4月26日 キャンバス張りレポート その2(岩根彰子)
vol. 3 2017-05-01 0
京浜島・BUCKLE KOBOでのキャンバス張り。木枠の組み立ては思いのほかスムーズに進みましたが、本番はここから。キャンバス地をたるみなく張る作業に入ります。
M500号(333.3×197.0cm)のキャンバスは、実際、目の前にするとかなりの大きさ。そして当然ですが、布を乗せただけの状態ではかなりのたるみっぷりで、これを4枚張るのか……とちょっと不安になりますが、会田さんは院生のお二人に意見を求めつつ、淡々と作業を進めます。
手順としては、まず上下左右の枠の中心を留めてから、四隅を仮留め。布を張りながら残りの隙間を留めていき、最後に角の仮留めを外して残ったたるみをとって完成。
キャンバス地を挟んで角をきれいに出しながら引っ張り……
大きなホチキスで留める。これを、キャンバス地のたるみ具合を確かめながら繰り返していきます。
各辺の中心を留めた段階でバランスよく張れていると、キャンバスに寄るシワがきれいなダイヤ型に。
少しずつ、シワが取れてキャンバスがピンと張っていきます。
最初は他のメンバーも手伝っていましたが、やはり院生の日下部さん、多田さんに任せた方が手際よく進むことがわかり、最終的にキャンバス張りの作業はほぼ全て、このお二人が担当してくださいました。
ちなみにキャンバスのサイズにはF(Figura/人物)、P(Paysage/風景)、M(Marine/海景)、S(Square/正方形)の4種類があり、今回張ったM500号は、一般的に海景用に使われるキャンバスの最大サイズ。その他のサイズはF500号(333.3×248.5)、P500号(333.3×218.2)、S号500(333.3×333.3)です。
キャンバスサイズを決めるにあたっては、ミヅマギャラリーの日下さんが、わざわざキャンバスのサイズを縮小したダミーをそれぞれ作ってくださり、それを同じ縮尺のゲルニカと対比してどれがいいかなど、いろいろ意見をいただきました。
▲ミヅマギャラリーでの打ち合わせ風景(3月28日)
10時の作業スタートから約1時間半。1枚目のキャンバスがだいたい張れた段階で、並行して残りの木枠の組み立て作業に入りました。このあたりから、会田現場監督の手際の良さが光ります。
あっという間に3枚分の木枠が組み上がり、空いたスペースには昼食用のテーブルが出現。
そしてそこに並んだのはお弁当……ではなく、根本さんが運び入れたCDの数々。
これからの制作期間、根本さんは昭和島駅からBUCKLE KOBOがある京浜島まで自転車で通うことにしています。実はこの日も自転車で登場した根本さん。大きな黒いバッグを抱えていたので、早速画材などを持ち込んだのかと思いきや、中に入っていたのは音楽でした。
まずは「なにを描こう」の前に、「どういう音楽を聞きながら描こう」と考えてしまうという根本さん。この工房を最初に見たときからずっと、この空間にはどんな音楽があうだろうかと考えていたのだとか。
とりあえず今日は手元にあるやつをざっと持ってきた、とのことで、工房に最初に響いたのはGRATEFUL DEAD。今後は根本さんによる工房のBGMレポートなどもあるかも。
そしてCDのあとは、ようやく太田出版の新木さんが買ってきた差し入れのお弁当がテーブルに並び、お昼休憩となりました。
チョロも棚の下から物色中。
午前中、約2時間半の作業で1枚がほとんど張り終わり、3本分の木枠が完成。
実はその傍らで会田さんが密かに重要な別作業をしていたのですが、その詳細は次回。
▲細い角材を測る会田さん。これがとても重要なアイテムになります
(キャンバス張りレポートその3へ続く) (岩根彰子)