制作日記 vol.1 cali≠gari桜井青チームOnly "You"‥‥
vol. 14 2024-03-11 0
cali≠gari 桜井青 (arrange. & g.) & 石井秀仁 (vo.)、上領亘 (dr.)、中西智子 (b.)による「Only "You", Only "Love"」のレコーディングがスタート!
(メルマガの準備に土壇場で時間がかかってしまい、第一回はアップデートでの公開となります)
3月10日快晴の日曜の午後、都内某所にある岡野ハジメ氏のプライベートスタジオに集まったのは、元GRASS VALLEY、現NeoBalladの上領亘さん(ドラム)、from DER ZIBETの中西智子さん(ベース, SION'S SQUAD, ウルフルケイスケバンド)、そしてcali≠gariのギタリスト・桜井青さんの3名。
この日のレコーディングは1987年にリリースされたDER ZIBETの3rdアルバム『DER ZIBET』のリード曲だった「Only "You", Only "Love"」のドラムとベース。桜井青さんはこの曲のアレンジとギターを担当、この日は欠席でしたがcali≠gariの石井秀仁さんにボーカルを担当していただきます。
桜井青さんとDER ZIBETとの出会いは「実は3枚目はリアルタイムじゃなくて、4枚目の『GARDEN』なんですよ。高校生の頃、茨城の地元の友&愛(貸レコード店の全国チェーン大手だった)が初めて入れてくれたのが『GARDEN』だったんです。「地下室のファンタジー」が好きでライブでカバーしたこともあります。でも、(トリビュートアルバムで参加するには)ニッチなんで(笑)。「Blue Blue」も考えたんですが、他の方がやられると聞いて、それなら「Only "You" ...」かなと。」
最近ちょくちょくcali≠gariのサポートも務めているドラムの上領亘さんはGRASS VALLEYでデビュー、その後SOFT BALLETのライブも支えた名ドラマー。「デルジベットとはNHKオーディションが一緒だったんですよね~」と懐かしがり「ISSAYくんと一緒にやりたかったなぁ」と少し後悔の念も。当時を思い起こすとDER ZIBETのメンバーもGRASS VALLEYを少しライバル的に見ていたような気がします。とくに上領さんのパフォーマンスはドラマー界はもちろんのこと、音楽ファンの間でもその美意識あふれる精緻なドラミングが何かと話題でしたし、女性人気も高かった! MAYUMIと比べられる事も度々ありました。
そして、ベースの中西智子さんは再結成後のアレルギー(宙也さんを中心とする伝説的なバンド)にTOKIEさんの後を継ぐ形で加入されたベーシストでもあり、DER ZIBETとの共演を経て近年はfrom DER ZIBETとしてライブ活動を支えていただいたお一人です。また、桜井青さんとはヘクトウで一緒に活動されていました。今回のレコーディングでは、打ち合わせの際にふとしたタイミングで「今でもISSAYさんがいなくなったなんて、信じられないんですよね…」と口にされていました。「from DER ZIBETで弾かせていただいたことで、たくさんの刺激と愛をいただきました。大切な宝物です。とても感謝しています。」とのコメントも頂戴しました。
さてこの日のレコーディングは、エンジニアのkoni-youngにとって初めてのスタジオでしたが、予想以上に準備作業に時間がかかり、レコーディングは1時間以上押してのスタートとなりました。
岡野スタジオのドラムセット(TAMAスタークラシック/メイプル)+ 上領さん持参のスネアとシンバル類でドラムの音決めが終わると、コニヤンの隠し球的なフェニックスオーディオのDIをかませたベースの音がバッチリとドラムの音に馴染む。
そして青さんが用意したトラックに合わせて、1階ドラムブースの上領さんと2階のエンジニア席の後ろで弾く中西さんの録音がスタート!
とにかく勢いのあるこの曲、「Only "You", Only "Love"」、ベースの中西さんは椅子に座りながらもライブで弾いているかの如く身体を揺らし、頭も振りながらの熱演でした。残念ながら上領さんの様子はモニター画面越しでしか確認出来なかったものの、そのキレのあるプレイからは並々ならぬ気迫が伝わってきたのは言うまでもありません。
かくして、何テイクかを一緒に演ってあれよあれよとベースは終了。ドラムも程なく終了して、ほっと一息ついた頃には外は暗くなり始めていました。時間を忘れるとはまさにこの事です。
というわけで、こちらにご紹介したのはドラムブースで撮った岡野さん交えての集合写真。ちなみに、岡野さんはこの曲のオリジナルのプロデューサーでもあるんです。
この撮影のあと、上領さんは先に帰られましたが、残ったみんなでイトハル家特製のハンバーガーを岡野家の大きなテーブルで一緒に食べながら雑談。青さんのデザイナーとしての遍歴にはびっくり。僕も存じ上げるブックデザイナーの祖父江慎さんを熱く語られていて、本当にデザインが好きな方なんだとあらためて認識させられました。
「CDのデザインがやりたくてCD出しているようなものです」と、嘘かホントかわかりませんが、それくらいデザインやイメージ戦略を大切にしているcali≠gariというバンドの断片が知れてとても興味深くお話をうかがいました。
さて次回は明日12日のレコーディングについてお伝えします。このアルバムの中で最も参加メンバーの多いこのセッション、ふふふ。実はツインドラムなのですよ~。
どうぞ引き続きお楽しみに!
イトハル