【イベントレポート】2月18日開催 成果報告会・上映交流会
vol. 15 2024-02-20 0
みなさん、こんばんは!
タル・ベーラ監督によるマスタークラス最終日の2月18日、マスタークラスの締めくくりとして、活動の拠点となった『葛尾村のみどりの里せせらぎ荘』にて、一般公開イベント「成果報告会・上映交流会」が行われました。
本日は、そのイベントの様子のお届けします!
最前列左から:清水俊平さん/福永壮志さん/飯塚陽美さん/シュ・ジエンさん/リン・ポーユーさん/ロヤ・エシュラギさん/大浦美蘭さん/タル・ベーラ監督
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【FUKUSHIMA with BÉLA TARR /福島映画教室2024 成果報告会・上映交流会】
【日 程】2月18日(日)
【場 所】みどりの里せせらぎ荘(葛尾村落合菅ノ又6−5)
【登壇者】飯塚陽美/ロヤ・エシュラギ/大浦美蘭/清水俊平/シュ・ジエン/福永壮志/リン・ポーユー
【時間】
13:30 成果報告会・上映交流会スタート
17:30 終了
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イベント会場は、活動の拠点となった葛尾村の『みどりの里せせらぎ荘』。
イベントには受講生たちの作品作りに協力した近隣住民の方々もお越し下さり、和やかな雰囲気の中で上映が始まりました。
今回のワークショップで7人の受講生たちを指導したタル・ベーラ監督の愛弟子で、2週間に渡るワークショップの記録を担当した小田香監督が撮影した映像に「LETTERS FROM FUKUSHIMA」という全体タイトルが重なるオープニング映像でイベントスタート!
まず最初に上映されたのは、台湾から来た リン・ポーユーさんの監督作『Nappo』。東京から南相馬に移住し、歌やダンスで人々の輪を広げているシンガーソングライターのnappoさんの人物像を音楽に重ねながら見せ、上映後にリンさんは「nappoさんと出会わなければここで映画を作ることはできなかった」と振り返っていました。
福島県浪江町出身の 大浦美蘭さんの監督作『Wall』は、造園会社に勤める男性が、自社の庭に土留の塀を作る様子を静かに見つめる作品。タル・ベーラ監督からは「言葉がなくても伝わる」とのアドバイスを受けたといいます。
飯塚陽美さんの監督作『Long Long Hair』。この作品ではでは浪江町にある美容室を訪れた人たちと美容師との会話の中から、今ここに生きる人たちの日常の断片が浮かび上がって見えました。
7本の中で唯一のドラマとなった 清水俊平さんの監督作『A Separation』は、夢を実現するため故郷を離れようとする女子高校生の葛藤が、ホテルの一室でのやりとりの中で表現された作品。清水さんは上映後のインタビューで「福島の人たちと会う中で、『別れ』についての話をたくさん聞いたことが作品のアイディアにつながった」と語ってくれました。
休憩を挟んで後半は、
ロヤ・エシュラギさんの監督作『Letters from Fukushima』でスタート。
ロヤさんの作品は風呂に入る女性をとらえた「女性」、映画館でスクリーンを見つめる人々の顔を撮影した「人生」、山の中で木材を切り出す様子にカメラを向けた「自由」という三章で構成。イラン出身で現在はコスタリカ在住のエシュラギさんは「私の故郷では髪を見せるだけでも殺される可能性がある。尊厳のある女性の裸を撮ることは一つのプロテストの形です」と制作にかける熱い思いを語りました。
中国の シュ・ジエンさんの監督作『The Guests』は、南相馬市の自動車整備工場で働くフィリピン人労働者の1日に密着した作品。朝目覚め、仕事をして帰宅し、眠りにつくまでを至近距離から撮影しました。言語の壁に阻まれ、撮影に苦労したというシュさんですが、撮影に協力してくれた工場の方たちと交流するうちに「心と心を通わせることが大事」と気づいたといいます。
最後に上映されたのは、
福永壮志さんの監督作『Tale of Cows』。'11年3月まで酪農家の夫と共に乳牛を育てていた石井絹江さんが自らの経験を元にした紙芝居『浪江ちち牛物語』を、仲間の岡洋子さんと共に読む姿を記録した作品です。撮影はいまだ帰還困難地域となっている浪江町津島地区にある石井さんの牛舎内で行われました。原発事故の影響を牛たちの視点から見る物語が人々の心を揺るがし、会場内にはすすり泣きも聞こえていました。
上映後はそれぞれが自作についてコメントした後、質疑応答が行われました。
自作についてコメントするリン・ポーユー(左)とシュ・ジエンさん(右)の様子
「タル・ベーラ監督からかけられた中で、印象に残っている言葉は?」という質問に、福永さんは「人生を理解できれば形やスタイルはついてくる」、大浦さんは「自分が撮影する人と場所を信じろ」という言葉をあげていました。
ワークショップが始まって間もなく、「外に出て、人と会ってきなさい」というタル・ベーラ監督の言葉から始まった7人の受講生たちの作品作り。2週間という短い時間の中で、それぞれの個性を生かした作品が形を成したことに、タル・ベーラ監督も満足そうな笑みを見せていました。
<福島映画教室受講者 7 名>
飯塚陽美(日本)
ロヤ・エシュラギ(イラン/コスタリカ)
大浦美蘭(日本)
清水俊平(日本)シュ・ジエン(中国)
福永壮志(日本)リン・ポーユー(台湾)
*氏名(国名/地域名(50 音順)
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受講生のみなさん、心が動かされる素敵な作品を見せていただき、ありがとうございました!
そして、2週間本当にお疲れ様でした。
2週間に渡って開催された【FUKUSHIMA with Béla Tarr】。本マスタークラスは2月18日で終了となりましたが、 モーションギャラリーにてクラウドファンディングは5月7日(火)まで続きます!
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