カウンターテナーの彌勒忠史さんに聞く
vol. 19 2021-06-09 0
「第九」にご出演される彌勒氏にお伺いしました。
津田:ご出演される「第九」へのメッセージをお願いします。
彌勒:昨年の涙の公演延期からの復活公演「第九 in 市川 習志野公演2021」に向けて、私も気合い十分です!心が沈みがちな今日この頃、『歓喜の歌』が一筋の光となりますように!
津田:今まで私と「ロ短調」「第九」「メサイア」 と演奏されました。ご感想があれば。
彌勒:津田マエストロの丁寧で的確な指揮に助けられています。合唱団の皆さんとの関係も常に良好で、いつも感服するばかりです。
津田:今取り組まれていることをお聞かせ下さい。
彌勒:ありとあらゆる公演がキャンセルとなってしまいました。演奏へのモチヴェーションも下がってしまいましたが、自分の生業でもある音楽こそが「生きる力」となり得るのだと思い直し、これまでステージで歌ってこなかった大好きなレパートリー、ドイツやフランスの歌曲などを勉強し直しています。
津田:コロナ禍で音楽家が直面している困難について思うことがあれば。
彌勒:コロナ禍によって強制的に劇場が閉鎖され、次々と公演がキャンセルや延期となってしまいました。休業補償などないフリーランスの音楽家は、今まさにかつてない窮地に立たされているのではないでしょうか。しかしながら危機的状況の中にこそ、今までと違った視点で物事を捉える必要性が芽生えるわけですから、いろいろと模索して「新しいことにチャレンジするチャンス」でもある、と思えば、ちょっと楽しくなったりもします。
津田:歌手、TV、演出、イタリア語の先生等、お仕事へのモチベーションをお聞かせ下さい。
彌勒:「 私がなした何かで他の人が幸せになること」これが私が手がける全ての表現活動の動機です。私の歌で楽しい気持ちになる人がいる、私が演出した舞台を見て涙を流す人がいる、私が書いた本を読んで面白がってくれる人がいる、などなど、そのような人たちがいてくださる限り、舞台やその他のことに関わり続けようと思います。
津田:彌勒さん、リサイタルなどお忙しい合間をぬってのご回答ありがとうございました。
昨年10月に横須賀芸術劇場で上演したブリテンの「カーリュー・リヴァー」の舞台写真。演出:彌勒忠史
彌勒氏のCD、著作、公演情報等が氏の公式ホームページに掲載されています。是非ご参照下さい。https://mirokutadashi.com