仮想定規

仮に生きているこの世界に「仮想子供」として生まれ「仮想遊び」にあけくれ
「仮想家族」をこしらえ「仮想仕事」にうちこみ、いずれ「仮想死」するおのれの「仮想生」。
そのかけがえのない「それぞれの生」がぽっかりと紺碧の空間に漂っている―
その形状が幼少期の自分にはまるで「たくさんの定規」にみえた。

青木砂織