終戦から80年、2025年。
戦後混乱期 横須賀の映画「Yokosuka1953」の本を出版したい。 　

みなさんのおかげで、クラウドファンディングの方、本日現在で、102%になりました。

ありがとうございます。航空券、宿泊費用が高騰している中、なんとかアメリカにバーバラさんとバーバラさんの家族に会いに行けることになりました。ありがとうございます。2月10日に日本を発ちます。6年ぶりに会えること、嬉しさと同時に不安もあります。映画にしてきたこと、本にしようとしていること、どちらもバーバラさんには伝えていますが、これは彼女にとって本当に喜ばしいことなのか、いまさらですが、不安になっています。そして、なぜ、私は横須賀一九五三を書こうとしているのか。それも彼女と話して考えたいと思っています。

2018年8月4日。以下のようなメールが私の元に届きました。

Hello! My name is Shana Mountcastle and I’m looking for relatives in Japan or that have moved to the USA. My mother was adopted from japan by Americans in 1953, and her last name was Kigawa, first name Yoko. Her mother was Nobuko Kigawa. I’m currently trying to find out the name of her grandparents, but I believe her grandfather’s name was Hiro. If you have any information or leads, I would greatly appreciate the help. Thank you!

こんにちは。私の名前はシャーナ・マウントキャッスルです。私は日本にいる親戚、もしくはアメリカに移住した私たちの親戚を探しています。私の母は1953年にアメリカ人に養子として引き取られました。母の旧姓は「きががわ」で、名前は「ようこ」です。母の母親の名前は「きがわのぶこ」でした。現在、母の祖父母の名前を調べている最中ですが、祖父の名前は「ひろ」だったのではないかと思っています。何か情報や手がかりがあれば、ぜひ教えていただけると助かります。ありがとうございます。

ここからこの物語は始まりました。そして、そのあと、シャーナとのやりとりの中で届いたのが、次の写真でした。

アメリカン・ショール・グリニック派宣教師、長谷川太郎さん(27)と夫人のメリー・長谷川さん(27)が「家族の反対や、母親の無理解から入籍されずにいる混血児を養護したい」と葉山町一色932の荒れはてた別荘を買取ってはじめた幸保愛児園は、夫妻の愛の努力がむくいられ、二十日に県から混血児養護施設として許可があった。新婚の二人は昨年十一月、日本人が南方に残してきた混血児を救護する目的で別荘を買ったが、横須賀には二百人以上の無籍の混血児がおり、ほとんどが母親と一緒に夜の女のハウスに育てられているのを聞いて、日本の現状を救うことが先決問題だとして計画を変更。二人は宣教師としての月給約四万円とアメリカからの少しの援助を元に、街に出てはあわれな混血児を探し回り、母親が更生するというのを条件に、すでに九人を引取り養護している。 一方、この二人の熱心な行為に動かされた、米軍武山部隊戦車大隊の将兵八百名は毎月一人一ドルずつを集めて援助金として贈ってくれるので、荒れはてた家も立派に補修され、敷地の二百五十一坪もこのほど買収することが出来た。またこの明るい話は部隊から部隊へと知れ渡り、三十五人の米兵から養子として育てたいと申し込まれているが、夫妻は「子供の入籍が許されてから良い両親を探します」といい、すでに入籍された木川洋子ちゃん（五才）だけが武山部隊のルーベン・ドナルド・シネックス中尉(34)夫妻の養女として許されたので、ルーベン中尉の出身地である米国オレゴン州ポートランド市へ渡ることになった。」長谷川夫妻の話「夜の女のハウスにいる混血児のほとんどは三度の食事も定まった時間に与えられず、入籍されておらず、日陰者として扱われているが、すくなくとも入籍だけはさせてやりたいが、捨子ではないのでむずかしく児童福祉関係者の真からの協力がほしい。
（朝日新聞第二神奈川版1953年7月23日）

いろいろとありますが、この記事にすべてのことが書かれていたように思います。木川という名前はそれほど多くはない名前です。この名前がこのように出たことで、バーバラさんの母、木川信子さんには、言われなき言葉が届いたのではないでしょうか。そして、ここに描かれた現実。

これまでに相談した編集者の方から、このテーマは売れない、という言葉がありました。でも、私はテーマは、普遍的な何かを持っていると思います。描きたいことがたくさんあります。あとは、自分の筆力の問題か、と。自分自身の能力と努力でなんとか、最後まで実現しなければ。この瞬間のために生きてきたように思っております。

クラウドファンディングの方はストレッチゴールの宣言をしております。120%までいけば、抄本「横須賀一九五三」を白黒ですが、印刷して本、DVD、Bly-rayをリターンに入れておられる方には贈呈します。

映画「Yokosuka1953」を公開したときに、尊敬する業界の方に言われました。「木川さん、確かに映画祭で賞をとることは大変なこと。そしてその映画を劇場公開できるってことはもっとすごいこと。でも、もっと難しいのは劇場をいっぱいにすることなのよ」と。出版は目的ではありません。このテーマをより多くの人に届け、人類社会の福祉に貢献したいと思います。

よろしくお願いします。