映画監督・濱口竜介さまより応援メッセージをいただきました!
vol. 3 2022-04-24 0
いつも応援ありがとうございます。HAAYMMです。
この度、プロジェクトページ内でHAAYMM代表・松下麻理が取り上げさせていただいている、映画監督の濱口竜介さまより応援メッセージをいただきました!
濱口さんのメッセージが、まさしく私たちのAiRKプロジェクトの血肉となっていくことを実感しています。皆様にもぜひ読んでいただければ嬉しいです。
引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします!
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Artist in Residence KOBEプロジェクトを応援しています。
私は紹介文にもあるように2013年から数年間にわたって、複数のスタッフとともに神戸市にデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のアーティスト・イン・レジデンス制度を使って長期滞在することで、映画『ハッピーアワー』を制作しました。
生活と制作が密接に結びついたこの時間は、自分の人生の中でもとりわけ豊かなものであったと感じています。そこに実際に生活することによって、地元の方々との交流が生まれ、結果として旅行者とも地元住民とも違う「長期滞在者」の目線とも言うべきものが養われました。『ハッピーアワー』に出てきたあの場所この場所は、私たちスタッフが実際に街に暮らして、歩いた場所です。実際に何度も往復したこと、長時間を過ごして、観察するともなく観察したことが作品の血肉になっていきました。そのことで『ハッピーアワー』は、神戸市を中心とした関西圏での生活に根ざした厚みを獲得することができたように思います。この映画制作に神戸市民の皆様から多大なご支援をいただけたことは、本当に幸運なことだったと改めて思い返されます。
ただ、そのような幸運が繰り返し起こるためには、細やかな支援の体制が必要になります。AiRKプロジェクトは私にとってそのために理想的なものに見えます。運営者HAAYMMの多様なメンバー構成を見れば、アーティストと地域住民その両方の思いを汲み取ってくれるであろう幅の広さを感じます。本プロジェクトがアーティストと地域をよりよく交流させる、互恵的なものになることを今から確信していますし、プロジェクトの成立と発展のために多くの支援を得られることを心より願っています。
濱口竜介
1978年神奈川県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され話題を呼ぶ。
その後は日韓共同制作『THE DEPTHS』(10)、東日本大震災の被害を受けた人々の「語り」をとらえた『なみのおと』、『なみのこえ』、東北地方の民話の記録『うたうひと』(11~13/共同監督:酒井耕)、4時間を超える虚構と現実が交錯する意欲作『親密さ』(12)などを監督。
15年、映像ワークショップに参加した演技経験のない4人の女性を主演に起用した5時間17分の長編『ハッピーアワー』が、ロカルノ、ナント、シンガポールほか国際映画祭で主要賞を受賞。
商業映画デビュー作『寝ても覚めても』(18)がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、共同脚本を手掛けた黒沢清監督作『スパイの妻〈劇場版〉』(20)ではヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝く。
『偶然と想像』は第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)受賞。
一足先に劇場公開された『ドライブ・マイ・カー』(21)では、第74回カンヌ国際映画祭にて脚本賞に加え、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も同時受賞。
第94回アカデミー賞で、日本映画13年ぶりの快挙となる国際長編映画賞を受賞。
今、世界から最も注目される映画作家の一人として躍進を続けている。