映画「YUKIGUNI」について
vol. 1 2018-03-02 0
映画「YUKIGUNI」の撮影が始まったのが2015年の11月からでした。軽妙洒脱な井山さんの話と、カクテルメイキング、とても90歳(撮影当時)の姿とは思えない立ち振る舞いに感動しました。
当初はバーテンダーの重鎮のインタビューを何人も収録するという物語設定から、生涯現役で働き続ける井山さんの魅力と、その人柄に集まる常連客の魅力、家族や親しい人々の人間関係にフォーカスするドキュメンタリーとして撮影が進みました。
この映画は、超高齢化社会の中で、生涯現役で働きながら、そして生きがいを持って生きることの尊さを描いています。会社勤めが当たりまの現代、労働と生活ということが分けて話されることが多い昨今ですが、かつては日本人は仕事と人生は切っても切り離されない時代がつい最近までありました。
井山さんにとっては30種類の職を転々とした後に、出会ったバーテンダーという職業はまさに天職でした。そしてその、仕事に付き添ってきた最愛の奥様、キミ子さんが亡くなり、侘しさ、寂しさを抱えながらも、BARに立ち続け、そしてBARに集うお客さんとの会話を楽しみ、その時間に生かされ、癒される井山さん。
その井山さんを慕う人々が集う場所に、流れる時間はとてもかけがえのない時間です。全国で老舗のBARが次々と閉店する時代の中で、今回の映画を上映していくことで、改めてBARの社交場としての魅力、そしてカクテルの魅力をこの映画でお届けしたいと思います。
監督:渡辺智史
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