永遠の沼地を歩きながら
vol. 62 2020-11-18 0
61日目終了。
本日も参加者が増えました。
連日のご参加に感謝です。
着実に一歩ずつ進んでいると実感しています。
今週日曜の映画「セブンガールズ」の復活上映に登壇できることになった。
とは言え、何か話をするわけでもなく顔をみせて頭を下げるだけなのだけれど。
映画館によっては舞台挨拶を再開している所もあれば、今も半数の座席の所もある。
それぞれの対策にグラデーションがある。
ガイドラインを最低基準として、そこからは各自で考えているのだから当たり前だ。
本来、舞台挨拶をしていない映画館で顔見世が出来る手配をしてくださっただけでも感謝だ。
そのための手配を一緒にしてくださったあの人にも。
実は同日に「破壊の日」のイベントが日光江戸村である。
上映終了後に行けば充分に間に合う時間なのだけれど、断念した。
プライベートな身内の状況を思えば足を伸ばせないだろう。仕方ない。
不安や心配を抱えていくのも気が引ける。
心を洗うようなイベントになりそうだなと思っていてそれだけは羨ましいのだけれど。
北海道は札幌で外出制限というニュース。
徐々に感染拡大のスピードが南に移動している。
今週末は年内最後の三連休。
プロスポーツの天王山のスケジュールでもある。
世界のトレンドで言えばここを過ぎてからは、いつまた行動制限が入るかわからないと思う。
最大限に注意しながら、心を満たしたいと思ってる。
もう一度ステイホームと言われたら耐えられるだろうか?
今、ずっと悩んでいることがあって。
第三稿に着手したいのだけれど、そこで思考が止まる。
ここは変えたいなぁという箇所は時間が経過していくつか出てきてはいるのだけれど。
そこに至る前にどうしても考えてしまう。
今、第二稿に出ている役をカットするかどうか。
もちろんカットすればしたで、他の部分で補強することは可能なのだけれど。
じっくり考えるべきなのか。
それとも決めてしまうべきなのか。
他の改訂に影響があるならとっとと判断してしまった方がいい気もしている。
パズルは一つのピースでもなければ完成しない。
無意味な個所などないのだから、後回しにも出来ない。
全ては連鎖している。
作品の全体像を何度も何度もイメージして重ねていく。
つまらないことはあまり考えない。
行き詰った時に。
このプロジェクトのコメント欄を読んで勇気をもらうようにしている。
こっそり一人で活動を始める方法もあったはずだけど。
今までの自分の道を考えて、ちゃんと広くお伝えして良かったと思う。
僕たちは応援してもらっているのに。
時々、本当に僕たちは応援なんてしてもらえるのだろうかと不安になる。
家族や友達やそれに舞台に来てくださった方々や共感してくださった方々。
そんな皆様がいるのに、ものすごく本当は誰にも応援なんかされていないと孤独になる。
これは一体何なのだろう。
自分に何かが欠落しているんじゃないかとすら思うことがある。
いつも自分の立っている場所があやふやで地面なんかないんじゃないかと感じる。
確かに30年も芝居を続けて来たにも関わらず。
何か僕だけどこかに置いてけぼりにされたような不安。
いつの間にか僕は自分を小さく見積もる癖がついてる。
大きく見積もるよりもいいじゃないかと言い訳をしながら。
等身大の自分を卑小化して、くすぶりたくなる。
現実を見ずに夢ばかり言っている人もいる。
それをやるには何が必要で、何を学ぶべきで、どんな壁が待っているのか。
映画を創るということは、便所だって用意するということだと僕は学んだ。
夢は誰だって自由に言っていいけれど。
約束するのなら、現実も同時にみつめなくてはいけない。
準備もせずに約束をすることはできない。
多分きっと。
人と比べられることから逃げ続けたツケが回ってきている。
そう思ってる。
僕たちは僕たちだと叫ぶことも重要だけれど。
何度も何度も例えば賞レースへのエントリーなどには躊躇してきた。
これは違うんじゃないか?なんていう意見がいつだって勝ってきた。
僕は負けてもいいから勝負をしたいと何度も何度も言ったと思う。
負けなければ一生勝者だけれどさ。
でも本当はどこかでビビっていたんじゃないか。
けれど逃げることなんか結局できないんだ。
少なくても、役者は常に誰かと比較されている。
演じる役と本人とが比較され、共演者と比較され、他の誰かと比較される。
作品だって結局は比較される。
僕は何度も何度も負けてきた。
負けてきたから、今、ここにいる。
大恥をかいたって良い。
僕は比較されることを恐れずに進むと決めた。
僕は僕なのだから、負けても僕なのだ。
敗北感などただのガソリンになるだけだ。
次の勝利へのガソリンだ。
残念ながら役者や作品に勝敗などない。
本当の意味では比較など出来ないし決着はつかない。
だからこそ、いつまでだって比較から逃げることも出来る。
スポーツの世界や、芸人の世界には、勝敗があって残酷だなぁと感じる。
それでもそこに生まれるものに嫉妬する。
僕たちは勝敗のない永遠の沼地を歩いているようなものだから。
だから勝負の世界に持っていく作品を創る。
これまでに溜まりに溜まったツケを全部返してやる。
白星黒星じゃなく、勝負することだ。
その責任は僕が背負う。
行き詰るのはここが沼地だからだ。
明確な目標を持つのだ。
見返せば確かに共に歩んでくださる方がいる。
くすぶるほど孤独じゃないと勇気をもらえるのだから。
11月中に100人を目指すという目標も黄色信号が点滅ぐらいだろうか。
たくさんの皆様がプロジェクトを拡散してくださっている。
そして日々参加してくださる方が増えている。
きっと30日までずっと目標に苦しむだろう。
それで良い。
現実を正面から見るべきだから。
62日目が始まる。
もう水曜日か。
時間が経過するスピードが早い。
心が摩耗していくのも無理はない。
小野寺隆一