タイのレジェンド“スラチャイ・ジャンティマトン”が出演決定!
vol. 12 2015-11-24 0
ノンカーイでの撮影中盤。その日の撮影も終わりかと思われたその時、一人の老齢の人物が撮影クルーの前にふらりと現れた。その名もスラチャイ・ジャンティマトンと言う。
彼こそが、“プアチーウィット”と呼ばれるタイにおけるプロテストソングの祖というべき存在、「カラワン」のリーダー/ギタリストなのだ。
“プアチーウィット”とは、社会情勢や体制への批判とともに、生きること、人生についてを歌う音楽。つまりは“生きるための歌”と訳される。
「カラワン」のほかに代表的な歌手やグループでは、「カラバオ」「ポンシット・カンピー」「マリワナ」などがいるが、彼らはすべからく、現在『バンコクナイツ』の撮影を進めているイサーン出身であるというのも見逃してはならないだろう。
1973年当時、タイではタノーム独裁政権に民衆が抗議し、大規模なデモが行われたが、これに対して武装警察が弾圧に動き、デモ隊に向け水平掃射を行ったいわゆる「10.14血の日曜日事件」と後に呼ばれる非常事態が発生していた。
そして、軍事政権の弾圧から逃れるべく、それを逃れた人々が"イサーンの森”に潜伏、後に北ベトナム政府を後ろ盾にゲリラ化していった。その学生たちの中に、なんとその「カラワン」もいたのだ。
彼らは、その森の解放区から“人民の声”というラジオ放送を使い、タイ解放のための武装闘争に加わった声明をだしたのであった・・・
我々は、そのスラチャイ・ジャンティマトンに出演をオファーしたところ、なんと快く承諾頂き(その状況についてはboidマガジンvol.28に詳しいのでご参照されたし)、撮影現場にお越し頂いたのであった。
しかしなんの手違いか、予定よりも一日早く登場。そしてそれは夜を徹しての撮影となった。
こちらが撮影シーンの一部である。暗闇にたたずむスラチャイさんと富田監督。シナリオ上では、スラチャイさんはとある人物の“亡霊”と記されている。果たしてその人物とは!?
本編を楽しみにお待ち下さい!バンコクナイツ!
(HI)