プロジェクトをブログやサイトで紹介
テキストエリアのコードをあなたのブログやサイトのHTMLに張り付けると、右にあるようなプロジェクトウィジェットが表示されます。
国内外のアーティストが滞在できるレジデンス「AiRK」の立ち上げをクラウドファンディングで実現!
様々なアーティストやクリエイターが集う文化の港として神戸を更に開いていく為、神戸市中央区の異人館街、北野に国内外のアーティストが滞在できる施設、Artist in Residence KOBE(AiRK)を始動させます。
テキストエリアのコードをあなたのブログやサイトのHTMLに張り付けると、右にあるようなプロジェクトウィジェットが表示されます。
神戸市出身の俳優・ダンサーの森山未來、テクニカル・ディレクター、アート・ディレクターの遠藤豊、神戸R不動産の小泉寛明、EAT LOCAL KOBEの活動を主導する小泉亜由美、神戸フィルムオフィス代表の松下麻理、デザイン・クリエイティブセンターの大泉愛子らによるコレクティブ。各メンバーの名前の頭文字からHAAYMM(ハイム)と命名。アーティスト・イン・レジデンスの運営を軸に、事業展開を行う。特別理事(アドバイザー)は、アートディレクターの芹沢高志氏。
様々なアーティストやクリエイターが集う文化の港として神戸を更に開いていく為、神戸市中央区の異人館街、北野に国内外のアーティストが滞在できる施設、Artist in Residence KOBE(AiRK)を始動させます。
はじめまして。HAAYMM(ハイム)と申します。私たちは、普段はそれぞれ異なる分野で神戸を拠点に、もしくは神戸と繋がりながら活動を行ってきましたが、とある出会いからこのチームを結成することになったのです。そして私たちHAAYMMは、神戸市の北野エリアにアーティスト・イン・レジデンスをオープンし、運営を始めることにしました。
以下、それぞれのメンバーがリレー形式でプロジェクトへの思いを綴っています。
少し長くなりますが、最後までお読みいただければ嬉しいです。
アーティスト・イン・レジデンス建物外観 ©︎野田亮
もくじ
・ プロジェクトのはじまり
・ 神戸に来た国内外のアーティストはどこに滞在する?
・ 神戸の中の特殊な場所、北野というエリアについて
・ AIRが文化・芸術にもたらすもの
・ AiRKがつなぐ、神戸とアートとわたし
・ これからの活動内容
・ 皆さまへのリターンについて
はじめまして。本プロジェクトメンバーの松下麻理です。私は神戸に映像作品を誘致し、撮影を支援する仕事をしています。2021年の夏、支援していた映画のロケで森山未來さんと出会い、ある相談を受けたことから、このプロジェクトがはじまりました。
それは「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で開催される10日間の合宿型プログラムのために、複数の参加者が滞在できるレジデンス(居住スペース)を探している」というものでした。参加者の方に神戸のまちを深く感じてもらえるようなレジデンスでの滞在を強く望まれ、さらにはそのプログラムのためだけでなく「今後、恒常的にアーティストを受け入れられる施設が神戸には必要」と熱く語られ、その熱意に背中を押されるように場所探しを始めたのです。
森山未來さんが参加したアーティストサポートプログラム
エラ・ホチルド×中野信子×森山未來『Dance of Death(仮称)』成果発表@KIITO
エラ・ホチルド×中野信子×森山未來『Dance of Death(仮称)』
ショーイングダイジェスト動画@KIITO ©松澤聰
その時、思い出したのは、映画監督の濱口竜介さん、野原位さん、脚本家の高橋知由さんがまだ駆け出しだった2013年から2014年にかけて、神戸に滞在して作品を制作しておられた事です。
濱口さんの才能を見出していた神戸のミニシアターの支配人やその周辺の人たちが支援の声をあげたこともあり、濱口さんたちは長田という街に移り住むことになりました。そして、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のアーティスト・イン・レジデンスプログラムの招聘作家として、映画の制作に向けてKIITOでワークショップを行い、同じ家に寝泊りしながら脚本を書き、映画『ハッピーアワー』をつくられたのです。
当時支援したほとんどの人が濱口さんのことも、どんな作品が出来上がるかも知らない中でしたが、制作の途中、長田のまちの人たちは、ロケ場所の提供をはじめとするロケ支援はもちろん、滞在場所の提供などの生活のサポートまでを行われました。中には「濱口さんの好物は唐揚げやから、よくごちそうしたわ」という人までいるほど、濱口さんの映画づくりに多くの神戸の人々が関わり、交流し、そこでかけがえのない時間を共有することになったのです。
映画『ハッピーアワー』には、神戸の様々な場所や人たちが印象的に登場し、神戸でなければ作られなかった作品となりました。その後、濱口さんは『ドライブ・マイ・カー』で第94回アカデミー賞国際長編映画賞に選ばれるなど、世界に大きく羽ばたくことに…
とはいえ、この時の滞在住居は市民の方の善意から提供されたものであり、恒常的に使用できる施設の必要性は痛感していました。私自身もこうした出来事に触れた経験から、森山さんからの相談話は、私が住む神戸という街にとって、とても重要で必要なことだと改めて感じたのです。
濱口さんのように創作活動をする人たち(以降アーティストと呼びます)が、一定期間ある土地に滞在し、日常とは異なる環境で作品制作やリサーチ活動を行うことをアーティスト・イン・レジデンス(以降AIRと呼びます)といい、国内外のいたるところで行われています。
運営母体は行政や民間企業、NPO、美術館など多岐に渡り、その目的や効果についても
・アーティストの支援や育成
・世界中から人を誘致することで国際交流を促す
・アーティストとその地域の人々を結ぶことで地方創生に繋げる
・文化をより豊かにしていく
など、複合的な要素が含まれます。「さまざまな文化施設が集まる神戸の中心部、しかも地域の魅力を味わえる場所に滞在することができれば、アーティストやクリエイターに神戸の奥深さをより体感してもらえて豊かな滞在制作になるのではないか。また神戸という街にとっても、より良い交流が生まれるのではないか」と森山さんは語りました。
AIRが存在することにより、その地域を包括したより複合的な交流が生まれます
そんな森山さんの考えに共感し、AIRの必要性に賛同する有志が集まり、このプロジェクトが動き始めます。デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で広報・企画事業部門のアート事業に携わる大泉愛子さん、神戸R不動産の代表であり、レジデンス施設となりうる物件探しを手伝っていた小泉寛明さん・亜由美さん夫婦、アートディレクター、テクニカルディレクターとして国内外で活動を展開されている遠藤豊さん、そして森山さんと私という、神戸という街を熟知し、様々な側面から活動を展開しているこのメンバーで、「HAAYMM(ハイム)」というチームを立ちあげることになりました。
運営を開始するレジデンス玄関前にて ©野田亮
私たちが活動をはじめた頃、ちょうど神戸市が文化芸術施策の目指す姿や基本的な方向性を示す中長期的な指針として「芸術文化推進ビジョン」というものを発表しました。そのビジョンの中には、以下のようなことが書かれてありました。
(1)子どもの頃からホンモノの文化芸術に触れる機会を増やし、次世代の文化芸術の担い手や支え手を育てます。
(2)若手アーティストやクリエイターが神戸で活動に没頭し、定住できる安定した創造環境を整備します。
(3)世界に神戸の文化芸術を発信できる若手アーティストやクリエイターの活動を支援します。
これらは、AIRの必要性について考えていた我々の考えや活動を後押ししてくれるような内容でした。神戸市が目指す文化芸術の未来と、私たちが立ちあげようとしているAIRは、親和性が非常に高いと思いました。
一方で、国内外に存在するAIRを比べてみても、施設を構築するための雛形のようなものがあるわけではなく、その地域やそこに根差す文化によって、有り様は多種多様です。
実際にやってみないとわからないことがたくさんあるので、まずは自分たちの手でスタートを切り、神戸でAIRを運営していくための課題と向き合いながら、徐々に流れや活動事例を蓄積していく。その後、神戸市の方々とも連携して、さらに発展させていきたいと考えています。
だからこそ、まずはその運営をスタートするための支援をみなさまにお願いしたいのです!
こんにちは。森山未來と申します。役者として映像に、そして身体表現を通してパフォーミングアーツ(舞台芸術)に関わるものです。ここでは「なぜアーティストにとってAIRが重要なのか」を説明させていただこうと思います。
個人的な話をさせていただくと、コロナ禍に入る以前は年間のほぼ半分を海外で過ごしていました。その内容はというと、半分は日本や海外で制作されたダンスパフォーマンスのツアー、そしてもう半分、それこそが海外の様々な場所でのAIRでした。ノルウェー北部の雪山に囲まれた施設、パリの元刑務所をリノベーションした芸術施設、デモの渦中にあった香港のダンスセンターなど。
ノルウェー北部でのレジデンス風景『SONAR』より
日本における舞台作品の制作方法は、本番前の1、2ヶ月を稽古期間として押さえ、本番に向けて集中的にリハーサルを行うというものが主流です。海外においてもそういったスケジュールで動くものもありますが、アーティストが生活拠点から離れた場所に滞在し、2、3週間のAIRを1、2年ほどの期間の中で数回行い、やがて本番を迎える、という流れが多いと認識しています。
そういったプロセスが好まれる理由は様々あると思いますが、自身の体験談として話させていただくと…
香港でのレジデンス風景『素晴らしい偶然を散らして』より
新しい作品の構想を練るときには、漠然とコンセプトやイメージは頭の中に浮かんではいても、具体的に何を作りたいかが「わからない」場合が多いです。ただ合理的にものを作っていくのではなく、オープンマインドにしておくことで様々なアイデアを柔軟に取り込み、作品をより豊かにしていきたい。そのために、あえて余白を作るという意味で「わからない」状態から始める、とも言えます。そこにAIRの必要性があると思っています。
パリでのレジデンス後のパフォーマンス『Is it worth to save us?』より
日常生活の些末なルーティーンから離れて見知らぬ場所に滞在することにより、一時的にそのアーティストは異邦人になります。そういった環境に身を置くことにより、自身が何を作りたいのかを見つめるための内省的な時間を過ごすことができます。必然的に異文化に触れることになり、眼に映る全ては鮮やかで、そこでの発見が創作へのインスピレーションに繋がります。
同時に、自身の文化やルーツと比較し客観的に捉え、より深く考察することで、結果として作品の強度が増していくことになります。そしてAIRというのはアーティストたちが集まるコミュニティーとしても存在します。共有スペースであるリビングやキッチンで国やジャンルの違うアーティストたちと交流することにより、刺激が生まれ、新しいアイデアが立ち上がることもある…。
僕自身、風の流れに身を委ねるように国内外を旅して、道中での出逢いから作品が生まれ、また旅を続ける。そんな生き方をしてきたように思います。六甲山と大阪湾の陸海風、播磨と摂津に流れる季節風、そして世界中から神戸港に流れ込む多種多様な文化の風。出身地だからということではなく、神戸という街は僕にとって相性が良い場所なのだと気づいた瞬間がありました。風の街であり、文化のるつぼである北野にAIRができるということはアーティストにとって、そして僕にとっても、とても意味のあることだと考えています。
メンバーの大泉愛子です。三宮にある神戸市の文化施設、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で広報、企画事業の仕事をしています。私のターンでは、これまでに携わった仕事を通して感じた、活動を開く場の重要性ついてお話しできればと思います。
提供:デザイン・クリエイティブセンター神戸 ©伊藤俊介
神戸には、博物館や美術館のほか、
神戸アートビレッジセンター(KAVC)やKIITOといった複合文化施設、NPO法人Dance Box、C.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)などの活動団体、アートギャラリーが多く存在します。そして、その活動の中では、国内外のアーティストを招聘し作品制作を行う企画やプロジェクトが行われています。
私が現在勤めるKIITOでは、アーティストの視点で、新たな神戸の発見や再解釈を行い、作品として可視化することをコンセプトとしたアーティスト・イン・レジデンスプログラムを実施しています。これまでに、映画監督の濱口竜介さん、写真家の長島有里枝さん、美術家の西尾美也さんなど、様々なアーティスト、クリエイターへKIITOのスペースをスタジオとして提供し、滞在制作を行っていただいていました。近年は、ダンサー、ファッションデザイナー、ミュージシャンなどが参加するダンスプロジェクトなど、パフォーミングアーツの分野で活動するアーティストを招聘していました。
しかし、KIITOの中には活動・発表の場所はあるものの、滞在施設がないため、プログラムを実施する際には滞在する場所が必ず必要になります。また、複数のアーティストが滞在する場合は、滞在先でのコミュニケーションや対話も重要です。しかしながらKIITOの周辺にはそのような環境を備えた滞在施設が無く、また、予算面もひとつの課題となっていました。
神戸の中で滞在できる場所を探してみました。神戸市9区の中にはさまざまなAIRや滞在施設が存在しています。しかし、神戸市の中心である中央区には、公式に活動しているAIRは現時点では存在していませんでした。
AIRの役割を考えた時、そこには、施設の活動、アーティストの活動を開き、交流や出会いを生み出すという役割があると考えています。また、有意義な滞在制作を行ってもらえるよう、まちや人とのコミュニケーションの機会を提供することもとても重要だと考えます。
もし、施設がアーティストにとっての第一の場所、滞在先はアーティストにとって第二の場所とするならば、創作や思索のための場所が滞在するまちに複数あれば、その行動範囲やリサーチ範囲は変わってくることでしょう。そして、そのような施設以外の第二の場所としてAIRが加わることによって、コミュニケーションのフィールドが広がるのではないでしょうか。
文化は人から人に伝わるものです。その昔、海を超えて北野を訪れた異国の人たちは様々な文化を日本に持ち込み、ここに暮らしていた人たちは自分たちの暮らしに寄り添わせる形でそれらを取り入れていきました。さらには非公式な形でそれが人から人へと広まり、日本全国へも外国の文化がもたらされていきました。
神戸市の中心である神戸市中央区、そして多くの文化人が通過して行った北野エリアに、分野を超えて、新しい視点や思考を持つ方々に滞在場所を提供することはとても重要であり、神戸の文化施設にとっても非常に有用だと考えています。
ここからは神戸R不動産の小泉寛明が話します。 なんとなく引越しが好きで、いままで国内外40回ぐらい引越しを繰り返してきたのですが、約15年前に北野が気に入って移り住み、12年前から会社の拠点も構えています(北野にきてから引越し癖は落ち着いたものの、それでも北野内で5回引越ししています...)。
北方に山があって太陽の反射光や六甲おろしが気持ちいい。
僕が北野を推す理由としては言葉ではなかなか伝えにくいのですが、あえて言葉にすると「風と光」とその「環境の特殊性」です。 北野に来て初めて住んだマンションは、インド人がオーナーの「外国人マンション」でした。かなり急な坂の上で、神戸の中心部三宮や新神戸駅から徒歩10分強という街なかの立地にありながら、裏山からの六甲おろしで、いつも山のフレッシュな空気が吹き込み、南には海と神戸の街を望みつつ、山からはやさしい太陽の反射光の差し込みが、とても心地良いのです。
一般的な北野エリアのイメージは、異人館のある観光地。ですが、観光地の裏に入れば、今も多くの人がこの環境を気に入り住む住宅地です。もともと、外国人が古くから不動産を持っていたエリアだったこともあり、今でも多くの方が物件を所有しています。その理由の一つが、日本の寺社仏閣はもちろんイスラム教のモスク、ユダヤ教のシナゴーグ、インドのジャイナ教の寺院、中国の関帝廟、キリスト教の各種教会、などの施設が密集していること。僕が過去に住んだ5つの物件のオーナーも、すべて外国人でした。そんなことから、北野エリアには僕みたいな海外在住経験者や個人事業主が多く住んでいるという印象です。
写真左:今も残る北野の路地。右:現在の風見鶏の館前。今でも多くの住民が住んでいるエリアです。
どちらも昭和40年代の写真 ©神戸アーカイブ写真館
実はかねてから、この地の「風と光」とその「環境の特殊性」、つまり観光地の北野ではないこの特殊な住環境こそ、神戸の外の人が神戸に来たら体感してほしい、そんなふうに考えていました。
そんな中、HAAYMMのメンバーと出会ったのが北野にあるヴィンテージマンションでした。
3階建ての建物ですが、そのうち2階と3階をお借りすることに。©︎野田亮
建物は3階建て。ワンフロアに一つの住宅、トイレ付きの広いバスルーム、高い天井、昭和30年代に作られた建具、広いキッチンやメイドさん用の部屋など。外国人が住むために作られたつくりです。すぐ近くに神戸倶楽部という外国人クラブがあり、この家に住んでいる人は水着姿のまま、そのクラブのプールにはいりにいっていたそうです。高台に建つので南側にも東側にも景色が抜け、北には六甲山の緑、南には街が見えるのが特徴です。
その昔はナニーズルーム(女中部屋)として使われていた部屋の一部はキッチンとして現在使われています。
広いバストイレ一体の部屋もあります。
坂の上にあるこのマンションは、北には山、南には街越しに海が見える神戸らしいロケーションです。私たちがめざす姿に向かって行けると確信できる場所に出会い、この物件をお借りし、森山さんの命名でArtist in Residence Kobe(AiRK)と名付けることにしたわけです。
ルフトツークの遠藤豊と申します。アートや建築、地域創生のための活動を中心にアートディレクション・テクニカルディレクション・プロデュースを生業としながら様々な活動に参加しています。普段からアーティスト・建築家・料理人・オーガナイザーほか様々なジャンルのクロスプラットフォームなクリエーションの現場に携わることが多いため、国や場所を越えて直接「赴く」こと、人と「会う」ことがとても大切なクリエーションプロセスであると感じながら活動しています。 本プロジェクトに関わることになったのは、KIITOにおける滞在制作や森山さんとの作品制作プロセスによって訪れた神戸の地との出会いがきっかけでした。
遠藤豊さんが参加したXhiasma Project#002『transient X』滞在制作の様子@KIITO
一例としてオランダのテルシュヘリングという小さな島では、通常5000人弱の人口の島にフェスティバル時には5万人を超える来場者とアーティストが訪れます。
ここでは島外れの一軒のログハウスに16名ほどのアーティストが滞在し、寝食を共にしながら野外公演の作品を制作しました。
商業施設もまばらなため、自転車で6km先のスーパーへ買い出しに行かなくてはならず、延々と続く平地や波のないワッデン海の平坦な地平線を臨みながら放し飼いの羊を横目に自然のエネルギーと厳しさを感じ、薪を割り暖炉に火を焚べ、パフォーマンスの会場となる広場の羊たちの糞の処理をし、風向きや風速を測定しながらの制作プロセスは、まさに生きるということ。 フェスティバル側は発表の場だけではなく、それを生み出すための「時間」や「環境」を提供しているのです。
向井山朋子『GAKA』制作風景@Terschelling,The Netherlands
そこに集う人々との何気ない会話から質素な日常を垣間見つつ、そのプロセスを通じて生まれたものに身を委ねることで、素晴らしい作品になりました。そして島全体がこのようなフェスティバルを受け入れ、街、浜辺、森の中、様々な場所を表現の場として開放することが、島の経済活動や感覚の交流につながっていると肌身をもって感じました。
向井山朋子『GAKA』本番風景@Terschelling,The Netherlands
教育や習慣、日差しや気候の違う人々やそういった環境に出会うことで、私たちは様々な発見を繰り返し、アイデアを創造してゆくヒントを日常の中に見つけることが出来ます。
AIRがもたらす効能として、アーティスト自身の創造活動に大きく影響があると同時に、その地域に訪れる異物が起こす化学変化が、人々の中にある潜在的な文化・芸術の理解及び支援に繋がってゆくのではないでしょうか。
豊かであることをより根源的な身体的経験に取り戻すという意味でも、滞在型の制作環境を受け入れることが出来る地域とのつながりは、アーティストにとっても、そこに暮らす人々、次代を担う人々にとっても有用であり、また実験や発見の場になると考えます。
神戸にも豊かな農水産業があることを伝える"EAT LOCAL KOBE"という活動に取り組む、小泉亜由美です。毎週土曜の朝に神戸のいろんな街角で農家さんや漁師さんに出会えるFARMERS MARKETを開催しながら、毎日ローカルの美味しさに出会えるFARMSTANDという小さなお店を北野に構え、夫婦で北野に暮らしています。
FARMERS MARKETは市内の様々な場所で年間40回以上開催されている。
こちらは旧居留地の美しい並木道にて。共催:神戸市 ©︎岩本順平
今回の舞台となる北野で営み、暮らしていることから、アーティストと地域の暮らしをつなぐお手伝いがしたいと思い、畑違いではありますがプロジェクトに参加しました。わたしは「アーティスト・イン・レジデンスが地域にもたらすもの」に興味があります。
コロナ禍を過ごし少なからずも何らかの分断と閉じこもりを経験した私たちが、萎縮し閉塞感に包まれた日常を再稼働させようとするとき、このレジデンスにやってくるアーティストという来訪者が、まちに風を吹かせ、新たな種を落としてくれるのではないかと期待するからです。
とはいえ、わたし自身は畑違いのこのプロジェクトにどう関わればいいのか悩んでいました。そんなとき未來さんが「コミュニティ・アートって知ってる?」とヒントをくれました。私なりに調べてみると、そのなかではアートが「鑑賞」という受け身のものではなく、だれもが「参加」できるものとされています。もしコミュニティ・アートがレジデンスと共存するもので、訪れたアーティストと地域住民の間で自然と呼応し生まれるものだとしたら、多文化と共生し進取の気風をもつ神戸っことアーティストはとても相性のいい関係ではないかと、わたしはAiRKが楽しみになりました。そしてAiRKへの関わり方が少し見えたような気がしています。
いまあるローカルの材料だけで焚火料理をする、旅する料理人・三上奈緒さんを迎えて。六甲山の木で鹿や魚、野菜を丸ごと焼き、生産者も共に火を囲みながら食の根源を共有する。食もアートだ!©︎片岡杏子
「アートってどんなものなのかわからない」「アーティストがやってくることの効果を具体的に想像できない」そんなひとにも親しみを持ってもらえる活動になればいいなと思っています。またアーティストのためだけに存在するのでなく「地域とアートとわたし」が寄り添うような場所でありたいです。そのためにも、神戸の農漁業を含む本質的な豊かさや多文化が織りなす暮らしと、AiRKに関わるひとをつなぎたい。AiRKが育む交流が、平和への小さな種になりますようにという願いをこめて。
物件はすでに2フロアを借り少しずつメンテナンスを始めています。家具や備品は自分たちで手に入るものを集めつつ、どうしても購入しないといけないものだけ最低限購入していきます。壁面の塗装作業などはメンバーや協力者の皆さんの力を借りながら、手作業でも準備し、滞在場所としての環境を整えていきます。
すでに、メンバーや協力者で壁塗り作業をはじめています。©︎久保陽香
このクラウドファンディングを始める4月15日から施設は実験的に稼働を始めます。
1年目は神戸市内に多数存在する文化施設と提携し、滞在制作を行うアーティストを誘致、試行錯誤しながらこの場所を温めていきます。すでに滞在が決定しているアーティストの方々もいますので、これから順次ご紹介させていただこうと思っています。同時に、様々なアーティストやクリエイターの方々にAiRKの存在を知っていただけるよう、神戸市内の文化施設、大学や各国の領事館の文化担当の方々などと関係づくりを行っていき、将来的には国内外からのアーティストの受け入れや、運営メンバーによるアーティストの選定、年間のプログラム作成、地域交流としてこの活動に興味を持って下さる神戸市民の方々にも関わっていただけるプログラムの実施などを目指していきます。
アーティストにはより豊かで集中できる滞在制作を行ってもらうため、滞在場所を無償で提供することを理想としています。そのために必要となる初期費用と物件の賃料の一部をクラウドファンディングで集め、運転資金は出資者からの寄付金で補う予定です。
(※)1年間の必要経費(概算)
初期費用 1,500,000円
(物件の初期費用と家具備品購入費、壁面塗装作業などのメンテナンス)
物件の賃料 3,500,000円(1年目の賃料)
運転資金 2,000,000円
計7,000,000円
こうした活動をスタートするために、まずは350万円というゴールを設定しました。必要なすべてをクラウドファンディングに頼ろうというものではありません。1年目には、約700万円程度の必要コストがかかると想定していまして、内外からの出資も予定しています。来年度以降は、国や神戸市の助成金制度を利用し官民一体となった持続可能な運営の形を作っていきたいと考えています。このプロジェクトを丁寧に離陸させるための輪に入っていただける方と出逢えますように!
今回はプロダクションファンディング(All in)での挑戦となります。すでに物件契約は終え、AiRKの運営は始まっておりますので、目標金額未達成となった場合でも資金は大切に運営資金として使わせていただき、必ずリターンの履行は実施いたします。
※状況によって、スケジュールはやむを得ず前後する可能性がございます。その場合は、支援していただいたみなさまにはメールにてご報告いたします。
私たちは、ご支援いただける方々をサポーターと考え、この活動に賛同し、長く寄り添う「仲間」になっていただける方々、見守っていただける方々に出会えることを願っています。そのためこのクラウドファンディングへのリターンは、物ではなく、私たちの活動にご参加いただける機会を作っていくことにしたいと考えています。
〈 リターン内容のご紹介 〉
・お礼メッセージ(メール)
感謝の気持ちをメンバーより込めて、AiRKのこれからについての意気込みと感謝のメールをお送りします
・
お礼メッセージ(動画)
感謝の気持ちをメンバーより込めて、AiRKのこれからについての意気込みと感謝の動画をお送りします。
・
1年間の活動報告
準備段階のこと、滞在アーティストのこと、メンバーによる活動記録をお送りします。
・
定期的な活動報告
メーリングリストにて、AiRKの活動をお届けします。
・
オリジナルロゴTシャツのプレゼント
プロジェクトをご一緒するという意味を込めて、AiRKロゴ入りTシャツをお送りします。
・お礼メッセージ(動画)へのお名前掲載〈希望者のみ〉
・
施設へお名前掲載
〈希望者のみ〉
レジデンス施設内にご支援いただきました皆さまのお名前を掲載させて頂きます。プロジェクト参加メンバーの輪に入って頂けると嬉しいです。
・
見学会へのご招待
どんな立地?どんな建物、内装なのか。現地を見てみる機会、そして一部メンバーによる案内での現地見学会へご招待させて頂きます(日程はこちらで指定した日になります)。
※終了後、見学可能な候補日をメールにてご連絡いたします。
・
メンバーによるガイドツアー
HAAYMMのメンバーはそれぞれ多様な活動を行っています。それぞれの得意分野を生かしたツアーをさせて頂きます。
例)
ー 神戸R不動産・小泉寛明による北野のローカルエコノミー活動紹介ツアー
ー 小泉亜由美によるEAT LOCAL!神戸グルメツアー
ー 大泉愛子による神戸の文化施設を巡るアートツアー
ー アートディレクター遠藤豊による自社レジデンスの見学会
ー 神戸フィルムオフィス代表松下麻理による神戸・映画ロケ地ツアー
※終了3ヶ月後を目処に開催予定です。実施日が決定次第、日程および出欠確認のご連絡をさせていただきます。
・
森山未來氏による滞在日誌のお届け&クリエーションへの参加権
森山未來がAiRKに滞在した際に感じたこと、考えたことを綴った日誌をお送りするほか、森山氏のクリエーション見学、ワークショップ、ワーク・イン・プログレス(成果発表)へご招待いたします。
※2022年度内に開催予定です。実施日が決定次第、日程および出欠確認のご連絡をさせていただきます。
・ レセプションパーティーへのご招待
メンバーそれぞれが参加動機や抱負について語り合う説明会と小さなパーティーにご招待させて頂きます。場所はAiRK現地を予定しています。
※終了2ヶ月後を目処に開催予定です。実施日が決定次第、日程および出欠確認のご連絡をさせていただきます。
ご注意事項
※見学会、ガイドツアー、レセプションパーティー、森山未來氏による滞在日誌のお届け&クリエーションへの参加権につきましては、詳細な日程はクラウドファンディング終了後、支援者様へご連絡いたします。尚、現地までの交通費は別途ご負担いただけますようお願いいたします。
※ご支援の金額は以下の通り設定しております。
1500円/3000円/5000円/1万円/1万5000円/3万円/5万円/8万円/10万円/15万円/25万円/30万円
「リターン」を選択した後に、ご自身で好きな金額に上乗せすることも可能です。「リターン」は要らないけれど、活動を応援したい!仲間になってみたい!と思っていただいた方には、シンプルに応援コースを設定しています。
みなさんよろしくお願いします!©︎野田亮
このたびは、私たちのプロジェクト『神戸中心部の山麓異人館街・北野に国内外のアーティストが滞在できるレジデンスをつくりたい』に関心をお寄せいただき、ここまで読んでいただきありがとうございます。
表現を行うアーティストも、そこに関わる人も、また、その周辺に住まう人々も、レジデンスという場所があることによって緩やかにつながっていく。
そのような豊かなサイクルを回してく場所をつくりたいと私たちは考えています。
少しでもご興味を持っていただける方、私たちの考えに共感いただける方、応援いただける方と一緒にレジデンスを創り上げたいと思っています。ぜひ一緒に活動に参加してみませんか?
このプロジェクトを通して沢山の方々と出会えることを願っています。
ずっと街とアートに関わる仕事をしてきましたが、その経験を通して、派手な要素はないけれど、アーティスト・イン・レジデンスという仕組みこそが、長い目で見れば、最も効果的ではないのかと思ってきました。たとえ短期間であっても、実際にその場を生きる、生活をするということが、アーティストにとっても街にとっても、かけがえのない経験を生み出していくからです。しかもそれが今、神戸、中央区異人街・北野に生まれようとしている。
神戸は私がこよなく愛する街。外に開けた歴史を持つ港です。神戸はその港性を絶対に失ってはなりません。だからこそ、私はAiRKのプロジェクトを心の底から応援していきます。
特別理事:芹沢高志(アートディレクター、P3 art and environment 統括ディレクター)
H 小泉寛明
兵庫県生まれ。カリフォルニア大学アーバイン校ソーシャルエコロジー学部都市計画修士卒。大手及びベンチャー不動産デベロッパーでの経験を経て、2010年「自転車10分圏内のエリアディベロプメント」を志向し神戸にて有限会社Lusieをスタート。神戸R不動産やEAT LOCAL KOBE、real local 神戸などのメディア事業、KITANOMAD、ROKKONOMADなどのコミュニティー施設運営、FARMSTAND・マイクロファーマーズスクール、平野コープ農園などの農業関連事業に取り組む。
A 小泉亜由美
一般社団法人KOBE FARMERS MARKET理事、有限会社Lusie 広報。神戸の農水産業を発信しながら地産地消を推進するEAT LOCAL KOBEを運営。土曜の朝に開催されるFARMERS MARKETや、そのリアルショップFARMSTAND、ワークショップやツアー、スクールなどを通じて農水産業を身近にし、分業化された食を繋ぐ活動を行う。
A 大泉愛子
せんだいメディアテーク、shin-bi(京都精華大学学外施設)、神戸アートビレッジセンターを経て、2019年よりデザイン・クリエイティブセンター神戸にて企画事業、広報を担当。企画者、メディア、地域社会、ユーザーなどとの双方向コミュニケーションを図るハブとしての広報を目指し活動する。個人活動として「ART CAMP TANGO」、「アッセンブリッジ・ナゴヤ」など芸術祭の広報にも関わる。
Y 遠藤豊(有限会社ルフトツーク代表)
アートディレクター/テクニカルディレクター/プロデューサー舞台芸術から派生し、音楽、映像、デザイン、テクノロジーほか領域を問わず関係性を構築する。2005年有限会社ルフトツークを東京に、2012年LUFTZUG EUROPE、2019年Lugtjeをアムステルダムに設立。暖味なメディアの媒介として役割を確立しようと活動を広める。人と感覚の交流、感覚の遍在化を目指し国内外で積極的に活動。2020年nanzo inc.設立、共同代表として「などや」プロジェクトを開始、2021年NPO法人すてきなまち・赤岡プロジェクト理事に就任する。
M 松下麻理
神戸フィルムオフィス代表。神戸市内のホテルでの勤務を経て、2010年に神戸市が初めて公募した神戸市広報専門官に就任。2013年からは広報官として神戸市の広報を担う。2015年からは神戸フィルムオフィスにて、映像作品の誘致やロケ支援を通じて、神戸の魅力発信を行っている。
©Takeshi Miyamoto
M 森山未來
兵庫県出身。5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年には文化庁文化交流使として、イスラエルに1年間滞在、Inbal Pinto&Avshalom Pollak Dance Companyを拠点にヨーロッパ諸国にて活動。カテゴリーに縛られない表現者として活躍。
第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。映画「アンダードッグ 」で第75回毎日映画コンクール男優主演賞、第94回キネマ旬報主演男優賞を受賞。監督作品「in-side-out」が”SSFF & アジア 2021”でコンペティション作品にノミネート。2021年3月11日に京都・清水寺で行われたパフォーマンス「Re:Incarnation」の総合演出を務め、6月には岡田利規 作・演出「未練の幽霊と怪物」に出演。2020東京オリンピック開会式では鎮魂の舞を踊った。ポスト舞踏派。
1500 円
3000 円
5000 円
10000 円
15000 円
残り20枚
30000 円
残り16枚
50000 円
50000 円
残り20枚
80000 円
残り22枚
100000 円
100000 円
残り18枚
150000 円
150000 円
250000 円
残り18枚
300000 円