【応援メッセージ】林 千晶 さん〈株式会社Q0 代表取締役社長〉
vol. 4 2024-10-07 0
林 千晶/株式会社Q0 代表取締役社長
西馬音内盆踊りは、亡者を表すとされる彦三頭巾と生者を表すとされる編笠を被った人たちが舞う踊り。死者も生者も、男の人も女の人も、お年寄りも子どもたちも、老若男女さまざまな人たちが、一緒になって同じ場で踊る姿にとても見入ってしまいました。また、感じたのは舞手の人たちそれぞれが自分自身を解放する踊りだということ。常識や他人からの期待を意識して普段縮こまっているものを、盆踊りの中で解放し、死者も生者もみんなが心からつながるお祭りなんだなと思いました。
その様子を見ていると、来年、再来年は自分も踊ってみたいと思ったし、今踊っている子どもたちにこの文化を20年後も、30年後も継いでいってほしいという思いを抱きます。盆宿Uに泊まる人も、はじめは盆踊りの観客としてきても、きっとその次の年からは一緒に踊りたくなるはず。舞手も、お囃子もこんなに近くで見ることができて、西馬音内盆踊りに没頭できるこの場では、そうした特別な体験をすることができます。
だからここはみんなに一生に一回はきてほしい場所だと思ったし、そういう意味でもこの建物が取り壊されなくて、本当によかったなと思います。
きっと工藤さんをはじめとしたメンバーのみなさんは羽後町の未来を変えた人になる。こういう人たちが羽後町にいるのは本当に頼もしいこと。私もそうした動きに少しでも力になれるように、みなさんのプロジェクトを応援しています。
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〈林 千晶/株式会社Q0 代表取締役社長〉
早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒。花王を経て、2000年に株式会社ロフトワークを起業、2022年まで代表取締役・会長を務める。退任後、「地方と都市の新たな関係性をつくる」ことを目的とし、2022年9月9日に株式会社Q0を設立。秋田・富山などの地域を拠点において、地元企業や創造的なリーダーとのコラボレーションやプロジェクトを企画・実装し、時代を代表するような「継承される地域」のデザインの創造を目指す。主な経歴に、グッドデザイン賞審査委員、経済産業省 産業構造審議会、「産業競争力とデザインを考える研究会」など。森林再生とものづくりを通じて地域産業創出を目指す、株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)取締役会長も務める。