facebook twitter mail key notification checkmark chevron chevron-left location image user group plus comment bubble

患者さんのためのマネーデータベース「製薬会社と医師」2018年度版をクラウドファンディングで実現!

日本で唯一!
患者さんのためのマネーデータベース「製薬会社と医師」2018年度版も作りたい!

製薬会社が医師に支払うお金の流れを、誰でも検索できる「製薬マネーデータベース」。利害関係を透明化し、患者さんが自身の薬について知る権利を保証します。今回は検索項目も増やし、2018年度のデータを元に最新版を作成します。

FUNDED

このプロジェクトは、2020年10月30日23:59に終了しました。

コレクター
102
現在までに集まった金額
1,410,001
残り日数
0

FUNDED

このプロジェクトは、2020年10月30日23:59に終了しました。

Presenter
Tokyo Investigative Newsroom Tansa プロフィールを表示

プロジェクトをブログやサイトで紹介

テキストエリアのコードをあなたのブログやサイトのHTMLに張り付けると、右にあるようなプロジェクトウィジェットが表示されます。

Tansaは探査報道を専門とするニューズルームです。 暴露しなければ永遠に伏せられる事実を、独自取材で掘り起こし報じます。 広告収入を受け取らず、独立した立場を守ります。誰もが探査報道にアクセスできるよう、購読料もとりません。NPO法人として運営し、寄付や助成金などで成り立っています。

このプロジェクトについて

製薬会社が医師に支払うお金の流れを、誰でも検索できる「製薬マネーデータベース」。利害関係を透明化し、患者さんが自身の薬について知る権利を保証します。今回は検索項目も増やし、2018年度のデータを元に最新版を作成します。

マネーデータベース「製薬会社と医師」とは?

 医療ガバナンス研究所とワセダクロニクルが共同で進める「製薬会社と医師」は、製薬各社から医療機関や医師に支払われた資金提供の情報を集め、データベース化するプロジェクトです。データベースは現在、誰でも無料で見ることができます。

https://db2017.wasedachronicle.org/

 医師は薬を処方する権限を持っています。また、患者さんに薬を試す臨床試験も行います。製薬会社から提供を受けた金銭で、医師が薬の処方や研究結果を歪めてしまうことがないように資金の流れを透明化することが大切です。製薬会社は業界の自主ルール「透明性ガイドライン」に従い、2012年から資金提供情報を公開しています。

多額の製薬マネーは医師の処方を歪める可能性も

 ところが、各社が個別にデータを公開している現状は、透明性が保証されているとは言えません。どの社からいくら金銭を受け取っているかを比較する必要があります。例えば同じ1000万円でも、1社による提供と10社から100万円ずつの提供とでは利害関係の濃さが違います。

 そこで私たちは、医師名を入れると当該医師がどの製薬会社からいくら資金提供を受けたかを調べられるデータベースを作り始めました。

検索バーに医師名や製薬会社名を入れて金額を調べます

 製薬会社にとっての「顧客」は、薬の処方権限がある医師かもしれません。しかし、製薬会社は医師との利害関係を透明化した上で、患者さんの命と健康を守る薬を売ってほしい。そして医師は患者のことを第一に考える存在であってほしいーー。そんな願いがこのデータベースには込められています。患者のみなさんには、このデータベースを利用し当事者として適切な治療が行われているかどうかに目を向けてほしいと思います。

3回目の公開に向けた私たちの思い

8月5日に2017年度版の最新データベースをリリース

 毎年、製薬会社が新たに公開するデータは1年分。これまでに2016年度版、2017年度版を作成してきました。今回で3回目の挑戦になります。時間とお金と手間暇をかけて、データベースを作り続けている私たちの思いを、ご紹介します。

「医師と製薬会社が信頼を得るためのインフラ」

上昌広 (医療ガバナンス研究所・理事長)

 私が主宰する医療ガバナンス研究所が、ワセダクロニクルと共同で製薬マネーの調査を進めている。データベース作成のプロジェクトがスタートしたのは2017年9月だ。中心となって進めたのは、ワセダクロニクルの編集長である渡辺周氏と当研究所のスタッフである尾崎章彦や谷本哲也医師だ。何れも製薬企業とは浅からぬ因縁がある。

 渡辺氏の前職は朝日新聞記者だ。2015年4月1日、朝日新聞は一面トップで「医師に謝礼、1000万円超184人 製薬会社、講演料など 13年度分、朝日新聞集計」という記事を掲載した。翌日には「公表、医師抵抗で1年遅れ 製薬会社から講演・原稿料 印刷できず閲覧期間制限」という続報を出した。この調査報道をリードしたのが渡辺氏だ。

ところが、記事が掲載されたのは、ここまでだった。知人の製薬協の職員(当時)は、「製薬企業は朝日新聞に抗議しました。広告の引き揚げをちらつかせました」という。

 その後、渡辺氏は朝日新聞を去る。彼が立ち上げたのがワセダクロニクルだった。

適応外に1億円超の請求

 医療ガバナンス研究所で中心的な役割を果たしている尾崎医師についてもご紹介しておこう。彼は乳がんを専門とする外科医だ。臨床研究への造詣も深く、2017年6月、一般社団法人JBCRGという研究グループが世界最高峰の医学誌である”New England Journal of Medicine”に発表した論文の問題点を英文の医学専門誌で指摘した。

 この研究では、中外製薬が販売するゼローダという抗がん剤が「適応外」で使用され、研究者たちは、その費用を健康保険に請求していた。論文のデータから、その総額は約1億円を超える。

 もう一つの問題は利益相反の不正確な申告である。この試験の研究計画書には調査主体としてJBCRGの名が記載されていた。中外製薬からJBCRGには、2012年から3年間の間に約1億円の資金が提供されており、当然利益相反として開示されるべきである。しかし、論文の中で中外製薬への利益相反は正確に申告されていなかった。日本人著者の12人中9人が、JBCRGの理事を務めており、JBCRGの関与は明白だった。

 尾崎医師は、この点を指摘した。そして、厚労省関係者、日本学術会議関係者、さらにマスコミにも説明したが、どこも動かなかった。

 医薬品の研究で医師と製薬企業の協力は欠かせない。2013年に発覚したノバルティスファーマの降圧剤「ディオバン」の研究不正事件以降、社会の目は厳しくなっている。ところが、これでは社会から信頼されない。

厚労省も動かない

 米国は違う。2010年に「サンシャイン法」が制定された。ホームページ(https://openpaymentsdata.cms.gov/)にアクセスし、医師の名前を入力するだけで、製薬企業から受け取った金の総額、関連企業の株の所持といった情報を簡単に入手できる。データの二次利用も認められており、このデータベースを用いて、多くの論文が発表されている。

 日本では、ディオバン事件を受けて、製薬協は医師への支払いを公開し始めたものの、彼ら自身がデータベースとして集計することはなく、また研究者などが二次利用することを禁じている。厚労省も動く気配はない。

 医師・製薬企業が社会の信頼を得るには、情報開示が必須だ。そして、そのためのインフラを誰かが作らねばならない。ワセダクロニクル、医療ガバナンス研究所というNPOなら動きやすい。我々は、今後も続けていく所存だ。是非、御支援を賜りたい。


「日本で製薬マネーを分析する礎に」

尾崎章彦 (医療ガバナンス研究所・研究員/外科医)

 データベースを公開したことによる最大の変化は、医療者が製薬企業から受け取った講師謝金、原稿執筆料、コンサルティング料について、医療者ごとに定量的に評価することをはじめて可能とした点です。

 これまで、米国やフランスなどにおいては同様のデータベースが存在しており、製薬マネーの規模、さらには、製薬企業からの利益供与により医療者の処方パターンが変化する可能性などが明らかにされてきました。我々がデータベースを作成したことで、日本においても製薬マネーが同様の分析を実施するための礎ができたと言えます。

 事実、我々は、医師・研究者の立場から、製薬マネーデータベースの分析を進めてきました。医学学会の理事や診療ガイドライン委員会、専門医などが受け取った製薬マネーを集計・解析するなどして、これまでに多くの英文論文を発表してきました。

 また、毎日新聞や東京新聞、東洋経済など多くのメディアが、我々の論文を用いながら、あるいは、彼ら自身でも分析を進めることで、製薬マネー問題に取り組んでくださっています。

 そのような背景の元、医療業界の中でも製薬マネーへの問題意識が深まりつつあります。例えば、2019年11月には、日本医学会(日本の全医学学会の上位機関)が、製薬企業との利益相反について、所属学会に対して要望書を出すなど対応を実施くださいました。

患者や家族の目線で

 一方で、一般の方々への認知度はまだ十分と言えません。問題が難解であることに加え、製薬企業と担当医師の金銭的な関係がわかったとして、その情報をどのように用いれば良いかという点がわかりにくいことが挙げられます。今後は、我々においても、患者やその家族の目線に立った取り組みがより重要になってくると考えています。

 2017年度の製薬マネーデータベースでは、医療者個人だけではなく、医療機関や学会などが製薬企業から受け取った寄付等についても公開します。製薬企業と医療業界の金銭的な関係について、より包括的な評価が可能になったと確信しています。


「医師が産業の歯車になってはならない」

渡辺周(ワセダクロニクル・編集長)

 製薬マネーデータベース作りは、骨の折れる仕事だ。昨年1月に初公開した2016年度版は作成作業に3000時間かかった。公開直前は事務所に泊まり込む日が続き、作業にあたったメンバーたちは満身創痍、次第に口数が少なくなっていったのを覚えている。

 この途方に暮れるようなプロジェクトを、私の古巣朝日新聞だけでなく、大手マスコミ数社はあきらめてきた。製薬マネーデータベースはあまりに手間がかかる上、当初は製薬会社や大物医師がデータベース公開に対して訴訟をもちらつかせていた。製薬会社からの多額の広告を手放したくないという事情も大きかった。

即決でプロジェクトがスタート

 しかし、上昌広氏に私がこのプロジェクト提案した時、上氏はワセクロと共にやり遂げることを即決した。私たちは「医師は製薬会社ではなく患者さんのために仕事をしてほしい。産業の歯車になってはならない」という思いが共通していた。

 「医師は産業の歯車になってはならない」というのは、私が薬害HIVの被害者である花井十伍さんを取材した時に聞いた言葉だ。花井さんは次のように語ってくれた。

 「血友病患者に投与された非加熱製剤が問題になる前のことだ。血友病の子どもたち、親、医師らが、その非加熱製剤を扱っている製薬会社のサポートで、治療法を学ぶキャンプがあった。その参加者の中にはその後、エイズで亡くなった少年もいた。一緒に参加した医師は後にいった。『医師も製薬会社も頑張ったのに、なんでこんなことになったんだろう』。だが自分はその医師の言葉を聞いて思った。『みんな頑張った、じゃなくて、薬害エイズは防げたんだ。誰かが処方したから薬害になったんだ。国が薬を安全だといった、と言い訳する医者がいるが、それなら処方権を放棄しろといいたい』」

国会でも活用される

 データベースは公開後、350万PVを超え大きな反響を呼んだ。大手マスコミもデータベースを使って報道し、衆議院の厚生労働委員会でもデータベースが審議に活用された。

 何より、患者さんとその家族や友人のため、このデータベースは石にかじりついてでも続けたい。ぜひご支援をよろしくお願い申し上げます。

ご支援いただく資金の使い方

 データベース作成には、多大な時間と労力を必要とします。初めての挑戦となった2016年度版では、ワセクロと医療ガバナンス研究所のメンバーが一丸となり、3000時間もの時間を作業に費やしました。アルバイト代として時給1,000円を支払い頑張ってもらいましたが、資金が少ないこともあり、後半はほとんどボランティアでの作業となりました。

 前回は、少しでも作業の負担を減らすため、一部の作業を外注しました。結果、作業時間を約650時間に短縮できました。外注費として、280万円がかかりました。データベース用サイトをより使いやすくするための改修費60万円と人件費70万円を含めると、合計で410万円です。クラウドファンディングでご支援いただいた資金が約100万円なので、310万円の赤字が出てしまっています。私たちもできる限り、コストを下げられるように努力しています。しかし、このまま赤字が続くと、データベースを作り続けることはできなくなってしまいます。

前回の2017年度版「製薬会社と医師」の作成費用の内訳。310万円の赤字でした


 今回のクラウドファンディングを通じて、人件費やデータの精査にかかる費用のご協力をお願いします。今回も新たな検索項目を加えるため、作成には時間がかかることが見込まれます。人件費は1700時間×1,100円で1,900,000円です。また、データを精査、整形するための外注費に1,500,000円、データベース用サイトをより使いやすくするための改修費に600,000円、支援してくださった方々へのリターンや手数料の500,000円を含めると、合計4,500,000円が必要です。

最新版の2018年度版「製薬会社と医師」作成にかかる費用内訳(見込み)

特典について

【ワセクロ編集長からのお礼メール】

編集長の渡辺から感謝の気持ちを込めて、お礼のメールを差し上げます。

【ワセクロオリジナルステッカー】

ロゴと編集長がモチーフになったオリジナルキャラクター「アンタゴン」がセットのステッカーです。メンバーも愛用しています。

【銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」】

メンバーの1人は銀座の裏路地Barの経営者です。お店はいつも賑やかで楽しく、ワセクロメンバーたちの憩いの場でもあります。

【ワセクロの書籍(ブックレット)】

これまでに出版したブックレットを差し上げます。

【医療ガバナンス研究所の論文集】

製薬マネーについて書かれたこれまでの論文を冊子にしてお渡しします。

【医療ガバナンス研究所の書籍】

医療制度や薬に関して医療ガバナンス研究所員が執筆した書籍を差し上げます。

【ワセクロのWebサイトに、協力者として名前を掲載(任意)】

ご希望される方のお名前を掲載します。

【ワセクロボードメンバーとの食事会にご招待】

編集長と3人の若手ボードメンバーが参加します。ざっくばらんにワセクロ の今後、ジャーナリズムの未来についてお話ししましょう!

想定されるリスクとチャレンジ

 資金が集まらない場合、外注を予定している作業も自分たちの手作業となる可能性があり、最新版の公開が遅れてしまったり、公開できなくなってしまうリスクがあります。前回は十分な資金を集められず、310万円の赤字が出てしまいました。資金繰りの厳しいワセダクロニクルにとっては、負担の大きな額です。しかし、集まった資金を有効に使い、来春の公開を目指しています。是非ご協力ください。

リターンを選ぶ

  • 3000

    ベーシックメンバー

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 2021年01月 にお届け予定です。
    • 31人が応援しています。
  • 5000

    ベーシックメンバー・プラス

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」
    • 2021年01月 にお届け予定です。
    • 14人が応援しています。
  • 10000

    アドバンスドメンバー

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」
    • ワセクロの書籍(ブックレット)1冊
    • 医療ガバナンス研究所の製薬マネーに関する論文集
    • 2021年01月 にお届け予定です。
    • 42人が応援しています。
  • 30000

    スペシャルメンバー

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」
    • ワセクロの書籍(ブックレット)3冊セット
    • 医療ガバナンス研究所の製薬マネーに関する論文集
    • 医療ガバナンス研究所の書籍1冊
    • 2021年01月 にお届け予定です。
    • 8人が応援しています。
  • 50000

    シルバーメンバー

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」
    • ワセクロの書籍(ブックレット)3冊セット
    • 医療ガバナンス研究所の製薬マネーに関する論文集
    • 医療ガバナンス研究所の書籍1冊
    • ワセクロのWebサイトに、協力者として名前を掲載(任意)
    • ガバナンス研究所のウェブサイトに協力者として名前を掲載(任意)
    • 2021年01月 にお届け予定です。
    • 3人が応援しています。
  • 100000

    ゴールドメンバー

    • 医療ガバナンス研究所所長とワセクロ編集長からのお礼メール
    • ワセクロオリジナルステッカー
    • 銀座の路地裏Bar “High Collar”で使える「ビール1杯無料券」
    • ワセクロの書籍(ブックレット)3冊セット
    • 医療ガバナンス研究所の製薬マネーに関する論文集
    • 医療ガバナンス研究所の書籍1冊
    • ワセクロのWebサイトに、協力者として名前を掲載(任意)
    • ガバナンス研究所のウェブサイトに協力者として名前を掲載(任意)
    • ボードメンバーとの食事会にご招待
    • 医療ガバナンス研究所メンバーとの食事会
    • 2021年02月 にお届け予定です。
    • 4人が応援しています。