人形を使う。
vol. 2 2024-07-27 0
TOKYOハンバーグの大西弘記です。
これまでご支援頂いた皆々様、本当にありがとうございます。とても励みになります。
さて、今回の作品『子どもと大人と食堂と。』東京公演をご観劇下さった皆さまも沢山いらしてくださって、とくに評判が良かった部分を紹介致します。それは書いて演出した自分も初めての挑戦でした。
〝人形を使う〟
何故、人形を劇中で活用しようと思ったのか、稽古での活用はどんな感じで進んだのかの創作的な側面と、人形を作成する制作的な正面について綴ります。
まず、何故、今作品で人形を活用したのかについて。
単純に作品の主軸であるで登場人物の悠太と千沙の関谷兄妹を描くにあたり、二重構造を取り入れたからです。つまり過去と現在です。二十代前半の彼らの幼少期を人形で現在の彼らが操るというか、人形に心を籠めてというか、それがうまくゆくことによって、二重構造(過去と現在)が粒立ち、描いていない、或いは観た人に委ねた二人の〝未来〟を想像してもらえるかなと。
それが僕の狙いでした。
僕が描きたかったこと、描こうとする理由、それらはいつも大体が〝怒り〟とか〝哀しさ〟とか、そういう負の感情から始まります。それは今回も同様。然し、それを描くにあたって沢山の情報を見聞きし、何度か取材に出かけインプットしたものを、それらはすべて借り物なんですが、それらを本物にしてゆくために、咀嚼という寄り添い、或いは寄り添いとう咀嚼を何度も繰り返してアウトプットされて戯曲になります。
僕は二十代の頃に〝演劇は世直し〟だと教わりました。そして、その魔法のような言葉を何度も疑う時期もありました。本当の本当に疑ったからこそ、今は本当だと思っています。
少なくとも僕の心持は〝演劇は世直し〟だと蓋し言える。そして『子どもと大人と食堂と。』は、そんな風に思えてならない作品だからこそ、色んなところで上演してゆきたいと思っています。
これは僕たちTOKYOハンバーグの可愛い願いです。
さて、先ほど【何故、人形を劇中で活用しようと思ったのか、稽古での活用はどんな感じで進んだのかの創作的な側面と、人形を作成する製作的な正面について綴ります】と綴りましたが、稽古での活用だったり、制作については、実際にそれをやったノブくんこと、鈴木暢海に次回の記事で綴ってもらいましょう(笑)もうひとり、ふーちゃんこと小林風生子は長野出身なので、凱旋公演について、ノブくんの次に綴ってもらえたらなと。
このアップデートは劇団員で色々と綴って参りたいと思いますので皆さま、是非、楽しみにお待ちくださいませ。
TOKYOハンバーグを始めて18年。
初めての挑戦は人形の他に影絵も取り入れたのですが、そこは大西投稿の次回記事にて!
写真:ありせさくら