「旅のトークショー」出演者からの応援メッセージです
vol. 2 2020-09-06 0
エクマットラはベンガル語で「皆が共有する一本の線」という意味です。
世の中には多くの理不尽が存在し、弱い立場の人々は声をあげる場所もありません。
このバングラデシュでも30万人という子どもたちが、貧困という名の病により暴力や危険と隣り合わせの路上生活を余儀なくされています。そうした社会の中で、みんなが弱き立場の子どもたちや人々に手を差し伸べ繋がる仕組みをつくり、社会に一本の線をつくる…それが私たちの信念です。
そんな私たちの信念にサヘルさんは賛同してくださり、いつかエクマットラを訪問するという約束を辻さんと共に果たしてくださいました。
バングラデシュ訪問の際には、ご自身の辛い過去と今に至るまでの葛藤をお話してくださり、その言葉は同じように痛みを抱えながら生きる子どもたちや女性たちの心の深い部分を包んでくれました。
サヘルさんの生き方を通じて、人は悲しみや辛い過去を優しさや愛に変えて生きていけるのだということを学ばせていただきました。
私たちの手は、物乞いをするためではなく、何かを学んだり仕事をして、そうして未来をつくっていくためにある
私たちの足は、誰かにすがるためではなく、自分の人生を歩んでいくためにあるんだ、と
子どもたちや工房の女性たちにいつも伝えていますが
17年という活動の中で、どんな環境に生まれても努力をすることで人は変わっていける、胸をはって生きていけるんだと、人間の可能性を私たちは目の当たりにしてきました。それはまだ小さな希望で、現実はとても過酷で目の前に広がる貧困は果てしなく、私たちが目指す世界は生きている間に見られないかもしれません。
ですが、私たちが始めたこの活動が次の世代へと引き継がれていき、いつかエクマットラで育った子どもたちや仕事を学んだ女性たち自身が次世代を照らす星となり、この国の貧困を、そして世界の闇を照らす光となってほしい…そんな思いで日々活動をしています。
日本も今は大変な状況の中、サヘルさんを通じてこうして支援を考えてくださっている皆様、本当にありがとうございます。
この度の皆さんからの支援金は、必ず現地で子どもたちや女性たちの笑顔にしっかりと繋げていきたいと思います。
また、今回番組を私たちも拝見して、同じように世界の理不尽と日々闘っている方々がいることを知りました。
今は世界中が大変な状況ですが、余力があるところからないところへ手を差し伸べながら皆で助け合いながら、世界の皆さんと今の危機を乗り越えていく機会にになることを願っています。
最後に、このファンディングを立ち上げてくださったサヘル・ローズさんと辻陽子さんに、心からの感謝を込めて。
エクマットラ 渡辺大樹 渡辺麻恵
▼念願の「アカデミー」建設当時の大樹さん 麻恵さん
▼大樹さんはダッカ大学で知り合った仲間たちと共に「エクマットラ」を立ち上げました