安居昭博さん、伊東 勝さんから「都市と循環2024」に向けてのメッセージ
vol. 4 2024-06-25 0
「都市と循環2024」に実行委員会として関わっていただいている安居昭博さん、伊東 勝さんから、今年のイベントに向けてのメッセージをいただきましたのでご紹介します。
安居さんは『サーキュラーエコノミー実践 ーオランダに探るビジネスモデル』(学芸出版社)著者であり、「京都市委嘱 成長戦略推進アドバイザー」として京都市のサーキュラーエコノミー移行に向けた活動を官民双方から進めています。
一方、SHIBAURA HOUSE(東京・港区)を運営する伊東 勝さんは、オランダや台湾とネットワークを築き社会課題を共有しながら、その問題の解決に向けてチャレンジするプロジェクトなども行っています。おふたりには、「都市と循環」に貴重なアドバイスを多く頂いています。
●安居昭博(Circular Initiatives&Partners 株式会社 代表取締役)
オランダとドイツでの生活から京都へ拠点を移して4年目。老舗、地元企業、スタートアップ、行政、学生、教育機関なども連携し、欧州でも見られないようなサーキュラーエコノミーやサスティナブルな取り組みが生まれているのが今の京都だと思います。欧州のサーキュラーエコノミー政策では、廃棄物量やインパクトの大きさによって重点が置かれている都市部での取り組みが知られています。「都市と循環」は京都の街を舞台に、実践者たちとの出会いや場所の訪問、共創を促すことでこれからの都市部でのよりサスティナブルなビジネスやライフスタイルを考えていくカンファレンスです。観光とは別角度から京都を楽しめる機会。ぜひお越しください!
【プロフィール】Circular Initiatives&Partners 株式会社 代表取締役 / 京都市委嘱 成長戦略推進アドバイザー / サーキュラーエコノミー研究家。ドイツ・キール大学「Sustainability, Society and the Environment」修士課程卒業。2021年国内外でのサーキュラーエコノミー実践と理論の普及が高く評価され、「青年版国民栄誉賞(TOYP2021)」にて「内閣総理大臣奨励賞(グランプリ)」受賞。NHK クローズアップ現代「服がよみがえる!循環型ファッションで廃棄物ゼロへ!」にてスタジオゲスト出演。著書に『サーキュラーエコノミー実践 ーオランダに探るビジネスモデル』(学芸出版社)。
https://circularinitiatives.com/ |
●伊東 勝(株式会社SHIBAURA HOUSE 代表取締役)
いま世界は確実に循環型社会の実現に向けて舵を切っています。多くの都市が枯渇する天然資源、気候変動といった地球規模での課題に向き合い、環境と調和する政策を打ち出しています。
しかし、そうした変化の波にかかわらず、日本はさまざまな社会的側面で「停止」しているように感じます。たとえ新しい変化が生じたとしても、そのスピードは遅く、規模は小さい。政治におけるリーダーシップの欠如、領域の分断、組織にはびこる前例主義など、新しいチャレンジが生まれにくい状況が続いています。
一方、日本には循環型社会が必要とする文化的資産 ―自然を慈しむ精神、ものを大切に使う習慣― が昔から存在しています。いま私たちが取り組むべきは、それらをアップデートし、現代社会に再実装できるような構造を生み出すことです。伝統と革新が同居する京都で開催される「都市と循環」が、停止する社会を動かす契機になることを期待しています。
【プロフィール】1974年生まれ。京都芸術大学大学院修了。現在、東京・港区にあるSHIBAURA HOUSEの代表取締役を務める。2011年、父親から引き継いだ製版会社の社屋を建て替え、SHIBAURA HOUSEとしてリニューアル。建築家の妹島和世さんによってデザインされた社屋の一部を開放し、地域に暮らす人たちのコミュニティスペースとしても運営。近年は社会課題とクリエイティブを結びつけたプロジェクトにも力を入れている。2022年度 瓜生山学園賞受賞。
https://shibaurahouse.jp/ |