想いの結晶
vol. 35 2020-10-22 0
34日目終了。
本日、映画「セブンガールズ」復活上映の予約が再び開始になった。
予約開始直後から予約が相次いでまもなく上映決定の30席予約に達しようとしています。
誠にありがとうございます。
同時にとっても複雑な思いもあります。
コロナ禍において感染拡大していく中、前回の復活上映がなくなりました。
予約したくても、出来ないという方々がたくさんいました。
感染状況が横ばいになり、様々なガイドラインの改変が続きました。
閉館していた映画館も復活して、ついに再度の上映候補に挙がりました。
ただ決してコロナ禍が終わったわけではないのです。
遠方の方や、持病をお持ちの方、高齢者と同居している方、職業的に来場が不可の方。
現実にはまだまだそんな皆様がたくさんいることを知っているからです。
先日の解散公演でも、最後なのだから来たいけれど、来場出来ない方がいました。
決して無理はしないでください。
僕は必ず上映機会をこれからも探し続けますので。
ご来場いただける方も、どうか十分な対策をしてくださったらと願っています。
僕が全ての時間を捧げた愛すべき作品で、悲しい感染が起きたとしたら耐えられません。
次の上映機会がないと思って無理をする方がいるんじゃないかとハラハラするのです。
今から4年前の今日を思い出す。
自分たちで作ったバラック小屋のセットに立ち、初めて芝居をしたあの日を。
まだ照明もなく、監督と助監督、撮影監督の目の前で芝居を初めてみせた日を。
長く大工仕事でセットを創ってきた日々から解放されて役者になれた日だった。
セットを立てた材料も、ロケ地も、ロケ地のそばの駐車場さえ、すべて無料で借りることが出来た。
そんなことはありえないとたくさんの人に言われた。
僕たちはきっと毎日毎日奇跡を起こしていたのだと思う。
この時、映画「セブンガールズ」が上映されると決まっていたわけでもないのに。
僕たちは公開されることを確信して、カンヌに全員で乗り込もうぜと笑い合ってた。
毎日が奇跡だったから、奇跡が続くと信じてた。
馬鹿みたいだと笑われても、信じてる方が強いんだなぁと、前に進み続けた。
映画「セブンガールズ」には特別な思い入れしかない。
企画から始めて、全ての工程に関わった。
皆に今も上映館を探していることを話したら、嘘だろう?って顔をされたけど。
断られ続けているけれど、お願いし続けている。
僕の全ての想いと時間をかけた作品だから。
上映機会が終わって最初の舞台が終わった日に真っ白になったのはそういうことだ。
全てをかけてきた僕の手に残っていたものは、この作品まで嫌いになる一歩手前の醜悪なものだった。
誰にもうまく説明出来ないけれど。それがまた悲しいのだけれど。孤独なのだけれど。
僕が捧げた分だけ、僕は抑え込まれたのだと思う。
でも、まぎれもなく、僕の捧げたものはこの映画に込められたままだ。
僕はこの映画を美しい結晶だと今も信じ続けたい。
だからこそ、たくさんの人に届いたのだから。
そして、だからこそ、僕だけでも諦めずに連絡を続けている。
長い長い時間がかかったけれど。
今、僕がこうしてもう一度立ち上がっているのは。
きっとあの時と同じかそれ以上に大変なことをしようとしているのは。
そういう全てが繋がっていて。
そういう全てを想いとしてもう一度届けなくてはいけないからだ。
セブンガールズが美しい結晶であると僕自身を納得させたからだ。
誠実に作品に立ち向かうことが全てのはじまりだとわかったからだ。
あのセットに役者として初めて立ったキラキラした日をもう一度取り戻すんだ。
今日70万円を突破した。
日々、少しずつ参加してくださる方が増えていく。
僕は共に歩んでくださる方ともう一度夢を見ようと思ってる。
ご参加いただいた皆様、心からありがとうございます。
僕は想いを込めた、想いの塊は、どこまでだって届くのだと信じて進む。
時に技術だって、センスだって、想いは簡単に越えることを僕は知ってる。
映画「セブンガールズ」が公開から2年を超えた今も上映を望んでもらえるように。
どこまでだってそれは届くのだと。
5週目の最終日が始まった。
もっとたくさんの人に信頼してもらえる自分にならないといけない。
敵なんか誰もいない。
向上し続けよう。
まだまだだ。
まだまだ走れ。
小野寺隆一