【応援メッセージ】九龍ジョー(ライター/編集者)
vol. 18 2024-05-21 0
こんにちは!
2019年に京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENTにて世界初演を迎えた『消しゴム山』
3年ぶりの東京公演が2024年6月7日(金)〜9日(日)に世田谷パブリックシアターにて開催されます。
公演にあたってクラウドファンディングを実施中。
クラウドファンディングを通して、より多くの人に作品をひらいていく機会をつくります。
詳細はプロジェクトページをご覧ください。
プロジェクト達成に向け、続々と応援メッセージが到着!
本日はライター/編集者の九龍ジョーさんのメッセージをご紹介します。
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人も物も写真からから一瞬で消せる機能としてGoogleがpixelスマホに実装した「消しゴムマジック」。そのネーミングから真っ先に想起したのはこの作品のことだった。イメージ生成AIのコアにある技術は、ノイズの除去だ(拡散モデル)。大波小波とノイズを除去し、成果物を炙り出す。 「消しゴム山」は、2019年の初演を観た。こちらは静かなノイズに満ちていた。機器の振動、大地の波動、忘れ去られし者たちの声……。繊細に張り巡らされた音響も素晴らしかったと記憶している。 当時は想像だにしなかったことだが、岡田利規の演劇論『遡行』を編集するなど、出版界を中心に活動していた私は、いま生成AIへの関心からスタートアップの世界へと飛び込み、気づけば脱炭素に取り組む企業群のあれこれに関わっている。この文章を書いている数日後には、サーキュラエコノミーの未来を見すえ、能登半島地震の災害廃棄物の現場に入る予定だ。 日本政府は、2050年のカーボンニュートラルを世界に向けて約束した。また、その時期には、日本の労働人口は2000万人減少しているとも言われる。とてつもない社会課題だが、これらは私たちの具体的な営みで解決できるのか、あるいはテクノロジーが乗り越えていくのか、個人の想像の域を超えている。そもそも現状の高度資本主義システムが刷新されなければすべて終わり、という話もある。 いまチェルフィッチュの演劇に触れ、私自身が何を感じるのか、正直どこか怖くもある。だがいま必要なのは消しゴムマジックではなく、消した痕跡が丸見えの演劇マジックなのは間違いない。 公演の成功を願います。
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九龍ジョー(ライター/編集者)
ライター、編集者。岡田利規『遡行 変形していくための演劇論』(河出書房新社)をはじめ、手がけた書籍、メディア、番組など多数。最近の関心は、生成AI、脱炭素、Well-being、出版の未来。著書に『伝統芸能の革命児たち』(文藝春秋)、『メモリースティック』(DU BOOKS)、『遊びつかれた朝に』(ele-king books)など。
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引き続き皆様の応援をよろしくお願いします!!
<公演情報>
チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』東京公演(2024)
【スケジュール】
2024年
6月7日(金) 18:30開演
6月8日(土) 13:00開演☆/18:00開演◉
6月9日(日) 13:00開演★
☆上演中ウィスパリング歓迎の回
◉終演後、アフタートーク
★鑑賞マナーハードル低めの回
【会場】世田谷パブリックシアター(〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号)