ドローイング終了!(岩根彰子)
vol. 19 2017-05-20 0
5月16日、今月1日から描き始めていた「新ゲルニカ」のためのドローイング30枚が完成しました。そこで翌日、次の作業に入る前に、全部のドローイングを見せてもらうためBUCKLE KOBOへ。
クロッキー帳を順にめくっていくと、その変遷がよくわかります。
最初の頃はゲルニカを意識したタッチ。そこに根本作品おなじみのキャラクターたちも紛れています。
ところが集中して描いていくうちに、どんどん自分の世界に入り込んでしまったそうです。確かに、線も色もかなり激しいタッチに。
あまりに深く自分の世界に入ってしまったので、少し軌道修正。このあたりから絵としてのまとまりが出てきました。
後半はかなりの完成度。
クロッキー帳をめくっていると、その時に思いついたメモが書かれたページなどもあり、根本さんの頭の中を少しだけのぞいたような気分になります。
ちなみに根本さん曰く、
「キャンバスの大きさに慣れるためのスケッチのつもりで正面に座って描いているうちに、キャンバスが小さく感じられてきた」とのこと。
とはいえ、実際に比較してみるとこのサイズ感。
もちろん本人も、
「それは単なる慣れなのか、麻痺なのか。とはいえ、挑む段階で負けちゃうとダメだからね。描き始めてみれば、大きさは嫌でも体で感じるだろうし」
とおっしゃっていました。
そしてキャンバスに筆を入れる前に、次の作業として、まずは同じ比率の台紙を作り、そこに描きためたドローイングを異なるサイズでカラーコピーして、どのモチーフをどう配置していくか、切り貼りしながらざっくりとした全体構成を決めようというのが根本さんのアイデア。
そのための台紙を準備していて、いまさらながらに驚いたのがその縦横比でした。
とにかく横に長い! 一瞬、計算を間違えたかと思うほどに、長い。
キャンバスの前に立っていると高さにばかり目が行くのですが、実際にその比率で作った台紙をみると、その長さに驚きました。
▲ゲルニカのサイズは349 cm × 777 cm。こうしてみると確かに横長。
横長の絵に関しては、後日、会田誠さんからなるほどと思うお話を聞いたので、またあらためてレポートします。
さてこの日、作業の合間に先日のレポートでもお知らせしたフランス・マルセイユのギャラリー「Atelier du Dernier Cri」で開催中の、「根本敬&蛭子能収の二人展」について、「やっぱり一応報告しておこう」と、蛭子さんに電話連絡していた根本さん。
予想通り、詳しい内容はまったく伝わっていなかったようで、その日の蛭子さんのブログにはごはんとおやつの話しか書かれていませんでした……。
▲その頃のチョロ。先日、BUCKLE KOBOの方が作ってくれたベッド兼テーブルが目下、お気に入りだそうです。立派な表札まで!
(岩根彰子)