今福龍太様から応援コメントをいただきました!
vol. 7 2025-05-08 0
失われた一本のフィルムがヴィム・ヴェンダースの夢のなかから出現した。
脆く、あやうい、けれど鮮烈な「夢」という形のままに……。
夢なので、それは彼のフィルモグラフィーの外部にある一つの淡い奇蹟。
見えないはずのイメージが、私たちの脳裡で明滅を始め、私たちをいざなう。
人が誰でも自分の内部にもつ、あの愛おしい「夢という島」に赴こう!、と。
そしてこのフィルムが現実に蘇ること、それこそ私たちのもう一つの奇蹟だ。
──今福龍太(文化人類学者・批評家)
▼プロフィール
遊動型の野外学舎「奄美自由大学」を主宰。メキシコ、カリブ海、ブラジルなどで広範なフィールドワークを行う。奄美・沖縄・台湾では唄者・吟遊詩人としても知られる。著書に『群島-世界論』『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(読売文学賞)『宮沢賢治 デクノボーの叡知』(宮沢賢治賞/角川財団学芸賞)など多数。1980年代以降、ヴェンダース映画についてさまざまな媒体で論じ、『リスボン物語』で来日の際は対談も行っている。