制作日記 3「マンモスの夜」CD2-6 完全版
vol. 15 2024-03-14 0
【6/27更新】Text:DZTPイトハル Photo:辻砂織 & イトハル 辻さん写真追加、本編続き追加、本田毅さん、横山英規さん、荒瀬大さん、湊雅史さんのコメント紹介。
「マンモスの夜」
Dr.湊雅史 / Dr.小関純匡 / B.Sax.横山英規 / G.本田毅 / Key.Arr.DIE / Vo.宙也 / Vo. ちわきまゆみ / Vo.荒瀬大
3月12日(火)雨のち曇り
朝9時にこせやん(小関)のドラムを積み込み、キース横山さんのご自宅を回って10時にスタジオ入りすると、既に湊くんのドラムが組み上がっていました。2人とも使用するのはLudwig(ラディック)のセット。湊くんは地方のツアーから徹夜で運転してそのままスタジオ入りしたそうで妙に明るいテンションです。
いよいよ始まるんだな。ツインドラムによる「マンモスの夜」。昨秋、小関の還暦ライブ2daysの初日に湊くんを含めたトリプルドラムを演ると聞いたけど、その時は涙を飲んで(キョンキョンも出る)2日目だけにした事がこの2人のツインドラムで「マンモス」をという提案のキッカケ。
思い起こせば、そのライブの際にデルジベットのマネージャー、小関、澄田健、そしてKoni-youngに久しぶりに再会したのが、このトリビュートアルバムの制作初日だったと言えるような気もします。
アレンジとキーボードは「マンモスの夜」も収録されている、DER ZIBETの5thアルバム『CARNIVAL』(1989)からデルジのレコーディング、ライブのサポートとして参加したDIEちゃん(彼にとって憧れだった"ロック"の初仕事がデルジだったそう)。
ギターはデビューの頃よくデルジと対バンをしていたPERSONZの本田毅くん(89年頃にはISSAY、シャケさん、ユカイさんとスーパーグラムバンドも結成)。当時からエフェクターの使い方が絶妙でしたが、今はEffectric guitarなるプロジェクトを率いるエフェクターマイスター。
ベースはデルジのアルバムにはサックスで参加したことのあるキース横山さん。DEMI SEMI QUAVERでのヘヴィーでグルーヴィーなベースを皆さんにも是非聴いて欲しいところ。岡野さん、ホッピーさん達のPINKではずっとサックスでした。今回はDIEちゃんのリクエストにより、ベースとサックスの二刀流で。
お昼頃、オフィシャルカメラの辻砂織さんがスタジオ入り。DER ZIBETを長きにわたって撮影頂き、今回はクラファンのフライヤーとISSAY献花の会のメモリアルフォトを無償でご提供頂きました。
さて、マイクセッティングが終わる前からドコドコドコドコと超重量級なビートが響き渡るスタジオブース。仲のいいこの2人が揃ってのレコーディングは初めてということもあり、練習がてらのドラムセッションが既にめちゃ気持ちのいいグルーヴです。
全ての楽器の音決めが終わると、エンジニアのコニヤンは湊を左9時、小関を右3時にわかりやすくパンニング。ステレオの両サイドからそれぞれのドラムが聴き取れる。
そして、13時前にボーカリストの1人dieSの荒瀬大ちゃんがスタジオ入り。ISSAY最後のライブとなった昨年7月14日のDER ZIBET。そこで対バンしたのがdieSで、その日の最後に演奏した曲は大ちゃんも参加した「マンモスの夜」のセッションだったという事を踏まえて参加依頼をしたのです。
かくして、13時にはいよいよリズム録り(ドラム、ベース、ギター、ピアノなどをリズム楽器と呼びます)がスタート。事前にDIEちゃんが用意したProToolsのデータに合わせて、演奏がスタート!
ワンテイク目、既に物凄いグルーヴ! 演奏が終わると小関が続けて『CARNIVAL』の次の曲「天国へOVER-DRIVE」イントロの決めを叩き、コントロールルームは大盛り上がり。実際、DER ZIBETのライブではこの2曲がよく続けて演奏されていたことは、読者の方々の中にもご存知な方々が多いでしょう。
ブースの中にいたドラム2人とベースのキースさんも、ここで一旦コントロールルームに戻って大音量で演奏チェック。
DIEちゃん「いいね~。でも、もう一回やろう!」という事でツーテイク目、今度も凄い! そしてまたこせやんの「天国へ…」(大阪の人はこういうのをかぶせと言って笑いを誘うものらしい。実に小関らしいです)。で再度みんなでチェック。
「やっぱワンテイク目かなあ」と、全員一致でわずか30分でドラム終了。
続けて、ベースを少しだけ直してここで最初の記念写真。宙也さんも間に合って、4時入り予定のちわきさん以外のメンバーで。
岡野さんのこのテンションを見れば、演奏の出来栄えは想像つきますよね~。
このあと、今度はキースさんのサックスのダビング。岡野さんが「キースのサックスは最高! ジャズの人が(ロックの曲で)吹くサックスって嫌いなんだよ。なんかチンドン屋さんみたいでさあ~」と持論を展開しているうちに、あっという間に終了。
ロビーでは、演奏終了した順に自家製のハンバーガーを召し上がっていただきました。今回は湊くんに特に大評判でした。
次はギターのダビング。コントロールルームの隣に座るアレンジャーDIEちゃんのリクエストに次々に応えていく毅くんのエフェクターを駆使した超絶サウンド。遂にマンモス現る! そしてイマジネーション溢れるプレイに皆んな大満足!
外では雨が激しくなった午後3時すぎ、ちわきさんの携帯を鳴らしてみるとちょうど駅に着いたとの事で、車でお迎えに行くことに。こちらのスタジオは駅から歩くと30分近くかかるのです。
ちわきさんと入れ替わりで、湊くんの車が出発。残念…全員での集合写真には間に合わなかった~。ちわきさんは毎週土曜のFM COCOLOの番組 "THE MAJESTIC SATURADAY NIGHT" で大阪に行かれていて、今回大阪土産をご持参いただき、みんなで美味しく頂きました。
ちわきさん登場で、今度はコントロールルームでの集合ショット。辻さんの右手も入っている! 右端がエンジニアのコニヤンこと小西康司さん、僕の目黒MOD STUDIOと鹿鳴館のアシスタントエンジニア時代の先輩でもあり、LUNA SEAやBUCK-TICKなども頼りにしてきた日本が誇るトップエンジニアで、ダジャレの達人です。
なお、DIEちゃんは自宅ポストプロダクションでキーボードの仕上げをするという事で、キーボードダビングはそこそこに、いよいよ歌録り!
…と、ここまで書いて今日は時間切れ。明日は「Der Rhein」のレコーディングです。そのための準備があるので、続きは明日!
ここから続きです!
続きは明日!と書いていましたが申し訳ありません。いよいよ発売も間もない6月26日になってようやく続きを書きます。遅くなってすみません!
この日の歌録りは、事前にアレンジャーのDIEちゃんと歌の3人(宙也さん、ちわきさん、荒瀬大さん)とLINEで打ち合わせをしながらパートを割り振り、先ずはドラムが片付いたメインブースに3人横並びにマイクをセットし、先ほどのテイクを頭から流してその通りに録っていきました。その後一人ずつじっくりとダビングを重ねていき(途中Aメロパートでは二人で重ねるダブルを増やしたりもしながら)、最後にDIEちゃんの提案で感想部分に「ジャングルで聞こえてきそうな動物の鳴き声」のようなイメージで宙也さんと大さんがインプロビゼーションをやってくれてこの日のレコーディングは終了!
後日DIEちゃんが自宅でポストプロダクションで音を重ねてミックスに移行。ここではKoni-youngが48kHz/24bitデジタルの音を一度真空管を使ったアナログのシステムでぶっとい音に仕上げ、岡野さんがさらにそれに手を加えて出来上がったもの。是非大音量でこの迫力あるサウンドを体感してみて欲しいです!
【コメント紹介】
レコーディング当日にアンケートにご記入いただいたものから4人のコメントを紹介いたします。
GUITAR 本田毅さん (PERSONZ / Effectric Guitar)
昔、何回も対バンしました。同じギタリストとしてヒカルくんのギターはたくさん刺激を受けました。マユミ君、ハル君はプログレ好きという共通項で盛り上がりました。ISSAY君はいつも物静かにそんな俺らを見てました。
ISSAY君とは宙也君のイベントで一緒にやったのが最後になりましたが、久しぶりに会ってもかわらない雰囲気がとても嬉しかったのを覚えています。今回トリビュートに参加できてよかった。
横山"Keith"英規さん (Demi Semi Quaver / Rock'n roll Big Band The Thrill /エロヒム)
ISSAY氏とはご近所で、よく見かけて挨拶してたけどいつも隙なく「ちょっとコンビニまで」みたいな服装は見たことがなかったなあ。本当にしょっちゅう偶然会っていたので今でも信号待ちしている時とかふっと現れるような気がするのです。変な話、彼は死なないと思っていたところがあって、今でもまだ実感がないんです。
荒瀬大さん (dieS)
DER ZIBETとは2011年ごろからよく対バンさせていただいてまして、ISSAYさんの最後のステージとなった昨年7月の2マンLIVE、最後に一緒に歌った「マンモスの夜」で今回のアルバムに参加させていただき嬉しいです。REC時はISSAYさんのマイクスタンドと共に歌いました。一緒ですきっと。
湊雅史さん (ex. DEAD END)
久しぶりに会えたのになあ・・・
さびしいよ イッセイ君。