【伴走者紹介】荒木慎也さん・小田原のどかさん・山本浩貴さんからのメッセージ全文
vol. 2 2026-10-13 0
クラウドファンディングの公開にあわせて、このプロジェクトに専門家・表現者として伴走してくださる3名の方からいただいたメッセージをご紹介いたします。
近現代美術史・美術教育学を専門とする荒木慎也さん、彫刻家・評論家・版元主宰として活動する小田原のどかさん、文化研究者・実践女子大学准教授の山本浩貴さん。
それぞれの専門的な視点から、このプロジェクトについて応援コメントを寄せていただきました。
個人の糾弾ではなく、地域芸術祭をめぐる構造を検証し、これからの実践につなげていくこと。なぜこのプロジェクトが必要なのか、3名それぞれのコメントをぜひお読みいただければ幸いです。
▼伴走者コメント①:荒木慎也さん、コメント全文
私は、美術教育の研究者として、2018年から継続的に地域芸術祭のボランティア参加者の現地調査を行ってきました。その中でわかってきたのは、地域芸術祭の多くが、芸術家や主催者だけでなく、地域住民や外部からのボランティア、地域の公務員など、多数の人たちによる(しばしば無償の)積極的な善意によって運営されてきた、ということです。一見華やかに見える地域芸術祭も、その実態は極めて厳しい政治的・経済的な制約の中で、ギリギリの運営を続けています。今回の件は、関係者の善意を前提に成立している活動において、非常に重大な問題が起きたと受け止めており、そのことに憤りを感じています。地域芸術祭に関わる、また地域芸術祭に関心のあるより多くの人たちに関心を持ってもらうために、私はこのクラウド・ファンディングを応援します。
荒木慎也(美術史家。博士(学術)。多摩美術大学、東京造形大学、成城大学非常勤講師。)
▼伴走者コメント②:小田原のどかさん、コメント全文
ウェブ版美術手帖の「東かがわ国際芸術祭」に関する郁川舞さんのインタビューを読み、とても驚くとともに、ここで起きてしまったことの検証は不可欠だと感じていました。作品が返却されていない作家がまだいるなかで、「芸術祭に関わるあらゆる人の権利を守ること」を目的として今回のクラウドファンディングが実施されることに、心から賛同します。出来事を構造の問題としても記録に残し、適切に鑑賞されなかった作品の展示の機会をつくることを通じて、損害を被った作家たちの名誉の回復と、作品があらためて批評を受けることがぜひ実現されてほしいと強く思います。このクラウドファンディングが目指す「持続可能な地域芸術祭のためのアーカイブ」は、アートと人権、アーティストの権利の観点からもきわめて重要です。プロジェクトを応援するとともに、実現まで伴走したいと考えています。
小田原のどか(彫刻家・評論家、現代美術家による労働組合「アーティスツ・ユニオン」オブザーバー)
▼伴走者コメント③:山本浩貴さん、コメント全文
今年、『地域芸術祭とは何か』という本を出しました。その本では日本で増加する地域芸術祭(過疎地域を含む地方都市で開催されるアートの祭典)を美術史の視点から批判的に分析し、その可能性と課題を明らかにすることを目指しました。その調査の過程で、地域芸術祭について考えるべき課題はありますが、それは現代アートやアーティストと人々を結びつけることで地域を活性化するなど、たくさんの可能性をもっていることがわかりました。そうした可能性を最大限に発揮するために、すべての地域芸術祭において誰に対しても公正かつ民主的な運営体制が構築されることが不可欠です。東かがわ国際芸術祭に参加することになっていたアーティストのみなさんが、自身の作品を発表し、そうした作品がたくさんの人の目に触れて議論されるようになることを願います。
山本浩貴(文化研究者、実践女子大学准教授)
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郁川 舞
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