中銀カプセルタワービルのカプセル内部も3次元で保存!
vol. 3 2022-07-19 0
解体工事が進んでいる『中銀カプセルタワービル』ですが、3Dデジタルアーカイブプロジェクトでは、建物の外観だけでなく内部空間も解体着工前に3次元計測を行っています。
状態の良いカプセル内部をはじめ、1階のロビーや階段共用部、地下室、塔屋、2階オフィスも3次元で計測しました。
現在は、レーザースキャナによる3次元の測量データと、一眼レフカメラで撮影した膨大な枚数の写真を組み合わせ、内部のデータ生成を進めています。
3次元計測の様子。(1階ロビー)
建物の外と中をレーザースキャナで計測。外観のデータと内部のデータを合成することで3Dデータが出来上がります。
一眼レフカメラによって、素材や質感も記録しています。
◆3Dデータ化されたカプセル
状態の良い一部のカプセルは内部も3次元で計測。約10平米ほどの非常にコンパクトな空間のため、死角がないようにレーザースキャナの配置を工夫しながら計測を行いました。特にユニットバスは、スキャナが置けるスペースが限られている上に反射する材質のため、高さを変えたり試行錯誤しながら形状データを取得しました。
取得した3Dデータは平面や断面にしたり、あらゆる角度から見ることができます。
幅2.5m×奥行き4.0mの約5.5畳の大きさのカプセルに、家具や収納、電話やテレビ、オープンリールデッキ、そしてユニットバストイレがコンパクトに収まっています。
◆写真によって素材や経年変化も記録
形状を正確に記録できるレーザースキャナに加えて、素材や経年変化などカプセルの内部の佇まいを記録するためフォトグラメトリによる記録も実施。少しずつ角度や位置を変えながら隣り合う写真と写真がオーバーラップするように撮影を行なっています。撮影枚数の多い部屋では1カプセルあたり1,000枚以上の写真を撮っているカプセルもあります。
隣り合う写真がオーバーラップするように、位置や角度を少しずつ変えながら写真を撮影。撮影した画像から立体の3Dモデルを生成します。
制作途中のカプセルの3Dモデル。2008年に公開されたオムニバス映画『TOKYO!』の撮影でも使われた部屋です。
制作途中のカプセルの3Dモデル。住民によって改修された箇所などもありのままに記録。
◆中銀カプセルタワービルAR
ビルの外観は、先行公開した『中銀カプセルタワービルAR』で見ることができます。スマートフォンやタブレットで建物の姿を表示することができますので、カプセルの内部を想像しながら是非観察してみて下さい。
中銀カプセルタワービルARはこちら
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クラウドファンディングの期間も残り短くなってきましたが、プロジェクトチームでは膨大な量のデータの解析と生成を進めており、日々制作に取り組んでいます。
新たなコンテンツも近日公開予定ですので、どうぞお楽しみに!
引き続き、活動へのご支援・応援をどうぞよろしくお願いいたします。