御礼『よみがえる声』プレミア試写会&リレートーク
vol. 21 2025-05-28 0
クラウドファンディングへ応援いただきました皆様
5月23日(金)横浜で『よみがえる声』プレミア試写会には、約90名に参加いただき盛況のうちに終えることができました。お越しいただきました皆様、クラファンを応援いただきました皆様ありがとうございました。
『よみがえる声』プレミア試写会は監督と制作スタッフのご挨拶から開会しました。
朴壽南(パク・スナム)監督
「ヨロブン アンニョンハセヨ 皆さま、こんにちは!」
写真:監督朴壽南と娘の朴麻衣
「一通り韓国での上映が終わり、ようやく日本上映会となりました。皆さんとお目にかかれて大変光栄に存じます。よろしくお願いいたします。」
佐藤千綋さん(構成・助監督)
『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言』の頃から、15年朴壽南監督の作品制作に参加してきました(写真右)
「常に痛感していることは朴壽南さんが撮ったフィルムの映像をどうしてもこの世に残したいという、ものすごい熱意をいつも感じています。ひとつ例ですが、2019年の台風19号があったときに、川が氾濫するのではないかと、マイさんがフィルムの入った缶を、何個もあって、ものすごく重いのですが、それを(避難所の)体育館にタクシーで運んだという事がありました。それくらい自分の子どものように大事にしてこられました。今日の映画にもその思いが伝わっていると思います。」
*上映後には、取材に協力して頂いた皆さんから貴重なお話しをしていただきました。
東京朝鮮中高級学校のシン・ギルン(前・校長)先生
「2時間あまりの映画、僕は一瞬でした」
「現在76歳です。48年間朝鮮学校の現場で教員をしてました。在日のこどもたちに祖国の文字と言葉、文化を教えると言うことは本当に大事なことです。
パク・スナム先生が小松川事件の犯人李珍宇イ・ジヌ)君に最後に朝鮮語を教えました。死刑を目前にした李君が朝鮮語を習いたい、祖国を知りたい、そのような思いがパク・スナム先生と李珍宇君の往復書簡集におさめられています。僕が朝鮮学校の先生になろうと思ったのは、高校3年の時に本当にたまたま読んだ「小松川事件」の往復書簡集の本です。今でもあの三一書房の本の表紙を覚えています。僕はその当時、本当に苦労をして僕を育ててくれた母のために労働をしようと思っていました。この本を読んだ時に、李(イ・ジヌ)君のような自分の祖国を知らない、祖国の文字も言葉も知らない、在日の子どもたちに一人でも多く教えたい。そのきっかけをあの本は教えてくれました。母に泣いて頼み、そして朝鮮学校の先生となりました。
少し前に軍艦島のドキュメンタリー番組がありました。観光地になって、朝鮮人の「ちょう」の字も出ない。過去を知らずしてこうして流れてしまうのか_、憤りを感じながら悲しく思いました。
僕は日本の植民地支配の最悪の、一番の問題点は、民族を抹殺しようとしたことだと思っています。あと30年植民地支配が続いていたら…朝鮮語がなくなり、朝鮮語を使うものがいなくなったら民族はなくなります。
今年、朝鮮が解放されて今年80年になります。これから日本と韓国と朝鮮が手を取り合えるようになってほしい。朴先生は朝鮮学校の5期世です。僕は18期生ですから大先輩です。朴壽南先生の健康を願うばかりです。そしてもっと多くの日本の方、在日の若い人たちにこの映画を観てほしい、朝鮮学校のこどもたちや若い人がこの映画を観るように僕も動きます。これからも頑張ります。よろしくお願いします。」
(映画では短いですが校長先生が登場されます)
韓国の小説家 ファン・モガさん
「去年の11月にソウルの上映のトークに参加してきました。韓国では去年12月に、いきなり戒厳令が布告され(ユンソニョル大統領)弾劾デモがあって、20代、30代の若者たちが声をあげる場面を皆さんもニュースで見たと思います。そうした社会の動きもあって若い人たちがとても集中して映画を鑑賞して、アフタートークの時にも「この映画を国家記録物として残すべきだ」という声をみんなが上げていました。私はスナム監督のほとんど一人の執念と情熱でこの100年の歴史をまとめてくれたことに感謝して、すっかりファンになりました。これからも韓国の観客と繋げていきたいと思います。よろしくお願いします。」
原一男監督が駆けつけてくださいました!
パク・スナム監督へ薔薇の花が贈られました!
「釜山国際映画祭で審査員として初めて見た時の衝撃が忘れられない。映画という作品の範疇を突き破る映画を超えた映画」
原監督が会場の皆さんに審査の選評をあらためて語って下さいました。会場が一体となってお話しに聞き入りました。
そしてリレートークは続きます!
第一作目『もうひとつのヒロシマ』上映から40年を共に
出演者でもありスタッフでもあり何役もこなす関谷さん(パントマイム劇団湘南亀組)。
スナム監督と40年にわたりさまざまな活動を共にしてきました。『沈黙−立ち上がる慰安婦』ではハルモニたちと「キムチ作り」をしているシーンに登場。『よみがえる声』にも登場します。
戦争を止めていく運動を
7年前に横須賀で映画『沈黙』上映会を主催した品川さんから当時の状況から話されました。
「・・・朴壽南さんは一言では言い尽くせない、過去の帝国主義の問題をずっと扱ってきていますが、この映画で、今の問題に引き付けて問題を立てている、というところが、優れていると思いました。この映画の上映会もしっかり構えて、みんなで力を合わせてやっていくということ、それと、戦争をみんなの力で止めていく、そういう運動を、これをきっかけに作りたいなと思います。よろしくお願いします。」
紹介しきれませんが、「上映後に行われた1時間のリレートークが素晴らしかった」「映画についての理解が深まった」と感想をいただきました。アンケートも30枚以上が寄せられました。
6月4日(水)、16日(月)の渋谷試写会も、絶賛申し込みを受け付けています!
ありがとうございました。
『よみがえる声』上映委員会
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