3会場上映ツアー終了のご報告
vol. 37 2016-11-29 0
いつも応援ありがとうございます。監督の高野です。
一昨日の横浜上映会では100名を越えるお客様にお越しいただき、先月からはじまった伊豆大島・神戸・横浜の3会場上映ツアーは大団円となりました。
改めまして、この映画を力づけてくださった皆様に感謝申し上げます。
とても心を動かされたことがありました。
大学時代の同級生がひとり、横浜の上映会に来てくれました。彼女は映画とトークショーを楽しんでくれたようなのですが、終演後、ロビーで声をかけてくれて、「映画とトークを見て、感動して泣いてしまった。とても励まされた」と目を潤ませながら、ひとこと感想をくれました。
ぼくには何のことだかさっぱりわからなくて、虚を衝かれたように「?」となってしまったのですが、彼女が書いてくれたアンケートを読むと、変わらず映画を撮り続け、映画について話すぼくに何か胸を打つものを感じてくれたというのです。
これはとても特殊で、個人的な話ではあるのですが、「ああ、この映画を撮ってよかった」とはじめて率直に思いました。世界にいるたった一人の人にでも、本作が何かしら役立って、必要としてくれる人がいるという事実にただただ驚愕し、これは作り手としてはありがたい、何ともありがたいことだと思いました。幸せなことだと思いました。(作家を切り離して、作品のみでそのようなことが起きればより素晴らしい)
アーツカウンシル東京から助成金をもらったり、大島の人に散々迷惑をかけたり、クラウドファンディングでたくさんの支援をいただいて、この映画が社会に還元できるものとは一体なんのかわからず、悩みすぎてつらい時期もありました。数は圧倒的に少数かもしれないが、ひとりひとりの方に「必要」として届けば、この映画の存在意義は確かにある、と教えてもらえたかのようでした。この映画を撮ってよかった。
そして元をたどれば、この映画が完成できたのは、おひとりおひとりの皆さんの応援なくしては有りえませんでした。
このプロジェクトを開始するとき、コメントの執筆を引き受けてくださった濱口竜介監督は「結果は実はあまり関係ない」「この経験こそ高野徹に大きな変化を強いるでしょう」と書いてくれました。まさにその通りになったと思います。上映会が終わった今、僕自身が成長するためのスタートラインに立てたような気がしています。そんなとても個人的なことにも関わらず、いっちょ乗ってやるかと船に乗ってくれた皆さんには感謝をしても感謝しきれません。ずっと見守っていただき、ありがとうございました!
もちろん結果は良いほうが良いに決まっています。映画の英語字幕もたくさんの協力があって完成しました。一歩づつですが、「必要」としてくれる人に届けるため引き続き頑張りたいと思います。変わらぬ応援よろしくおねがいします!
高野徹