楽器のお話 -その2-
vol. 5 2022-05-15 0
みなさん、こんにちは。
最近は雨続きで湿度も高く、楽器的にも、あまり好ましくない日々ですね…
体調など崩されていないでしょうか?
先日のアップデートでもご案内しましたが、おかげさまで目標金額の25%に到達することができました…!これまでにご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございます。
さて、今日は「楽器のお話 -その2-」です!
前回もご覧ただいたこちらの画像、再び登場します。スタジオジブリのアニメーション作品「耳をすませば」より
さて、「楽器のお話 -その1-」にて、一番右端は撥弦楽器のリュート,その左隣は擦弦楽器のヴィオラ・ダ・ガンバであるとさらっと触れました。さらっと触れただけなのですが、このヴィオラ・ダ・ガンバという楽器(ヴィオール属)こそ、コントラバスの祖先と言われているのです。
とはいっても、「見た目、ほぼチェロでは…?」と思われた方、いらっしゃると思います。そこで、実物の写真を。ヴィオラ・ダ・ガンバ 写真はWikipediaより
どうでしょう、ちょっとチェロとは違う感じがしてきませんか?
見た目でわかる違いとしては、
・弦の本数
・フレットの有無
・楽器の一番上の渦巻きが顔...!
といったところでしょうか。
ヴァイオリン, ヴィオラ, チェロは弦が4本かつ、フレットもありません。
そして、楽器の上についているのは顔ではなく、渦巻きです...
見えない違いとしては、
・調弦の間隔の違い(弦と弦の音の間隔)
が大きなところです。
さて、なぜこんな話をしたかと言うと、上に挙げたガンバの特徴はコントラバスと共通する点が多いのです!
まず、弦の本数はコントラバスも基本的には4本です。しかし、オーケストラでは通常よりも更に低い音域が必要とされることがあり、5弦コントラバスという通常よりも低い音が出る楽器が用いられることが多いです。5弦コントラバスと私
そして、フレット。コントラバスにもフレットはついていないですが、時と場合によってつけたりすることもある(とくに古楽などの演奏の際)のがややこしいところ。上記のガンバもコントラバスも、フレットがある場合はギターのように固定されたフレットではなく、ガット弦という羊の腸でできた弦の切れ端や、釣り糸などを使って自作するそうです。フレットのあるコントラバス 写真はこちらより引用 奥2本はガット弦という羊の腸でできた弦
そして、楽器の一番上の部分。ヴァイオリンなどでは殆ど見たことがないですが、コントラバスではたまにこんな楽器がいます。ライオンヘッド(渦巻き部がライオンの形)のコントラバス 写真はこちらより引用
猛々しいというか、迫力があるというか、少し怖いですね...
上記はライオンですが、その他に人の顔?のようなものがあったり、多種多様です。
そして、コントラバスとヴァイオリンたちの一番違う点、調弦についてです。
これがコントラバスにおいて、一番ややこしいと言っても過言ではない点なのです。
コントラバスは歴史的に弦が3本の時代があったり、今のように4本や5本だったりという本数の違いや、調弦についても時代によって複数の種類があるのです。
しかし、どの種類においても(ほとんど)共通しているのは、4度間隔(1本目の弦がドなら隣の弦はファ)で調弦されているという点。ヴァイオリンやヴィオラ, チェロはこれが5度間隔(1本目の弦がドなら隣の弦はソ)なのです。
この4度間隔というところはガンバと共通していることからも、コントラバスはヴァイオリンやヴィオラ, チェロのヴァイオリン属ではないのではないかと言われる所以です。
今回は話が少しややこしかったですが、なんとなくヴァイオリンたちとは違う仲間らしいということがお分かりいただけたでしょうか。
次回は楽器についてシリーズの続きとして、演奏に欠かせない「弓と松ヤニ」についてお話しようと思います。ではまた!