マケレレ大学発世界行き(山崎)
vol. 15 2016-07-27 0
8月が近づいてきました。日本の小学校や中学校は、もう夏休みに入っていますね。街を歩いていても、家族のお出かけ姿をよくみます。大学生は今はちょうど試験期間中です。図書館やカフェでたくさんの資料や本に囲まれて勉強している学生たちも多いでしょう。
さて、ウガンダの学校事情はどうなっているのでしょうか。ウガンダの教育制度は小・中・高・大の段階があるのは日本と同じですが、少しずつ長さが違います。まず、小学校は7年間。前期中等教育(中学校)が4年間、後期中等教育(高校)が2年間、そして大学は4年間という7・4・2・4制です。3学期制で、今はちょうど2学期(5月〜8月)。cinema stars が映画上映会を開催する8月はちょうど2学期が終わる頃の週末なので、2学期をがんばった子どもたちもいるでしょうね。
ウガンダの教育事情を語るのに欠かせないのが大学です。1962年、ウガンダはイギリスから独立しました。その40年前の1922年、当時東アフリカ唯一の高等教育機関として設立されたのが、マケレレ大学です。もともと、木工や建築、機械の技術者養成のための単科大学としてスタートしましたが、現在は東アフリカ地域随一の名門大学です。卒業生にも錚々たるメンバーがいますが、最も名高いのがジュリウス・ニエレレでしょう。タンザニア初代大統領です。ニエレレはマケレレ大学卒業後教師を勤め、その後1949年イギリスに留学、エジンバラ大学大学院で修士号を得て帰国、高校教師を勤めた後に政治活動に専念するようになります。
個人的なことですが、私自身もエジンバラ大学に留学しました。アフリカ地域研究では歴史のある研究科で教育が充実しており、ぜひそこに学びたいと考えたからです。そのエジンバラ大学とアフリカの関係を結ぶ一つの大きなパイプが、ニエレレでした。留学中、キャンパス内を歩いていてふと見つけた小さな石板に、ジュリウス・ニエレレの名が刻まれているのを発見したとき、原点を見つけたような気分になって、一人笑顔になったことを覚えています。
ウガンダで学んだタンザニアのニエレレがイギリスへ行き、さらに学びを深めて後、歴史に刻まれる大統領となる。もう半世紀以上の前のアフリカでも、教育を通して人は往来していたのですね。マケレレ大学はそのスタート地点のひとつ。大学にも人の歴史をみると興味深いストーリーが出てくるなぁと思いながら、今日も(日本の)キャンパスを歩いています。
山崎瑛莉