岬でボロボロの灯台が光ってる
vol. 44 2020-10-31 0
43日目終了。
なんとなくだけど皆がわかっていながら、忘れたふりをしているような気がしている。
緊急事態宣言が明けた頃、テレビでもネットニュースでも何度も繰り返し聞いていた。
医療関係者、感染症専門家、疫病対策専門家たちの全員が口にしていた言葉。
「第二波は必ず来ます」という言葉を。
誰もがそれは必ずやってくることなので、その時のために医療体制を充実させるべきと。
そう口にしていたはずで、それは誰だって少なくても一回は聞いていたはずだ。
感染者数の発表にも飽きて、マスクも当たり前になって、感染者数の増減が小康状態。
このまま行くんじゃないだろうかと期待したいし、自分もそれを望んでいるけれど。
あの頃、盛んに必ずもう一度やってくるんだと専門家たちは誰もが言い切っていた。
恐らくそれが来るとすれば、そのきっかけとなるようなクラスターが発生すれば、徹底的に社会が攻撃することは目に見えている。
それでも経済活動を止めることは出来ないからこそ、不特定多数が集まるようなケースでは今も安全対策についてはきっちりと考えている。
それでも目に見えない大きさのものを完全に阻止することは難しいわけで。
僕は専門家ではないから何かを断言することなんか出来ないけれど。
肌感覚で、明らかに体調を崩しやすい季節がやってきて、肌が乾燥して、北風が吹き始めて。
その上、世界の統計では感染者数の増加数の最高記録が出ていて。
日本よりも緯度が北にあるヨーロッパでは再度のロックダウンの報道まで出ていて。
日本国内でも北海道や東北地区などの北部での増加傾向を見る限り。
ああ、やっぱり11月の終盤ぐらいから増えていくんだろうなぁと感じている。
どんどんあの2~3月の空気に近づいていることを肌で感じながら。
検査可能数や病床数や、マスクや医療用防護服などのストックはしていると思う。
けれど、なんというか自分たちは本当に心構えが出来ているのかなぁと感じている。
どうしても、忘れたふりをしはじめているんじゃないかという気がしてならない。
もう日本ではそこまでの感染拡大はないとどこかで信じたいという意識が広がってる。
人が集まるような場所ではまだまだ意識を高く保っているけれど。
個人個人で言うと、逆にゆるんでしまっているのかもなぁと感じる。
それは自分自身も含めてなのだけれど。
どうしたって、あんな日々がもう一度やってくると信じたくない。
5月病だとか。
あるいは夏休み明けの学生の自殺数が上がることだとか。
緊急事態宣言以降の、自殺率ももちろんなのだけれど。
一度希望を持ったり、体を休めてから、もう一度緊張しなくてはいけない時。
人は絶望を感じやすいのだと思う。
もしももう一度緊急事態宣言のようなものの可能性が検討されたら。
その時、絶望を感じる業種の人たちはきっと信じられないほどいる。
もう一度は無理だよと口にする人たちがきっと現れる。
もちろん様々な知見が全世界から集まってきていて。
以前と同じになるということはないのだと思う。
対策が出来て、ガイドラインも整備されつつある。
緊急事態宣言は必要ないという議論もされることになるだろうと思う。
それでも、人の心は、前に進んでいないと感じた時点で折れるんじゃないだろうか。
だからこそ、なんとなく、忘れたふりをしているように感じるんじゃないだろうか。
あと何年続くのだ?と感じる人は絶対に出てくる。
けれど、その個人個人の心の問題にうまく切り込んでいる何かを感じたことがない。
経済対策だとか、医療対策だとか、そういうものばかりが目に付いている。
心のケアについて、本気で取り組んでいるなぁと感じたことがない。
大丈夫だと信じるしかないし。
なるようになるさと思うしかないし。
政府の発表を待つ以外にやれることなんてないのかもしれない。
その時、僕は誰かの希望になれるだろうか。
絶望を感じるその時に、あの人は何かをやろうとしていると思ってもらえるだろうか。
このクラウドファンディングに参加してくださった皆様だけでもいいから。
期待してもらえるのだろうか?
例えばどんなにそれが小さな光だとしても。
どうしたらいいんだと頭を抱える誰かに届くだろうか。
どうしたって明るい未来を想像したいから忘れたいけれど。
僕は僕なりに、そうじゃないんだと心構えを持とうと思っている。
夢をみることを夢にままにせず現実にしようと思うならなおのことだ。
小さな約束ひとつが、心の支えになることを僕は確かに知っている。
それがやってくるのが当然の中で。
(もちろん来ないなら来ないで大歓迎だけれど)
専門家がいうには必ずやってくる事態の中で。
僕は心の問題だけは忘れずに進もうと思う。
とんなに小さくても灯台が必要だ。
暗闇で船は出せない。
その光が、わずかな希望になるのなら。
僕の持てる力は小さいけれど。
毎日毎日僕から手紙が送ることが出来ないか。
そんなことを考えています。
僕は準備している。
この秋に向かってこのクラウドファンディングを始めたのも。
自分の周りで起きているスケジュールと。
そして、これから起きる可能性の高い諸々の事象と。
世界中で起きていることと。
そういう流れの中で、ここだというところに進もうと思っている。
僕は病気を治すことは出来ないけれど。
きっとどんな状況でも誰かが小さくても希望を持つようなことを出来る。
心のツボを押すんだ。
だからこそ僕は落ち込まないよ。
人生にとっても大きなことが起き続けているけれど。
簡単にネガティブな思考のループにはまるような自分にはならないよ。
折れてたまるか。
最悪だって想定しているんだから。
小野寺隆一