ヤマケイ社員による「山小屋の思い出vol.12」を紹介します!
vol. 33 2020-07-22 0
小社社員はさまざまなかたちで山小屋でお世話になっています。
そんな社員による、山小屋での思い出話をご紹介します。
第12回目は、入社28年目、 自然図書出版部 神谷有二がお届けします!
「いつもの日帰りの山」に、たまには泊まってみるのもいいものです。
どうぞお付き合いください。
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近所の山に泊まったら最高だった話
こんにちは。自然図書出版部で生きものの本を作っています神谷(有)です。今の月刊『山と溪谷』の編集長も神谷ですが、彼は(浩)ということで別人です。
さて、わたしは神奈川県民なので、山と言えばやはり丹沢です。近所なので、思い立ったらすぐ登れるので、とくに山の部署にいた2017年ぐらいまでは、けっこう登っていました。
丹沢の山小屋と言えば、食事がおいしいことでも人気な丹沢山山頂に建つみやま山荘、丹沢最高峰・蛭ヶ岳山頂に建つ蛭ヶ岳山荘などがありますが、わたし自身が何度も通って思い出深いのが塔ノ岳山頂に建つ尊仏山荘です。
塔ノ岳山頂に建つ尊仏山荘
塔ノ岳は基本的には日帰りの山だと思います。わたしも、普段は日帰りで、尊仏山荘さんには缶ビールやカップラーメンを買って休憩させていただき、ご主人の花立さんや従業員の方とダラダラしゃべる‥‥という楽しみ方が多いのが正直なところです。常連の皆さんからおかずのお裾分けをいただくのも楽しみです。数年前なら営業部長のみーちゃんの歓待もあったのですが‥‥。
今は亡き尊仏山荘営業部長のみーちゃん
そんな感じだったわけですが、ある年の春に、仕事で尊仏山荘に2連泊することがありました。これが最高でした。ふだんは登山者で混み合う山頂が、夕方、誰もいないのです(当然ですね)。わずかな宿泊者だけで、ゆっくりと暮れてゆく時間を満喫しました。夜になればキレイな夜景(お酒を飲んでしまったのでよく覚えていません‥)、朝は雲海の先に富士山が見える絶景ぶりです。山小屋に泊まればあたりまえのことですが、いつもの日帰りの山だと思うと非日常感がたまりません。
山小屋宿泊者だけが満喫できる塔ノ岳の夕暮れ
日が落ちてから目の前で滝雲が流れ落ちました
朝は雲海の向こうに富士山が!
さて、そんな尊仏山荘が建つ塔ノ岳ですが、登りはあえて「バカ尾根」こと大倉尾根をおすすめします。言うほど長くはありませんし、山頂手前の花立山荘で手を振るようにはためく「氷」の旗に心がときめき、最後のつらい登りでふと振り返ったときに見える光り輝く相模湾の風景が最高です。そして、尊仏山荘に泊まって山頂の絶景を満喫して、下山は縦走気分を味わえるヤビツ峠へ下りるのがおすすめです。もろもろ落ち着いたらぜひ。
海が見えるのはいいですよね
自然図書出版部 神谷有二
ツイッターの山と溪谷社いきもの部(@yamakei_ikimono)で日々見つける生きもの情報を発信…し過ぎと言われています(笑)。『山と溪谷』編集部やヤマケイオンラインなど、山の部署にも長く在籍。
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また、山小屋の思い出を紹介していきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
山小屋エイド基金運営事務局
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**イベント情報**
7月31日ライブ配信
「生中継!萩原編集長が聞く! 登山と山小屋の現状と課題」
八ヶ岳・硫黄岳山荘の浦野岳孝さん、南アルプス・北岳肩の小屋の森本千尋さん、北アルプス・太郎平小屋の河野一樹さんをお招きし、山と溪谷社の萩原浩司を進行役にオンライントークライブを7月31日(金)19時30分~開催。詳細はこちら