【活動レポート⑭】羽生組ワークショップ終了!
vol. 23 2016-03-05 0
羽生監督のワークショップが無事終了しました。
羽生監督の独特の視点で語られる個。不思議な世界に包まれたワークショップ。役者の皆さんも有意義な時間を過ごされました。
以下、羽生監督のワークショップレポートです。
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『尊重する』
私が、このワークショップを通して発見したことです。
WSの当日を迎えるまで、WS未経験の私が20人の参加者に届けられることは何だろうと自問し続け、「聞く」ことに重点を置こうと決めました。それは、「聞く」ことが「演じる」ことを助けてくれるのではないかと想像したからです。
それを実践するために同性2人を1組とし、男女5組ずつ、計10組のペアをつくり、事前に指定した10の質問を相手に聞き、カメラに対峙し、レンズを見据え、語ってもらいました。質問の内容は名前、今日起きて何をしたか?、自分の好きな所、嫌いな所、幸せだと思うか?、それはなぜか?、何が大切か?、何が怖いか?、愛とは?、どういう自分になりたいか?という、ありふれたものです。自分自身を表現するために選んだ言葉たちは、どこか恥じらいを含んだものが多かったように思います。
次に、その構造を反転し、「聞いた」相手が「語った」自分を演じてもらいました。決して、相手の物真似をするということではなく、相手の言葉を借り、自分のままカメラの前にいてもらうようお願いしました。
そして、カメラの前にいた「自分を演じる他者」は相手を尊重し、勇気づけ、励ましました。
それは自分の隠したい恥じらいであったはずの「弱さ」や「欠点」が、他者にとっては魅力であり、尊重するべきところなのだと、自らが発見した証拠だと思います。その感覚を保持し、更新しながらテキストを使用してWSは進行していきました。
映画は生きることを助けてくれると思います。
それは人が真摯に生きたことの証拠だからです。
カメラは、その事実を確かに記録して何度でも再生します。
20人の振る舞いを見つめ、言葉を聞き、全員が尊重を持ち寄ってカメラの前に向かい合ってくれたことを心から誇りに思っています。
そして今、その決定的な瞬間を目撃し続けた私自身が皆さんにとても励まされています。
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おつかれさまでした!!!