「残す」ことを目的にはしたくない。 大事なのは、この場所がどう在るのか
vol. 14 2026-03-09 0
気づけばクラウドファンディングも残り1日(3月10日23時59分まで)となりました。
新聞はついに完成し、つい先日私の手元にいっぱい届きました。
みなさまのおかげで新聞が形になり、発行までできることになりました。本当にありがとうございます。
これから折り込み作業をして、3月中にはみなさまの元へ発送させていただけるようにしていきたいです。
内子晴れ受け取りの方は、ぜひ取りに来ていただけたら嬉しいです。
さて、これがクラファン中の最後の投稿になるかと思います。
(インスタライブをするかもしれません)
これまで活動してきて、今思っていることを少し書いてみたいと思います。
たぶん長くなりますが、お時間ある方はぜひ読んでみてください。
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昨年の旭館で行われた映画祭で、
「劇場が終わるとき」という真喜屋監督の映画を観ました。
2023年に解体された沖縄の首里劇場を、写真家の石川真生さんや真喜屋監督らが記録していくドキュメンタリー映画です。
この映画にはとても影響を受けました。
首里劇場は1950年に映画館として誕生し、映画産業が衰退していく中で成人映画など形を変えながらも営業を続けてきました。建物は町の中にあり、その前は通学路にもなっていて、きっと数えきれないほどのエピソードが生まれてきた場所だったのだと思います。
当然、町との対立や様々な葛藤もあったはずです。
建物はかなり傷みながらも、館長が応急処置しながら上映を続けていた。
賛否はあったと思いますが、館長の意地なのか、愛なのか、そこには確かに生き様がありました。
この劇場に思い出のある人はたくさんいて、様々なドラマが生まれてきた場所だった。
その泥臭さや歴史を記録したいという思いから、石川真生さんに撮影をお願いしたそうです。この石川さんを通して見える首里劇場がまたとても良いのですが。
映画の最後、ストリッパーの牧瀬茜さんがステージで踊ります、それを石川さんが撮影していく。
その踊りを通して、この建物の美しさ、
この場所に関わった様々な人の記憶や思い、
数多く上映されてきた作品とその作品に関わる人、
館長のように戦いながら守ってきた生き様、
残したいが残せなかった無念さ、
そしてこの場所を記録しようと活動してきた人たちの思い。
1950年から今までの間に数えきれないエピソードを生んできた劇場が、
ボロボロになるまで役目を果たし、最後にそのすべてから解き放たれる瞬間を見ることができました。
その美しさに私はとても感動しました。
そしてそれを旭館で多くの人と一緒に見れたことがとても嬉しくありました。
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人の生き様と同じように、
建物もいつかは無くなってしまうものだと思います。
だからこそ、
どう在ったのかが大事なのだと思います。
旭館は幸いまだ残っています。
でも、いつかは無くなってしまうかもしれません。
それでも、この建物にどんな人が関わり、
人々にどんな影響を与えていくのか。
誰かにとっての良いことも悪いことも、
子どもも大人も、
地元の人も、外国の人も。
関わる人が増えれば増えるほど、
誰かの記憶に残り、
人生のどこかに刻まれる場所になるかもしれません。
今の時代、旭館のような古い映画館はほとんど残っていません。
しかも100年近く残り、当時の雰囲気まで感じられる建物です。
建築家の藤森照信さんが言っていたように、
「人の手垢が残り、それが発酵している建物」。
そんな魅力がこの場所には残っています。
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この場所がこれからどう在るのか
この2年間活動してみて、
活動すればするほど様々な意見が生まれてきました。
評価してくれる人
ここで何かやりたいという人
絵や写真や本など表現してくれる人
危ないからやめた方がいいという人
もう絶望的だと言う人
すでにたくさんの思いが、この場所で交差しています。
この建物は、あくまで民間企業の所有物です。
私たちの思いだけでは当然残すことはできません。
企業としての判断、土地の問題、近隣への配慮、町との関係。
様々なことが複雑に絡みながら進んでいきます。
コミュニケーションは簡単ではありません。
意見がぶつかることも当然あるでしょう。
でも、そういうことも含めてすべてが
旭館という場所の“ドキュメンタリー”なのだと思っています。
こういう長い文章を書いていると、
途中から何を書いているのかわからなくなることもありますが(笑)
一つの建物を残すだけでもこんなに大変なのに、
内子町が町並み保存を成し遂げたことは本当にすごいことなんだと、
活動してみて改めて感じています。
旭館がどんな未来になるのかはまだ分かりません。
でも、この場所に愛着がある人、
この場所があった方がいいと思う人は、
知恵でも、技術でも、
時間でも、お金でも、
どんな形でもいいので
ぜひ関わってもらえたら嬉しいです。
最後になりますが、
約1年の時間をかけて新聞づくりを行い、取材を重ねてきました。
それが支援してくださった皆さまのおかげで形になったこと、
本当に嬉しく思っています。
関わってくれた人、応援してくれた人、
本当にありがとうございました。
今年からイベントができなくなるのはとても残念ですが、今できること、そしてまた使える可能性を探る活動は続けていきたいと思っています。
新聞の費用を差し引いた支援金は、その活動資金として、旭館のために使わせていただきます。
今後もインスタグラムや活動報告で発信していきますので、
これからも旭館に関わっていただけたら嬉しいです。
長くなりましたが、
クラウドファンディングも残りあと1日。
応援よろしくお願いいたします!!
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