高校生以上の青少年の社会体験不足と森を守る仕事=林業の後継者不足。
この二つの課題を解決するため、青少年男子による自然と林業のPRユニット「ウッディボーイズ」を結成するプロジェクトです。
高校生以上の青少年の社会体験不足と森を守る仕事=林業の後継者不足。
この二つの課題を解決するため、青少年男子による自然と林業のPRユニット「ウッディボーイズ」を結成するプロジェクトです。
挑戦しづらい社会で、
自己肯定感やコミュニケーションに悩む青少年。
子ども達をめぐる学校教育では体験活動の充実がすすめられてきました。
国立青少年教育振興機構によって行われた「青少年の体験活動と自立に関する調査」でも、
(1)体験を多く行っている青少年ほど自立的行動習慣が身に付き自己肯定感も高い
(2)子どもの頃の体験の多い保護者ほど人間関係能力、文化的作法、教養などの資質が高い
という結果が出ています。体験活動には子ども達が本来もっている、元気でたくましくいきいきとした生きる力を養う効果があります。
しかし、依然として子どもたちの問題行動等が重要な課題となっています。
人間関係をうまく作れない。
集団生活に適応できない。
規範意識が低下している。
などが指摘されています。私たちもこれまでの子どもを対象とした活動を行う中で、子どもの社会生活の規範意識が低いことを実感しています。
その理由として、地域社会と多く・深く関わる機会が減ってきたことや集団活動の不足、物事を直接探索・吟味する機会の減少が考えられます。
またその背景として、地域や家庭の教育力の低下があるのではないかと思います。
物理学者でノーベル物理学賞受賞者の江崎 玲於奈さんも「深く探求すること、新たにチャレンジすることを、育む環境にはなっていません。また、チャレンジをすれば、上手くいかないことも出てきますが、失敗や再挑戦を、許容する、社会にもなっていないでしょう。」と言われています。子どもたちの挑戦を引き出す、その機会をつくることを「地域」が行う必要があります。
一方で、日本の林業就業者は昭和35年には約44万人だったのが、平成22年には約7万人と減少しており、また、林業の高齢化は昭和35年の4%から平成22年には18%と上昇しています。
県内には園芸や林業等に関する学科を持つ実業高校もありますが、林業と言う職業に対する社会の理解不足によって職業の価値が正しく理解されておらず、そのことが様々な面に影響を及ぼし、結果として後継者不足という状況ができているのではないかと考えられます。
青少年男子によるユニット「ウッディボーイズ」が
地域と共に育つ!
そこで、今回のプロジェクトでは、歌って踊って楽しんで山村資源をPRする15歳~20歳中心の男性ユニット「ウッディボーイズ」を結成し、PR活動を通じて青少年の育成を図ります。
「ウッディボーイズ」として活動することは、学校だけでは得られない道徳教育・しつけ・公共の意識・家族の絆・地域の絆・自然に感謝する心を彼らに育む機会を提供します。
また活動での困難を乗り越え、評価をされていくことで、自信と夢をもって未来を拓き、地域に貢献できる人間へと育成ができると考えています。
【ウッディボーイズの役割】
1.林業関連・自然体験活動の重要性や林業に関わる企業・職業・商品のイメージアップのためPR活動を県内企業やNPO、関係機関とも連携しながら県内各地で展開します。
2.小学生・中学生を対象とした自然体験活動・社会との交流の必要性を提唱する体験活動のサポートを行い、積極的に推進展開します。
【結成までの流れ】
(1)各高等学校(園芸、林業学科等)・専門学校・学習塾・各メディアへ「オーディション」の開催広報
(2)「ウッディボーイズ」オーディションの開催(3月下旬から4月上旬)
春休みを利用し、15歳~20歳の青少年に対して歌・ダンスを中心としたユニット(5人組)を結成するためのオーディションの開催。
(3)歌・ダンスレッスン、農林業自然体験・教育
土・日曜日を利用して、歌やダンスのレッスン開始。
(4)農林業や自然体験活動へのサポート実施。
2か月に一度程度、小学生親子と一緒に体験活動を行う。
(5)「ウッディボーイズ」PR活動 お披露目(各種イベント会場)
各地のイベントやお祭り等でのPR活動
(6)「ウッディボーイズ」初年度終了
移行も引き続きPR活動・自然体験活動継続予定。森林事業のイメージアップや自然体験活動等の取り組みを積極的に推進し、PR活動を展開していきます。
2000年に主婦3人ではじめた活動が、
今、辿り着いた新しい取り組み。
NPO法人ふれあいサポートちゃてぃずは、子どもと子どもをとりまく親や地域の人々に対して、様々なふれあいの場や活動の場、及び学習の場を提供、支援すると共に元気で楽しく活力ある地域社会づくりに寄与することを目的に設立されたNPOです。
2000年に主婦仲間3人で「コミュニティカフェほっとちゃてぃ」を開設したことから活動をスタートし、2003年にNPO法人を設立。子ども体験活動や子育て支援等企画の運営を展開してきました。
2004年には商工会との協働にてコミュニティ施設「夢ほっとプラザ」を開設。2005年のキャリアサポート事業開始以降、コミュニティビジネスや女性起業の支援にも取り組んできました。
また、2011年には地域子育て支援事業 子育てひろば「うみっこ丸」「しずちゃん家」を開設。出張型集団一時預かり、保育サポート事業も開始するなど子育て支援の事業もニーズに合わせて展開しています。
それぞれの取り組みに中学生のボランティアも参加しており、乳幼児から小学生、中学生と支援を行う中で今、その上となる15歳~の青少年の支援に必要性を感じています。
岡山県の森林面積は484千ha。
県土の7割を占めます。
岡山県には、中国山地から瀬戸内海にかけて変化の富んだ気候・地形環境による、ずばらしい自然資源があります。岡山県の森林面積は484千haと県土の7割を占めます。木材供給量の約99%を国産材が占めており全国的にも有数の国産材加工県です。森林の再生・山村復興を行い、この豊かな資源を維持するためには、もっと多くの人達がその価値を理解する必要があります。
これまで私たちNPO法人ふれあいサポートちゃてぃずでも協働事業として県北地域でコミュニティビジネスの起業支援・就職支援を行ってきましたが、次世代を担う若者が岡山県の中山間地域のすばらしさについて認識しておらず、また魅力を感じていないことを実感しています。
今回のプロジェクトでこの状況を変えていきたいと考えています。
想定されるリスクとチャレンジ
本プロジェクトでの課題はウッディボーイズを立ち上げるための広報です。
せっかくのPRユニットも知っていただかなければ機能しません。そこで、今回の寄附をいただき、各企業に対して森林事業のイメージアップや自然体験活動等の取り組みを積極的に推進し、PR活動をする「ウッディボーイズ」の協力支援のお願いすることを考えています。
また、ウッディボーイズのメンバー募集にあたっては、各高等学校・専門学校・学習塾に対して「オーディション」開催の広報を行う予定です。
「PRユニットへの参加」を新しい学びの機会に!
青少年にとって、地域の人々や自然との関わりは希薄化してきています。
例えば、
異年齢群の中でうまく他者と関わっていく力、
・「人は一人では生きていけない」という認識、
・年長者が自分より年下の子どもに・大人が子どもに・年寄りが若衆に持つべき役割や義務への理解、
・人は自然の一部として生きていることの理解、
・さらに生きていくために必要な全てを自然から与えられているということへの理解
などのことを育ちのプロセスの中で学びとる機会は非常に少なくなっていると思います。
今回のプロジェクトを通じて青少年が、幅広い年齢層との多様な交流の機会を得ることで、集団生活の中での協調性・自律性を育むと共に、その中での「知」を総合化し、課題発見能力や問題解決能力を高める学びの意欲を促進ことができると考えています。
また、彼らが展開するPR活動により、これまではなかなか情報が届かず、理解や認知も低かった青少年を含む幅広い層へ農林業についての認知や、自然体験活動や木育についての意識が高まると考えられます。
本プロジェクトの後には、第1期「ウッディボーイズ」につづく青少年を順次スクール形式にて育成し第2期「ウッディボーイズ」を育成することを計画しています。そして、「ウッディボーイズ」をさらにPRし、子どもたちの体験活動や商品のイメージアップを図るよう中山間地域や農林業産業関係のイベント等に随時参加していきたいと考えています。そして、彼らによる自然体験や職業体験等のスクール形式で参加できる体験活動を他の団体・企業と協力体制をとりながら展開していきます。