秋パート撮影の報告
vol. 22 2021-11-19 0
「Wakka」の秋パートの撮影は、天候に恵まれた夏と打って変わって、雨、風、晴天、曇りと「秋の空は七度半変わる」というたとえ通りの、目まぐるしい変化に、柔軟な対応が求められた日々でした。
初日の石狩は、朝5時発、小雨になりそうかなと思ったら、現地に着いたら海に近いこともあってか強風が時々吹いてくる悪天候、「Wakka」(水)なんだから雨のシーンが少しはないとね、という撮影監督の露口さんに励まされ、みんな雨具を着ての撮影。しかしそれが色合いといい、平原さんの小さな踊る手と見事にマッチして、素敵な画を撮ることできました。
そのあと移動し、「記憶のミライ」でも水槽を作っていただいたアイハラ製作所裏で撮影、昼食後夕張へ。夕張川の橋や公社跡、楓小学校跡と後半は順調に撮れ、一路札幌へ戻って日が暮れるぎりぎりに苗穂近くの夕景を撮って、ハードだった一日が終了。
二日目は朝4時半発。沙流川河口まで飛ばして、6時半ごろから撮影予定だったが、今日も朝は風雨の天候悪化で、カメラに雨が振り込むので、準備をしておき、弱まったりする隙間に撮ることの繰り返しの厳しい撮影。
しかしですね、これがまた川の流れが逆流したりして、まるでヨーロッパの絵画のような絵が撮れたりして、スタッフの皆さんの力量に感謝しかない。
平原さんの祈りを感じさせる踊りがまた私の意図を越える心に刺さってくるようで、すごい。映画はまさに現場で撮るものを実感。悪天気に感謝すらしたい気持ちでした。
少し時間をオーバーして上流へ移動、今度は晴れてきて、落ち着いた色が欲しくて逆に曇天を狙って待ちもでてくる。結城幸司さん到着して、リハーサルをしていると、今度は多量の雨がふったので、ダムが少し放流しているとのことで、どんどん水かさが増えてくるので、危機感が生まれ、無駄口をやめ、スタッフキャスト全員がとにかく撮ることに集中。結城さんの座っている位置ぎりぎりまで水が来たが、今度はそれがまた見事な絵になっていった。
予定より大幅に早く撮り終え、見学に来ていただいた音楽とサウンドデザインをやっていただく大友さんたちも一緒に記念写真。みんな、撮り切った満足感で笑顔ですね。
このあと、平取の名物喫茶店モンブランに移動して、モニターで二日間のポイントになる映像を、大友さんに観てもらいながらミーティング。これがまた本音も含めたしっかりとした議論になり、大変密度の濃い時間だった。「いい映画」を撮ろうとするみんなの気持ちが一緒になって嬉しいです。
最終日は少し朝ゆっくりで6時発、メインロケ地の樽前放牧場に8時前についてカメラ位置など準備しつつ、今日は水道管をかなりの数立てていく作業なので、並行して進めていく。天気は昨日までとうって変わって、見事な晴天になり、逆に曇天待ちの時間が増えて、待ち時間の間に冬パートの打ち合わせもする。
今日の昼食は、助監督の橋場さんの手作りの玉子焼きやフキの煮物のおかずに、現地で梅わかめうどんとバター風味の炊き込みご飯。本当に橋場姉さんのおかげでコンビニ弁当ではない(コンビニ弁当の時もあるのですが、それに汁ものを現地でちゃんと作ってくれるのです)毎日の食事が待ち遠しいぐらい。映画のロケのご飯の大切さが身に染みてわかります。
昼食後、雲の流れを見越しての曇天待ちを何度かのリテイクを重ねてついに終了、冬パートに向けての水道管作業を繰り返して、平原さんの踊りの軽いリハをやって、秋パートの全行程が無事終了、札幌へ一路もどって、私はキノによって、明日からの準備の仕事をする。悪天候だったがそれを逆に活かしたハードな撮影をこなした最高のキャスト・スタッフの皆さん、本当にごくろうさまでした。感謝でいっぱいです。
そして、クラウドファンディングは12/7(火)まで、あと19日。目標額まであと74万にこぎつけました!どうぞよろしくお願いします!