『波伝谷に生きる人びと』を観る前に~宮城県沿岸部縦断上映会~
vol. 59 2015-03-22 0
こんばんは!プロジェクトマネージャーの野村です。
先日紹介した南三陸町での完成披露上映会の後、『波伝谷に生きる人びと』は全国各地で上映されていきます。そのうち監督が主宰するピーストゥリー・プロダクツによって昨年の夏、宮城県内11会場で上映するという企画「宮城県沿岸部縦断上映会」が開かれました。プロジェクトページにも紹介がありますが、今日は改めてご紹介したいと思います。
ちなみにお気づきの方があるかもしれませんが、完成披露上映会の際には『波伝谷に生きる人びと-第1部-』だったタイトルは、監督自身の思い入れがあったものの1本の独立した作品として世に広めるため「-第1部-」は”一旦”外されます。
宮城県沿岸部縦断上映会は2014年7月~9月にかけて宮城県の沿岸部を中心とする11会場を北から南に縦断しながら無料上映するという企画で、有志による上映実行委員会を組織して運営されました。その上映実行委員が映画に寄せたメッセージは先日紹介しましたのでお読みいただきましたでしょうか。また、この前後には監督の地元白石市のみやぎ・しろいしフィルムコミッション主催による壮行記念特別上映会、母校東北学院大学の民俗学研究室主催による上映会&講演会が行われています。
この企画は「震災から3年を機に、沿岸部全体でかつての人の生き方、故郷のあり方を見つめ直し、被災地の『未来』について考えたい」という主旨のもと、山元町・亘理町・名取市・仙台市・塩竈市・東松島市・石巻市・女川町・登米市・南三陸町・気仙沼市の11市町を会場に行いました。これらの市町は内陸部にある登米市を除き、いずれも津波で甚大な被害を受け、復興の途上にあります。登米市は南三陸町に隣接し、その仮設住宅が設けられるなどゆかりある市として選ばれました。私も上映スタッフとして東松島市と石巻市以外は監督に同行しましたが、改めて津波被害の大きさとともに3年を経てもまだまだ遠い復興の様子など被災地の現実を見て歩くことにもなりました。
また各会場では可能な限り地元で活動する若者や文化団体との対談の場や観客との質疑応答の機会を設けました。対談では被災者または支援者の立場から見た被災地の現状や、震災の記憶と記録、地域コミュニティの在り方など映画と各会場の地元も絡めた多様なテーマによるトークが実現しました。質疑でも映画への質問や感想の他、自らの震災体験や今後の町の復興の在り方などにまで話がおよぶこともあり、映画をきっかけとして考える人の姿にこそ、この上映会の意義があったのではないかと思います。
画像として掲載したのは、そのうち10会場目となるのが南三陸会場です。南三陸町では1月の完成披露上映会と同じ南三陸町ポータルセンターで行われました。映画の登場人物が仕事帰りに同僚と立ち寄られたり、亡き人の姿を見に来られた方もいました。また復興支援の関係者は今後の支援の参考にと足を運ばれた方が多かったです。
そんな宮城県沿岸部縦断上映会の各会場ごとの報告はフェイスブックに掲載してあり、宮城県沿岸部縦断上映会の報告書(リンクは公式ブログ)にはアンケートの集計結果とコメント(一部)が掲載されています。よろしければご覧ください。
フェイスブックでの報告記事
山元町、亘理町および名取市、仙台市、塩竈市、東松島市、石巻市、女川町、登米市、南三陸町および気仙沼市、縦断上映会を終えて
宮城県沿岸部縦断上映会報告書(ピーストゥリープロダクツ公式ブログ)