カウントダウンDay3ー撮影こぼれ話2
vol. 26 2025-12-03 0
本日の撮影こぼれ話は、公開にします。
私たち大人は、子どもや若者を前に話すとき、どうしても説教になりがちです。自分だって若い頃はそんな大人にうんざりだったはずなのに…と、かくいう私も反省することしきり。
今回のワークショップでも、大人による上から目線が気になっていたので、最後の少年院では、毎回行うスタッフ(撮影クルーも含む)紹介の際に、〈最近やらかしてしまったエピソード〉を、全員が短く語るコーナーをもうけました。
たとえば、昼食後、駐車場に停めてある同じ色の別の車に乗り込み、見知らぬ運転手にギョッとされたひと。前日、スタッフの一人が携帯をトイレに忘れてきたという話で盛り上がった直後、財布を同じトイレに置き忘れてパニクったひと。羽田空港の第1ターミナルなのに第2に行ってしまい、危うく飛行機に乗り遅れそうになったひと。録音機材一式を乗せたカートを、空港の車の乗降場に置き去りにして車を出してしまい、気がついて取りに行ったら、警察に囲まれてしまった撮影クルー。出るは出るは、失敗談。少年たちは、クスッと笑ったり、目を丸く見開いたり、吹き出したり。
人は失敗する。毎日なんらかの失敗をしている(はず)。少年たちの前にいる私たち大人は、ラッパーだったり、ダンサーだったり、撮影クルーだったり、少年の目には、遠い存在に映るでしょう。円になって座ったからといって、いきなり対等になるわけでも、彼らのガードが下がるわけでもありません。だからこそ、彼らには、少しでも、自分たちと変わらない、不完全な人間であることを感じて欲しかったのですが、実際に効果があったかはわかりません。ただ、少年たちの様子から、心なしか距離がちょっぴり縮まったような感覚を抱いたのは事実です。
ちなみに、数ある私自身の失敗談のなかで覚えているのは、昼食時に全員の注文をしたと思って安心していたら、自分のを注文し忘れていたこと。でも結局、スタッフ全員から少しずつおこぼれをもらって、一番贅沢なランチを食べることができたのです。少年たちも、さまざまな被害にあわれたた人たちも、人生がそうあるといいなと思いつつ、その日のワークにのぞんだのでした。
クラファン、残るは3日間!第2ゴールまであと20数万円です!
https://motion-gallery.net/projects/call-and-response
どうぞよろしくお願いします。
坂上香 監督/プロデューサー
- 前の記事へ
- 次の記事へ
