【1月】月次報告 | ぶんじ寮黎明期
vol. 21 2021-02-04 0
プロジェクトメンバーそれぞれの視点で、ぶんじ寮の〈暮らし〉や〈いま〉をお伝えしていく「月次報告」を今月からはじめます。月毎に担当するメンバーが変わります!
今回は1月のぶんじ寮を、ゆうじさんの目線から。
こんにちは。ぶんじ寮企画メンバーの奥冨裕司です。
クラウドファンディングが終了して、2ヶ月。
40ほどの部屋には住民が次々入居し、何も決まっていなかった寮内のガイドラインもまた、その住民達によって試行錯誤ながら制定され始めています。その共用部には寮の住民以外にも、企画メンバーやぶんじ食堂などの関係者ほか地域の隣人達や子ども達も関わってきますので、その合意形成にかかる大変さは想像に難くありません。月に二回の住民会議、月一の運営会議、日々のsnsやクラウド上での意見交換や、手書きのカレンダーなどオフラインでの情報共有も日々アップデートされています。また、DIYによるシャワールーム、ウッドデッキの施工や、ぶんじ寮の財務部分を担うべく経営チームを発足したり、住民主催の各種小イベント(クリスマス会とかボードゲーム大会とか)、有志による”止まり木”、”町の保健室”といったデイリーな居場所活動など、なんだか目白押しで何から説明したら良いのやら。
とにかく、そもそもが趣味趣向も全然違う人々が一気に集まり、「せーの」で始まった共同生活。
日々の暮らしから次々に噴き出してくる諸問題を皆で整理しながら、人との関係性や寮のクオリティを醸成している段階です。
ところで実はその感じが、かつてここの目と鼻の先に存在していた”冒険遊び場”にそっくり。
そこでは、子どもの「やりたい!」という気持ちにまつわる怪我やトラブルに対して、それが発生しないように制限を課したり機会を奪うのでなく、それがなぜ起きるのかをよく理解し、そして起きてからどう対処するかの方が肝要でした。
例えば先ほど挙げた住民会議。一見スマートに進行しているように見える会議の裏にも、一方では誰かが「怖い」とか「焦る」とか不快な感情に蓋をしているかもしれない。で、それを"自己責任だろ”なんつって切り捨てちゃえば進行は楽なんですけど、簡単にはそれをしない(を目指す)のがぶんじ寮だと僕は考えています。
このことを個人的な言葉で言い換えちゃうと、つまり「違う意見に全身で耳を傾ける」ということ。
これ、とてもめんどくさいことです。本当は「めんどくさい人だ」と思ったら放っておけばいいし、好きな人同士でくっつけばいいし、もめるくらいなら本音なんて隠しておけばいい。全ての事故やトラブルはそいつの自業自得だとして、置き去りにしちゃえばいい。「”立ち入り禁止”って書いてるところに立ち入るのが悪い。」みたいな文脈で自己責任論が時々流行ってる気がしてますが、そういう風潮に共感と尊重をもって、できるだけ抗いたい。・・・あ、個人的な見解です。すみませんちょっと興奮して先走りました。
・・・でも興奮ついでにもう一言。
日本で面倒な様を表現する時、「骨が折れる」なんて表現しますね。
「better a broken bone than a broken spirit.(心が折れるより、骨が折れた方がマシ)」
アレン・オブ・ハートウッド卿夫人
この言葉は、冒険遊び場を的確に表した言葉として世界中で語り継がれています。
骨が折れても良いってわけではありませんがね。
さて、スタートしたぶんじ寮を目にして、「なんだ、行ってみたけど全然安心でも冒険でもないじゃん。」と思う人が内外にいるかもしれません。
子ども達も、近隣で活動している”ちょうど良い居場所”から少しづつ誘ってきてはボードゲームを借りるなどして楽しんではいますが、みんなまだまだ”借りてきた猫”状態。”あそこにいけばどうにかなる”居場所にはなっていません。そんな子ども達にどう接して良いものか、という大人達の戸惑いも多々見られます。
でも、どれもこれも、これからなのです。
「安心と冒険」は最初から用意されているものじゃなくて、今こうしてみんなで作ってゆく、ということをご理解いただけたでしょうか?
その過程をこそ、皆さんに見せていけたらな、と思っています。