運命を受け容れる
vol. 10 2024-11-10 0
6月に高屋出張所の村瀬さんからまちづくりの話を聞いたその日に、あの空き家との運命的な出逢いが起こり、私の気持ちはもう完全に西高屋駅周辺のまちづくりにどっぷりです。
その日の村瀬さんと戸田さんも興奮気味でした。このTown&Gown構想は、ホント私が東広島市を訪ねる頃に、各プロジェクトを実行していく為には、プレイヤーとして牽引してくれる企業や起業家の存在が必要不可欠なのではないか、と市役所内で話題になっていたらしく、それから間もなくして(公募を募る前に)、本当にプレイヤーになろうとする変わり者がやって来たからです。そしてその変わり者が今まで気にも留めていなかった建物を『リノベの原石』だと言い張り勝手にワクワクしているんですから、そりゃ確かに偶然の連続に興奮もしますわね。笑
出逢うタイミングが半年違ったら、こんな展開にはなっていなかったと、お二人はしきりに言っていました。きっと運命だったんですよ。私がこのタイミングで西高屋に来ることも、そのために社会起業家になる為の勉強をコツコツ続けてきたことも。全部ここに繋がる為に導かれていたのだと、今はハッキリ確信しています。
そういった御縁の連鎖のおかげで、2023年7月、初めて近畿大学工学部広島キャンパスを訪れました。私の起案書も、西高屋の空き家を見つけたその日の内に再修正され、現在の楽屋プロジェクト発足のルーツになっています。
近畿大学の教授や関係者さんを前に、自身の頭の中にある構想と妄想を熱弁する私がそこにいました。「あれ?なんでオレここにいるの??」と、自分の考えと想いを語りながら、不意に一瞬幽体離脱でもしたかのように、自分自身を俯瞰視していたことを覚えています。しゃべっているのは確かに自分なんだけど、自分で自分を観ているスピリチュアルな感覚です。
(ちょっと怖いですよね。ごめんなさい。でもホントにそんな感じだったんです。)
3ヶ月前は考えてもいなかった構想を、自分が自分の言葉で教授達に語っている。「なにこれ??なんでこんなことになったの??」自分でも自分が分からない状況です。何に動かされてこんなことになったのか、なんでこんなアイデアと言葉が頭の中に降りてきたのか。
まさに私自身が『奇跡体験アンビリバボー』状態だったのです。笑
話し終えた時、教室に入ってきた時にあった独特の緊張感が、どっかに消し飛んでいました。行政と大学が考えていたまちづくり構想の方向性と、私が語った『空き家をリノベーションしてコミュニティスペースを創る』という構想が、目指すべきゴール像として限りなく合致していたのだと思います。そして目の前の人間が、本気で考えて、本気で何かしようとしている熱意が伝わったのだと思います。
村瀬さんや戸田さんは深く頷き、教授や職員さんからも笑顔がこぼれていました。今では職業という垣根を越えて懇意にさせて頂いている、近畿大学の市川先生とも、こうして初対面を終えたのでした。