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タル・ベーラ監督による映画制作マスタークラス開催をクラウドファンディングで実現!

タル・ベーラ監督による映画制作マスタークラス開催を応援してください!

福島で巨匠タル・ベーラ監督による映画制作ワークショップを開催します!福島の地で【映画をはじめとする表現者を触発・育成するための継続した創造と学びの場】を作るためのクラウドファンディングにご協力をお願いします!

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このプロジェクトは、2024年5月7日23:59に終了しました。

コレクター
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残り日数
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このプロジェクトは、2024年5月7日23:59に終了しました。

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2月6日より、福島12市町村(原発事故で影響を受けた市町村)を対象地域にハンガリー出身のタル・ベーラ監督を講師に迎え映画制作ワークショップを開催する実行委員会です。これを契機に常設の映画のマスタークラスの開設を目指しています!

  • その他・海外
  • 起案数 1
  • 応援数 2
  • FFIR2024
  • フォロワー 57 人

マスタークラス受講生の振り返りメッセージ【リン・ポーユーさん】

vol. 22 2024-04-07 0

みなさん、こんにちは!

映画制作マスタークラス「FUKUSHIMA with Béla Tarr」の受講生からの振り返りメッセージのご紹介。

本日は、リン・ポーユーさんから届いたメッセージをご紹介します。

LIN Po-yu

Director / Taiwan


An essay from LIN Po-yu

(English follows)

毎日、私は「FUKUSHIMA with BÉLA TARR」での、自分の考えを記録していた。 しかし、最終日の夜、私は自分の考察を記録することをためらった。なぜなら、この最後の考察を記録すれば、本当にすべてが終わってしまうような気がしたからだ。

ワークショップの最後の晩、上映後の夕食の後、ベーラが、部屋に戻る前にチームの私たちひとりひとりとハグを交わしたとき、その深い抱擁と微笑みは、彼の私たちへの最後の祝福だった。彼は、私たちを助けるためになんでもするし、いつかまた会えることを願っていると言ってくれた。

その瞬間、いつもタバコを片手にビールを水のように飲み、香辛料のない食べ物を嫌い、スリッパという日本の習慣を嫌がるこの老人を私は心から愛おしく思った。

彼と目が合うと、彼は低く不機嫌そうな声で挨拶し、目を細め、こちらが冗談を言うと「何だ?」という。いつも震えている中指を曲げて「失せろ 」と言う。そして、何かミスをすると、杖を振り上げて威嚇し、殴るふりをするのだ。

私はベーラに 「最後に何か私にアドバイスはありますか?」と尋ねた。

彼は私にこう答えた「いや、忍耐と長回しだけだ」と。

彼は、せっかくのいいショットをカットせずもっと長回しすべきだったと、杖を振り上げて私の頭を叩くふりをした。彼は私に、この失敗の後、これからはもっと長く、長回しで撮影することを忘れないでほしいと言った。忍耐を持つこと、簡単にあきらめないこと、すぐにやめてしまわないこと。

後に、忍耐は確かにフレームの内でも外でも奇跡をもたらした。

ベーラから映画制作を学んだこと自体が奇跡だったのだが、もうひとつの奇跡は、福島でミュージシャンのnappoに出会い、彼女が私の創造に対する考え方を大きく変えてくれたことだ。彼女の音楽やダンスで、笑い声、歌、交友関係、そして指導によって、彼女は、かつて傷ついた大地を育んだ。

福島で制作した映画『Nappo』は、短編ドキュメンタリーだった。ドキュメンタリーは、私が長年作ることに抵抗があった形式だ。しかし、nappoは、カメラが私と他者との間の障害になっていると思っていたのは、実は幻想だったと気づかせてくれた。コミュニケーションを妨げていたのはカメラではなく、私自身の心だった。

仕事に執着しすぎると、おのずと自分の中に壁を感じてしまう。しかし、相手の話を聞き、伝えようとする真摯な気持ちがあれば、自然と垣根はなくなる。彼らはカメラに映ることに同意してくれているのだから、彼らは自分たちのストーリーを話し、感情を分かち合ってくれるだろう。

たった2週間で、私は映画作りが好きになった頃の自分に戻ったような気がした。何かを作りたいという情熱だけで、ただ遊び、観察し、反応し、表現することで世界と人間の心を発見したいという気持に突き動かされてカメラを手に取るあの感覚。

ベーラ、nappo、そして福島でのすべての経験に感謝します。

Every day, I would record my thoughts for the “FUKUSHIMA with BÉLA TARR”. But on the final night, I hesitated to record my reflections because I knew that once this final reflection was recorded, it would truly mark the end of it all.

Last night in this workshop, after the dinner following the screening, as Béla, ready to retire to his room, hugged each one of us from our respective teams, those deep embraces and smiles were his final blessings to us. He said he would do everything in his power to help us and hoped that one day, we would meet again.

At that moment, I truly loved this old man who always had a cigarette in hand, drank beer like water, hated food without spice, and detested the Japanese custom of slippers.

When you locked eyes with him, he would greet you with a low, gruff voice, squinting at you, asking, “What?” when we joked with him. He would curl his perpetually trembling middle finger and tell you to “Fuck off.” And if you made a mistake, he would raise his cane threateningly as if to strike you.

I asked Béla, “Do you have any final advice for me?”

He said to me, “No, except to be patient and keep it longer.”

He once thought I didn’t hold a beautiful shot long enough and raised his cane as if to strike my head. He wanted me to remember, after this mistake, for the rest of my life, to shoot longer, and longer still. To have patience, not to give up easily, not to call it quits too soon.

Later, patience did indeed lead to miracles, both within and beyond the frame.

Learning filmmaking from Béla was a miracle in itself, but another miracle was meeting the musician nappo in Fukushima, who profoundly changed my perspective on creation. With her music and dance, with laughter, song, companionship, and education, she nurtured the land that had once been wounded.

“Nappo,” the film I created in Fukushima, was a short documentary. Documentary is the format I resisted making for many years. But nappo made me realize that what I thought was the camera being an obstacle between me and others was actually an illusion. What hindered our communication wasn’t the camera, but my own heart.

If you’re too attached to your work, naturally, you’ll feel a barrier within yourself. But if you’re sincere in communicating with others, eager to listen to them and convey their stories, then naturally, there won’t be any barriers. Since they’ve agreed to be on camera, they’ll be willing to tell you their stories and share their emotions.

In just two weeks, I felt like I returned to the way I was when I first fell in love with filmmaking. That sense of having nothing but passion to create something, simply picking up a camera driven by emotion to discover the world and the human heart, just playing, observing, responding, and expressing.

Thank you, Béla, nappo, and all my experiences in Fukushima.

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次回の更新もお楽しみに!


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