アーティストのご紹介⑦池平徹兵(イケヒラテッペイ)氏
vol. 17 2018-03-06 0
こんにちは!FU-TENの金子です。
今回ご紹介するのは、池平徹兵(イケヒラテッペイ)さん。
池平さんは、2013 年に岡本太郎現代芸術賞展に入選、2017 年に VOCA 展(上野の森美術館)にも選出され、 ニューヨークやマイアミなどのアートフェアにも参加ながら海外からも注目を浴びているアーティストです。 また、各地でワークショップ形式で作品を制作もしています。
私は、池平さんの作品を拝見した時に、生き物、花、木、果物、パフェなどのデザート、、色とりどりのモノたちが、なんて優しく華やかに表現されているのだろう。とうっとりしたのを覚えています。柴又にはまちをつかさどる様々な要素。池平さんによってどう表現されるのかとても楽しみです。
今回、「東京」をテーマにしたTOKYO MERMAID PRINCESSをリターンとして提供してくださいました。ぜひイメージムービーも合わせてご覧ください!
池平さんからもコメントをいただきました!
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私は描きたいと思ったものを次々に画面に加えていくという方法で絵を描きます。
削ぎ落として一つにするシンプルではなく、調和して一つにするシンプルです。
構図のためにモチーフを選ぶことはなく、全ての箇所を純粋に描きたいと思ったものだけで構成していきます。
そうすることで自然界のように、全てが主役のまま、全てが互いを引き立て合う画面が生まれます。
そして柴又の町はまさにそういう町でした。
寅さんの映画のイメージで訪れた柴又でしたが、その魅力はあまりに多方面に広がっていました。
八幡神社の洪水から守るための獅子舞や、古墳と埴輪の発掘、矢切りの渡し舟。
少しでも危険なことはすぐに禁止にする今の時代に渡し舟が残っていることを本当に嬉しく思います。
帝釈天には飲むこともできる綺麗な水が湧いていて、町全体の水が美しく、様々な形をして水の神様が祀られています。
その一つ一つを詳しく知るだけでも世界は広がっていきます。
中でも帝釈天の湧き水の苔の上に人々がお供えしている白蛇の置物が私は特に好きでした。
こうした観光名所だけでもまだまだいくつもあるのですが、
観光名所とは関係ないところにもいくつもの感動がありました。
例えば子供が駐車場にチョークで絵を描いていました。
その絵はいつも変わるそうで通りすがりの人を楽しませていました。
この日の絵はよく見るとモチーフがしりとりになって並んでいるとても可愛い絵でした。
落書きをして怒られずに喜ばれること。
それができればすぐに画家になれます。
山本亭の庭で一度に7匹くらいの野生のヒキガエルを見れたのは本当に素晴らしかったです。
これがどれくらい凄いことかというと、
私は自然の多い多摩湖の湖畔に住んでいます。
ヒキガエルも生息していますが滅多に出会えることはなく出会えた日はとても幸せな気分になります。
それが山本亭では目の前に同時に7匹以上いるのです。
このようにどれか一つだけでも十分に作品にしたい気持ちが湧き上がるものが書ききれないくらい沢山あります。
宿泊客がこの魅力的な町を通って私の作品と出会い、そして作品の中で一泊過ごすということ。
それ全体を一つの体験として捉え、私はこの沢山の魅力を沢山の魅力のまま一つの作品にしようと考えています。
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池平さんがどんな風に柴又を表現するのか、お楽しみに!
あと10日!よろしくお願いします。
http://www.youtube.com/watch?v=mePhoqepKgc
【プロフィール】
2001 年島根大学卒。2000 年より島根県立美術館をはじめ、東京オペラシティアートギャラリーprojectN や、H.P.FRANCE WINDOW GALLERY などで数多くの個展を開く。
2013 年に岡本太郎現代芸術賞展に入選、2017 年に VOCA 展(上野の森美術館)にも選出され、 ニューヨークやマイアミなどのアートフェアにも参加ながら海外からも注目を浴びている。 また、各地でワークショップ形式で作品を制作し、東京大学駒場博物館特別展「境界を引く ⇄越える」のインストラクターを務める。最近では東京を新しい解釈で提示するアートブック「TOKYO MERMAID PRINCESS」の挿絵を担当するなど活動は多岐にわたる。