決定と変化
vol. 17 2020-06-18 0
6/17集中稽古三日目、「シン・デレラ」二回目。
朝は「ゑゔゃ」の稽古。
衣装も段々と決まってきた。あまり、この方向性の衣装、というか作品も含めて作ってこなかったジャンルなので結構試行錯誤だが、進んできた。
俳優として、核をとらえたとまではいかないが、もう少しだ。
午後から「シン・デレラ」
美術が届いた。クールである。かっこいい。
後はこの美術で遊ぶだけ。ミザンスを決めていく段階に入った。
この一週間で詰め、来週の一週間でブラッシュアップとなるだろう。
◇
今日作品としての立ち上がりを感じた。
今日まで、通しなどもしていたが、立ち位置なども決めずにやっていた。転換部分は、作っていっていたが、それも仮のであり、決定ではなかった。
僕としては、俳優たちに「舞台上は精神的に自由な場所である」というのを知ってほしかったので、こういう作り方をした。ただ、決まらずに進んでいく、というのは大変だっただろう。
ここまでアイデアを出し続けてくれて本当に感謝である。
ここから、それをやめてもらうわけではないが、制限が出てくる。
美術に合わせて、上演のために、立ち位置決めを進めていくのである。
舞台美術とは、役が生きている場所である。そこが確定するのは、大きい。
美術さんも稽古をみて美術を作ってくださり、作風に沿ったものを出してくれた。
ゴリゴリ立ち上げるのみである。
◇
ブラッシュアップとか、立ち上げるという話とは全く別種の話だが。
「ゑゔゃ」の稽古内で、このタイミングで台詞が一つ、ふざけた変更をされた。劇中の人間関係を変えるレベルのことだった。
藤一色は演出と脚本がわかれている。
そして、以前にも書いたが、脚本の遠藤さんは、基本的に演出に対して、口を出さない。
演出である僕自身も、脚本はほぼ変えないように演出をしている。
基本台詞さえほぼ変えない藤一色において、設定を変えるレベルの台詞変更は、実はかなりレアなのだ。
ただ、その変更は、しなければならなかった。面白かったから。
他にも、「シン・デレラ」の稽古内で、「こんなセリフ言えば面白くね!?」とキャスト間で盛り上がった話題を脚本の遠藤さんが拾って、翌日、長台詞を書いてきて、それをグループlineにあげていた。
ただ、その長台詞を入れられる箇所がなく、いまのところ、日の目を見る機会はない。
そしてこのように、選択肢があった、またはあることが、僕は自由だと思う。
いついかなる時ももう一つの選択肢があり、どちらを選ぶかは、役にゆだねられる。
その連続が人生であり、それをそばで見続けることができるのも、演劇の一側面なのであろう。
◇
次の稽古に追われるのではなく、追い越す。
準備あるのみ。
焦るな。
自戒。
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劇団藤一色
加藤広祐