制作日誌について
vol. 6 2014-09-13 0
『BRIDES(仮)』制作部です。初期目標達成後もご支援が止むことなく、感謝の気持ちでいっぱいです。残り50日を切りました。引き続きよろしくお願いします。
さて今回は、ご支援いただいた方への日頃のご報告としてお送りしている制作日誌についてです。現在まさに進行している制作のさなかで、監督の濱口が出来事や思いを書き記している日々の記録ですが、ときには制作以外の状況も書かれています。少しでもこのプロジェクトに関心を持ってくださっている方へ、この映画が作られつつある過程や、濱口が日々映画と向き合っている姿勢が伝わればと思い、一部転載します。
9/7(日)
一日、有馬温泉付近での撮影。車内撮影から始まる。 このシーンに関して、演者全員の予定を事前に合わせられず、本読みに十分な時間を割けなかった ことが、結構ダイレクトに影響する。こうしたことで却って、この映画における本読みの重要さを 理解したりする。あるシーンが撮影の中で、最低でも一度は「うねり」を見せることがある。その とき、カメラが適切な場所に置かれているかどうかはほとんど運だ。そして、基本的には運は驚く ほどいい、とはよく感じる。しかし、果たして今日よかったのか、はたまたこれからもいいのか、 わからない。運頼みってわけにはいかない。メインキャスト4人が有馬の温泉街を歩くさまをひたすら撮る。有馬の街を、兎に角移動しながら 撮る。スタッフは時に走りながら。そうそう、こういうのを撮りたかったんだ!と密かに喜びを感 じる。ただ歩いたり、立っていてくれれば、もうそれで十分のような気がする。脚本は、人に立っ てもらったり、歩いてもらったりするための長い、長い言い訳という気がしなくもない。
この映画の行く末を見守ってくだされば幸いです。
『BRIDES(仮)』制作部