製作日記7 『激動の1週間』
vol. 7 2018-09-18 0
どうも。プロデューサーの小澤です。
いつも読んでいただいてありがとうございます。実は先週、かなり激動の1週間でした。
撮影まで2ヶ月を切っており、キャスティングオーディションや、ロケーションハンティング、予算製作など、たくさんやらなければならない状況にも関わらず、なんと、脚本に大幅な変更が加えられたのです。
脚本は通常、撮影ギリギリまでブラッシュアップされていくものですが、いつまでも変更ばかりでは他の作業が全くできないため、撮影日の2ヶ月ほど前に脚本をシーンロック(Scene locked)するという工程があります。
シーンロックとは文字通り、脚本に出てくるシーンを確定(ロック)させ、それ以上の変更を今後はしないと決めることです。シーンが固定されれば、撮影するロケーションや飾り付けなどもほぼ固定され、そのシーンロック脚本(Scene Locked Script)をベースに予算を立て、ロケーションを探し始めるのです。シーンロック後には会話の内容などの細かい内容の変更しか行われません。
ところが今回、どうしても大幅な変更を入れたいという脚本家、監督の意向があり、ロケーションやシーンが大幅に追加されたのです。確かに変更された脚本は以前のものより格段に良くなってはいたのですが、以前の脚本を元に仕事をしていた他のメンバーはその変更にGet mad(激怒)状態。いまさらこの変更は受け入れられない、時間がないと侃侃諤諤。大変な事態に陥りました。
しかし監督や脚本家はよりいいものを作りたいので一切折れませんし、かといって他の製作スタッフがやる気を損ねてやめられても困ります。
そこで、すぐさま深夜に緊急ミーティングを開き、四時間にもわたる議論のすえ、なんとか新しい脚本で行こうということになったのです。
それからはもう大変。その次の日に開かれた週一回のプロダクションミーティングに、すべての予算案、ロケーション案が吹っ飛んだ状態で参加したプロデューサーの私は、教授に詰めに詰められ、なにをやってんだと吊るし上げられます。もちろんプロデューサーとして大変なのは重々承知しているので「わかっています、なんとかします」と言うしかできません。なんとかするのが私の仕事です。
それからの1週間、新たに追加されたロケーションを抑えるため、ロケーションマネージャーに凄まじく働いてもらい、UPMに新たな予算案をだしてもらい、撮影監督にも撮影スケジュールを作り直してもらい、並行してキャスティングオーディションを敢行するという、信じられない忙しさの1週間だったのでした。クルー全員が馬車馬のように働いています。みんなお疲れ様、ありがとう。
その甲斐もあって、なんとか目処がたちそうです。とはいっても、大変なのは変わらずで気をぬくことは一切できません。現在プリプロダクションの最大の山場を迎えていると言っても過言ではないです。
いろいろ書くべき記事が溜まってきています。これからは毎日更新になるかもしれませんが、どうぞよろしくおつきあいください。
小澤 隼