\マスヤゲストハウスとわたしたち/
vol. 3 2019-06-26 0
こんにちは。ちほです。
今回、えのんを運営していくにあたって、とてもネックだったことが一つ。
それは、わたしたち自身が「宿で働いたことがない」ということ。
わたしは大学時代からずっと看護の道一直線だったので、宿で働くなんてことは考えてみたこともなく、もちろん就職後は副業するのはルール的にもアウト、そして一番はそんな余裕はさらさらなかったのです。
龍太郎に関しても同じくサラリーマンだったので宿の運営に関しては素人(ゲストハウストラベラーは土日だったので働くのには至らなかったのですね)。
そこで、どうにかして宿で働く経験が欲しい!!ということで、マスヤゲストハウスに頼み込んで4月の1ヶ月働かせてもらった経緯があります。
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龍太郎と出逢う前に、一度わたしはひょんなことがきっかけでマスヤゲストハウスの存在を知ることがありました。
存在を知ったのは確か、高円寺cafe&bar Smile Earthオーナーのゆうきさんが何かに投稿していた一枚の写真。
オーナーきょんちゃんとともに縁側に座って楽しそうにしているその1枚の写真。
その表情に「絶対この女の人素敵な人だな。。。会いたい。。。」
直感的にそう感じた私は「看護じゃない道もあるんじゃないか」、そう思っていたこともありすぐにマスヤの求人を検索しました。
しかしながら当時の私は、そこでなぜか現実の自分がそこにいる姿を想像できずにそのまま看護師の道を続けることにします。きっとその時はなんだかんだ看護師を続けたい気持ちの方が強かったのだと思います。
ところが。
龍太郎との出逢いで再びマスヤゲストハウスが現れます。
このゲストハウスが本当に素敵で理想の場所なんだと、お付き合いを始めて最初の二人旅は下諏訪マスヤゲストハウスとなりました。
憧れの縁側写真。この時はまだ、具体的に自分たちの宿をやるなんてイメージは湧いていなかったものの、やっときょんちゃんに会えた喜び!と「心と身体が喜ぶ感覚」というのを感じていたように思います。
マスヤゲストハウスとわたしたちは、阿武町にたどり着くまでそのあともずっとわたしたちのそばにありました。
長野県下諏訪という土地のアクセスの良さもその一つで、東京からすぐにたどり着けるのもまた魅力。
仕事に少し疲れたな、そろそろマスヤのみんなに会いたいな
そう思ったらりゅうさんに言って、マスヤに行こうっていうのが定番になりました。
マスヤのある下諏訪の地域には、本当に美味しいご飯屋さんが徒歩圏内にたくさんあります。
230円で入れる5種類のよりどりみどりの温泉。そして諏訪大社、慈雲寺などなど、観光スポットもあり。。。
とにかく、こじんまりとしているのにいろんな魅力がぎゅっと詰まった町。
富士山の見える諏訪湖がすぐそばにあったり、八ヶ岳が近いので登山好きの人や山暮らしの人が山から下りてくるタイミングと合えば、山での暮らしを聞くことなんかもありました。
お隣上諏訪へ行けば大好きなリビセンも!
そして何より気候もとても良い(北海道生まれの私としては、冬寒いのや雪が降るのはなんてことないのです)!
あまりにも気持ち良く時間が流れるこの町。「ここに住みたいなー!」と思ったこともありました。
目指す形はこのゲストハウス。地域の方が自然と集まって、全国どこからでも気軽に泊まりに来られる場所。
泊まりに来る理由は「マスヤのみんなに会いたい」ということ。
わたしたちの始まりのような、そんな場所になっていきました。
そして、阿武町にたどり着いたわたしたち。
一番の不安であった「宿で働いたことがない」ということをなんとかしたい一心で
オーナーきょんちゃんにお願いして、1ヶ月修行させてもらうことにしました。
宿の運営方法、スタッフの細やかな心配り、全部ぜんぶ何からきてるんだろう?どんな風にこの心地よい空間ができているんだろう?
そうして過ごした1ヶ月はとてもとても濃いものになりました。
春の下諏訪は、不安な私にとても優しくて
雨の中の慈雲寺の夜桜、毎日のみんなで食べる美味しいご飯、あつーい温泉!、スタッフの仲間やそこに住む皆さん。
ぜんぶが「そのままでいいんだよ」って言って受け入れてくれているみたいでした。
「こうあるべき」「こうでなければならない」、そんな黒い価値観がずずずっとわたしを蝕んでくることが度々あるのですが、それを一つずつ優しく解いてくれるのがこの場所でした。
毎日ここで過ごしたこと、このこと自体がこんなに人生の財産になるなんて。
いつか、オーナーきょんちゃんが言っていた言葉を思い出します。
「ここを拡大していくこととかを目標にはしていなくて。どんな形でもこの場所を続けていくことを大事にしたい」
生きていく上で、ライフイベントで何がいつあるかなんてわからない。でも、何か「紡いでいく」ことを大切にしたいわたしにはとてもしっくりくる言葉でした。
始めることも大切だけれど、続けていくことをもっと大切にしたい。
この場所を育てていくことを大事にしたい。
その土台の部分を1ヶ月かけて見せてもらった気がしています。
下諏訪でお世話になった皆さんにはこの場をお借りして改めてお礼をさせてください。
ありがとうございました。
とにかく大好きな人や景色がたくさん詰まった下諏訪。
わたしたちの大切な場所の一つです。
わたしもこんな風に愛される場所を育てていけます様に。