今までお世話になりましたという手紙
vol. 12 2020-10-28 0
製薬マネーデータベースのクラウドファンディングは、終了まで残り3日となりました。どうぞ最後の応援をお願いします!
本日は医療ガバナンス研究所の山下えりかさんのメッセージをお届けします。ぜひお読みください。
▼
はじめまして。医療ガバナンス研究所で記事や論文の基になるリサーチやデータ関連業務をしている山下えりかです。2017年版の作成からこのプロジェクトに参加し、ワセクロメンバーがほぼボランティアで頑張る姿をみて応援したいと思いました。
製薬マネーデータベースでどんなことが出来るか、1例をご紹介します。下のグラフは、日本高血圧学会理事(全員“医師で教授”)の2017年に製薬会社から受け取った報償額と前年比です。
なぜ金額が増えたのか
横浜市立大の田村功一教授の前年比が跳ね上がっているのが目立ちます。9割増しの報償額、件数は6割増で62件です。何故なのか。ネットで経歴を検索すると、2016年に准教授から教授へ就任しています。私たちは、このようなデータを基にワセクロとの共同研究で論文を発表し続けています。
このグラフを作成し、多額の報償額を受け取っている理事が運営する学会で推奨するお薬は、本当に患者さんのためのものなのだろうかと思いました。同じ効能のお薬でも、販売価格が安い方ではなく、お金を貰った製薬会社の割高な薬剤を選ぶかもしれません。
私が以前、勤めていた製薬会社は、豪華なパーティや都内一等地の広々としたオフィス内で頻繁にビュッフェを催したり、年収数千万のMR(営業)が多数いるような羽振りの良いところでした。
アンケートに同封された手紙
販売しているお薬は、末期がん患者の痛みを和らげるお薬で健康な人には毒となるため、お薬の管理についてアンケートを取っていました。同封されていた手紙に『高額のため、これ以上は薬を買うことが出来ませんが、いままでお世話になりました。痛みを和らげてもらえて、母の苦しみも楽になったと思います。ありがとうございました。』とあり、配属されたばかりで薬剤の金額(数千円)も知らなった私は、社会に貢献しているのだろうかと疑問を持ちました。
この活動で集めたデータを基に論文を発表し報道することにより、報償額の開示方法が改善されました。公にすることは不正を行いにくくすることに繋がるのではないかと思います。少しでも患者さんのためになるのならと昼夜を問わず皆で頑張っています。応援よろしくお願いいたします!
- 前の記事へ
- 次の記事へ