CATiCメンバーの連載:「お節介な支援もあっていいと思う」(こじこじ)
vol. 5 2015-12-24 0
この連載では、CATiCメンバーが交代で登場。
それぞれがそれぞれの想いを徒然なるままに綴ります。
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はじめまして。
こじこじといいます。
本名とあだ名は全く関係なく、顔がこじこじにでてくるキャラクター(次郎くん)に似ていることからつきました。
気になった方はぐぐってみると想像していただけるかと思います。
現在、卒論、アルバイト、教習所に勤しむ面白いほど大学4年生らしい生活をしているありのままの大学4年生です。
そんな私が大学生として、少し珍しい活動をしているのがNPO法人であるCATiCの活動です。
今回はなぜ、平凡な私がCATiCに所属しているのかを書かせていただきます。(ここで興味ねーや、と閉じられませんようにと願いながら打ってますという図々しさアピール)
■映画が好き。ただなんとなく。
私は、映画が好きです。
というと、ほーー詳しいんだねーー
と言われることが多いのですが、
恥ずかしや。詳しいわけではありません。
映画好きというとなんだか高尚な気分になったりもするのですが、私はいわゆるマニアでもなく、ただ映画がなんとなく好きなんです。
言うならば、
大学生が、一度はラーメンの写真をインスタグラムにあげるような、そのぐらいのなんとなくさです。
すみません、わかりにくいです。
このなんとなくさ、なかなか説明がつかなかったんです。
■フライパン(CATiC副代表)に出会って、映画が好きな理由がわかった
そんな私が、ある日同い年のフライパンのプレゼンに出会ってしまいました。
映画ファンの集いという映画好きが集まるイベントに初参加し、
そこで映画にまつわる活動をしている人たちのプレゼン大会が行われたのです。
フライパンは、自分はそんなに映画が好きなわけでも詳しいわけでもない。
ただ、映画には、誰かの人生を変えるきっかけを与える力がある、自分も動かされた1人である。その力を信じているから、途上国に映画を届けるのだ、と言いました。
あ、これだ。
と思ってしまいました。
自分が映画が好きな理由は、私も映画によって人生の選択肢や、自分の知らない世界を知ったからです。
映画を見て、
たとえフィクションであったとしても、
人の気持ちや行動で知らないことを知ることが楽しくて、
自分が今悩んでいることはなんて小さなことなのだろう、世界は広いと勇気づけられたり、
時には、暗い社会の問題に自分が世間知らずで何も不自由なくいることになんとなく情けなさを覚えたり、
意味もなく泣きたくなってしまったり、
気持ちを揺さぶられてきたから、
映画が好きなのだと気がつきました。
■気づいたらフライパンの、そしてCATiCのとりこに
フライパンのプレゼンは映画ファンの心をがっちりとつかみ、見事100人以上の映画ファンの前のプレゼン大会で優勝していました。
そして、見事に心を掴まれた一人である私は、会の終了と共にフライパンに話しかけていたのでした。
そんなきっかけが去年の12月にあり、
今年の9月には初めてカンボジアの現地の上映ツアーに参加することができました。
カンボジアは、日本のみならずたくさんの国や機関が支援をしている国です。
上映ツアーに参加するなかで、現地で支援をしている方とお話する機会もありました。
■CATiCの想いに共感していた私が、はたと立ち止まってしまった言葉
その中で、一つ私の心にぐさっと来たものがありました。
「途上国支援は、途上国の人が必要としている支援をするべきだ」という意見です。
果たして、映画は途上国の人たちに求められているのだろうか。
毎日遅くまで居酒屋で働き、朝は氷配達のために5:00に起き、昼は学校に行く。ようやく貯めたお金は家族のために仕送りをする学生。生活をするのもやっとなのに、そんな彼らもスマホを持ち出しているらしい、と現地で聞きました。
映画をみようと思えば、見れる環境にもしかしたらすぐになってしまうのかもしれない。
そんな国で、私たちの支援は何になるのだろうか。
CATiCの思いに共感し、突っ走ってきたわたしが、はたと立ち止まってしまった瞬間でした。
■映画を届ける活動は、近所のおばちゃんのお節介のようなもの
その後モヤモヤと過ごしてきた中で、
私の中で一つ思った答えがあります。
これはあくまで私の個人的意見であって、
CATiC全体の意見ではないということを前提に踏まえて伝えたいのですが、
私は映画を途上国の子どもたちに届ける活動は、近所のおばちゃんが公園で遊ぶ子どもたちに暗くなってきたからはやく帰りなさいよ、と声をかけてあげるぐらいの温かいお節介だと思います。
途上国の人が求めている支援をすることは、必要だと思います。支援をしたほうが良いと思います。
でも、途上国の人たちがまだ気づいてない、だけどあった方がいいんじゃないかな、というお節介な支援もあって良いのではないかと思うのです。
お節介ときくと、マイナスなイメージを持つ方もいるかもしれません。
私は、本人は気づいていないけれど、周りから見たら、その人のためにしてあげたいことを提案することをお節介と位置づけています。
■お節介で救われてきた私。次は私がお節介おばさんになる
考えてみたら、私はお節介によって救われてきたことが多い気がするのです。
高校生の時、電車で爆睡していたら、知らないおばさんが私を起こしてくれました。
そのおばさんは、あなたの高校この駅じゃない、と一言添えてくれました。飛び起きた私はなんとか遅れずに学校に着き、試験を受けることができました。
大学一年生で、サークルに迷っていた時、私にあってるから絶対に来たほうがいいと誘ってくれた友達のおかげで、私は大学でびっくりするほど変人だけど面白い友達と出会うことができました。
電車で助けてくれたおばさんも、友人も、自分のためでもないから、しなくてもいいことを私のためにわざわざしてくれたのです。
そんな温かいお節介が私を救ってくれたことはまだまだたくさんあります。
映画も、きっとそうなのではないかと思います。
日常生活を送る上では、知らなくてもいいことを知るかもしれません。
見なくても生きていく上では困らないかもしれません。絶対に必要だとは言えないです。
それでも、
知っているから、初めてその選択肢を踏まえて考えることができるのだと思います。
途上国の子供たちに映画を届けることが、私の人生において必要不可欠かと言われたらよくわかりません。
でも私はお節介で救われてきたし、
その恩返しとしても、恩廻りとしても、
押し付けがましくなく、周りの人たちに温かいお節介を返していきたいなと考えています。
CATiCの活動を通して、遠くに住む子どもたちにとって私がお節介おばさんになれればいいな、と思っています。
長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも、応援してもいいかなと思っていただいた方はご支援いただけると嬉しいです。
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名前:藤吉智子
ニックネーム:こじこじ
都内の大学に通う四年生。
映画と旅と食が三大要素です。