツに袖を通すことを楽しみにしている!
(ちなみにこの写真が去年のカイくんのTシャツ)
・最後に、肝心のチャリティーのこと
クラウドファンディングの中で詳細は説明しているけれど、
今回、聞こえて来そうな懸念は。
『クラウドファンディングに支援した人は、楽曲が聴けるのだから、チャリティーソングを買わないのでは?』
チャリティーで販売するものは、主にライブ音源をまとめたアルバムを予定しています。(クラウドファンディングのページで説明はしていますが、見落としてしまう場合もあるので改めてそれについて触れておきます)
また、クラウドファンディングをすることで、チャリティーアルバムを周知する為の宣伝にもなるはずです。
単にライブ音源を出すだけという事は容易いけれど、今この時代に聴いて欲しいと思った楽曲を添えることが必要だと感じています。