旧ルキシュケス刑務所
vol. 10 2025-07-12 0
首都ビリニュスはバスも使いやすく、街歩きも快適、英語も通じて観光客にも易しい都市です。
かつてソ連占領下で収容所として使用され、ナチス占領下ではユダヤ人が収容されていた旧ルキシュケス刑務所を巡るツアーに参加しました。
旧ルキシュケス刑務所は、一部がコンサート会場やバー、ギャラリー、アーティストのスタジオに改装され、広く開かれた施設になっています。ツアーでは、独房や投獄前の検査室、収容者が週に一度15分間だけ使用を許されたというシャワー室などを見学できます。
1990年のリトアニア独立以前は週に100人以上がここで亡くなったと説明がありました。収容された人の多くは、ソ連になんらかの形で抗議した無実の人々です。抵抗運動のために密かに出版物を刊行した人、その出版物を配布した人、反ソ連的なビラを作った人なども含まれていました。
基本的に内部の写真撮影は禁止で、親しみやすいガイドさんが15人程の観光客を案内してくれます。
途中、「ここだけは撮影していいですよ」と言われた独房の中には、プーチン大統領の等身大パネルが。苦笑しつつ写真を撮る参加者たち。
こういうジョークって許されていいのか?と疑問が湧いてきました。
ツアー終了間際には、囚人風のポラロイド写真を撮ってくれるサービス付き。なんだかレジャー化されているみたいで複雑な気分になります。もちろん、ツアー中には悲惨な歴史についての説明もあるのですが。
その後に訪れたKGB博物館の方がはるかに深く学べて良かったです。
ダリアさん曰く、旧ルキシュケス刑務所を観光地としてビジネス化してしまうことには議論があったとのこと。悲惨な出来事があった場所をユーモアを交えて紹介することで、親しみを感じてもらうこともアリなのか?と考えてみましたが、私には、ユーモアやジョークが似合う場所とは思えませんでした。
刑務所内のギャラリーで開催されていた企画展「Rave Nation」はとても良かったので、改めて滞在記で紹介します。
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