全国劇場公開の意義:残り6日!!
vol. 63 2015-03-26 0
みなさん、おばんです!監督の我妻です!
震災前の南三陸を舞台にしたドキュメンタリー映画『波伝谷に生きる人びと』の全国劇場公開応援クラウドファンディングもいよいよ残り6日となりました!まだプロジェクト・ページをご覧になっていないみなさん、是非この機会にこの映画がどんな映画なのか、記事をご一読いただけますと幸いです。
※『波伝谷に生きる人びと』全国劇場公開応援クラウドファンディング
https://motion-gallery.net/projects/hadenyani_ikiru
いわゆる「震災映画」として捉えられがちな本作ですが、映画をご覧になった方も分かるとおり、実際に扱っている内容は、現代社会を根本から支える地方の人の営みそのものであり、日本の農山漁村、コミュニティ全般に共通する普遍的なものです。海の恵みを一身に受け、地域と深く関わりあいながら生きている人びとの姿・・・。社会の変化と伝統の間で葛藤しながらも、土地に根ざして生きる人びとの姿・・・。
そこに描かれているものは、日本中どこにでもある、普通の人びとの普通のくらしであり、震災がなくてもいずれは形を変え、忘れられて行ったであろうささやかな日常です。しかしそんな誰も目を向けずに過ぎ去っていく些細な出来事の中にこそ、いつの時代にも変わらない何かが、自分たちの足元を支える世界や身近な人との関わりについて見つめ直すヒントがあるのではないか。そう信じて僕はこの映画の製作を続けてきました。
もちろん、「震災」という切り口からこの映画を取り上げてくれることは嬉しいですし、実際にこの映画にとって震災は重要な要素です。しかし、「貴重な映像ですね」と言われる度に、「うん、はい、まあ・・・」と言葉をにごらせてしまう自分がいるのも確かで、トークの度に何か真面目な話をしなければならない空気になってしまうのが実は苦手だったりもします。(まあ、今ではそれにも慣れてきましたが。)だから、みんな笑って観てくれると、僕はとても嬉しいのです。本来はもっと柔らかい、親しみやすい映画なわけですから。
そう、だから、まずは「震災」や「被災地」といった重たいイメージから離れて、純粋に、映画として観てほしい。そこに映っているものを、そこに生きている人のことを、純粋に見つめてほしい。今「被災地」と呼ばれている場所に、かつてどんな人の営みがあったのか。今の自分たちの世界と、映画で描かれている世界では何が違うのか、何が同じなのか。自分たちはそこから何を汲み取ることができるのか。
それを震災に関心がある人だけでなく、さまざまな分野に関心を持つ人、老若男女、幅広い世代の人に感じてほしい。同じように、地方で悩みながら生きている人たちに、その姿を見てほしい。そして、今地域から離れつつある若い人にこそ、こうした生き方があることを伝えたい。それができて初めて、僕たちは震災が起きたことの意味を足元から考えることができるのではないでしょうか。
そして、地域に根ざし、自然の豊かさや厳しさに寄り添いながら生きてきた波伝谷の人たちの人間的な魅力と親しみやすさに、スクリーンで出会ってほしい。(リアルで親しみやすいかは別なので、せめてスクリーンで。)滑稽ながらも愛おしい人びとが織り成す豊かで複雑な世界を、キャメラを通して体感して、僕が感じた波伝谷の空気を、そこに流れていた時間を、暗闇の中で、音とともに、光とともに感じてほしい。
その機会がより多くの人に開かれる場所が、映画館であると感じています。そして公開をする上で、いろいろな人と出会って、いろいろな人の手ほどきを受けて、作品として成長してほしい。たくさんの観客と出会って、誰かの記憶に残る作品になってほしい。そう願っています。
記事をご一読いただければ、もっと詳しいことが書いてありますが、是非劇場公開の主旨と作品の可能性に共感していただける方からのサポートをお待ちしております!どうぞよろしくお願いいたします!