【後編】映画の骨組み、遠吠えの脚本はいかにして生まれたか。シェーク監督に聞く。
vol. 46 2021-08-04 0
シェークの大好物はだんごです。いぇーい!
それでは、映画の骨組み、遠吠えの脚本はいかにして生まれたか。
続きをシェーク監督に聞いてみたいと思います。
編集部「いきなり敷居が高かったんですね。」
シェーク「はい。でもとりあえず、喫茶店からなにか始めてみるかと。その時ちょうど喫茶店にいたので(笑)。」
編集部「まさに目の前の事から手をつけるしかない、と言う感じだったんですね。」
シェーク「「今このルノワールにどんな人がいたら浮いて見えるか。そこから考えてみました。40代。汚い身なりのおっさん。どんな用件で?誰といるんだろう?例えば…20代の女性。多分学生。親子には見えない。なんで会ったんだ?……マッチングアプリとかかな…。でもなんで……?いきなり1千万くらいの金を積まれたりして…どうしたら1千万あげるなんて話しになるんだ???」
編集部「ふむふむ(興味津々)」
シェーク「学生にとっての1千万は相当な大金…、殺人レベルでもおかしくないな…。人を殺して1千万!どうしても殺して欲しい憎き相手。自分じゃ殺せないから、どうでもいいこのおっさんに殺してほしい。おっさんもそれを引き受ける。1千万あったら、うだつの上がらない自分の人生、なにか変わるかもしれない……。」
編集部「おーー、合点(感心)」
シェーク「そんな作業を積んで、まずは喫茶店のシーンを書き上げてみました。そこからは連想的に浮かび上がってくるイメージを俯瞰し、吟味し、検証しながら、徐々に『遠吠え』初稿を書き上げていきました。」
編集部「なるほどぉ。シェークさんは連想と検証を積み重ねて書かれていったんですね。通常よりも苦労されたと思いますが、そうやって書き上げた作品に、どのような感想を持たれてますか?」
シェーク「実は、書きながら、僕の中で、考え方が変わってきたことがありまして…。おこがましい言い方に聞こえてしまうかもしれませんが、あえてそのまま言ってしまうと、『人間の未熟さ、というものは、年齢とは関係なくあるのかもしれない。』ということでした。」
編集部「おっ、そういう着眼点ですね。」
シェーク「僕、ダメな大人に対して苛立ちを感じたりするようなところがあって…。この時点で僕が子どもなんですけど(笑)これって、脚本を書いて、だけじゃなくて、今回の座組を通して考えることができたことでもあると思ってるんです。」
編集部「なるほど。」
シェーク「『遠吠え』を通して本当にいろんな年齢の方たちと長期間一緒に関わることができまして、こんなにも幅広い方たちと映画を作り上げていく、というのは僕にとっては初めての経験でした。」
編集部「うんうん。」
シェーク「長い期間一緒にいるので、段々その人たちのいろんな面が自然と見えてくるんですよ。どれだけ完璧に見えてた人でも、抜けてたり、ダメなところがあったり…。これまでの僕だったら、それを嫌ってたのですが、なんだかそういうのが楽しかったり、愛おしく見えたり…。あれ、もしかしたら、僕、少し成長してたりします?(笑)」
編集部「この現場で大人の階段を徐々に…。(再び興味津々)」
シェーク「人間はいくら歳を重ねても、本質的な部分は大きく変わらないのかもしれませんね。親世代の人たちが、中高生の頃と全然中身変わらないなーって、よく言いますけど、立場や状況がどんなに変わっても、中身はそんなに変わりようがないのかもしれない。かく言う僕も中3から全然変わってないんですよ。20年後に変わってる気も全然しない(笑)」
編集部「えっ!」
シェーク「その辺のことも実は「遠吠え」には込めたりしてます。そんな感じで、いろいろ悩みましたが、今回やるべきは、今の僕が思う人間の闇や面白さを、僕なりの表現方法で描いていくことだなというところにたどり着きまして。それって、作品を作る上でいつも自分が意識していたことじゃないかと。それが分かってからは、割りとあっという間に初稿が書き上がりました。」
編集部「筆が走ったってやつですか(笑)」
シェーク「はい。でも僕は素直に表現するタイプではないんで、物語がどうなっているのかは、ぜひ皆様に劇場でご確認頂きたいです。」
編集部「おお〜!楽しみですね!いまを生きる20代が描くいまの40代、どう見えるのか、どう描かれているのか、気になりますねーっ!!」
シェークさん、有難う御座いました。
次は是非とも撮影秘話の方もヨロシクお願いしますね。
大事に思いを紡いで撮りきった遠吠え!
ぜひとも映画館で、たくさんの人に観ていただきたいっ!
知らないお隣の方々にガンガン拡散、蔓延促進、宜しくお願いします!
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